blank page   作:瀧音静

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一応……生きてます。
骨折とか……色々ありましたけど、生きてます。
ネタ詰まったり、本当に色々ありましたけど……生存報告も兼ねて……。


第二主張(セカンドストリート)

「あの二人がもし、同一人物というのなら――考え方が違いすぎるのはおかしいよね」

「考え方……であるか」

 

 繰り出された二つ目の主張。

 それは、当人以外には知ることが出来ないはずのものであり。

 つまりは主張とするには、あまりにも脆いものだった。

 

「【笑止】考え方など分かるはずが無い。分かるのは当機のみ」

「我ら機凱種(エクスマキナ)の意見は同じである。他人の心を読む魔法など人類種(イマニティ)に扱えるはずが無い。よって、貴女に分かるはずも無く、主張自体が無意味である」

 

 イミルアインにも、アインツェヒにも。

 即座に否定された第二の主張。

 しかし……。

 

「だからね? 私はそれが分かる存在なの。ううん、分かる存在()()()の」

 

 なおも力を込めて主張する少女の言葉に、何故か――興味が沸いた。

 

「ならば、まずはその事を証明せよ。それが叶わぬのならば貴女の主張は無効とみなす」

 

 一度却下したにも関わらず、その却下を拒否した遺志体(プライヤー)に重なるように。

 けれども当然、あの時とは同じに出来ず。

 目の前の人類種(イマニティ)には、少し厳しく機会を与えた。

 ――筈だった。

 

「シュヴィちゃん。……貴方達で言う遺志体(プライヤー)かな? その個体と再接続した時に流れ込んできた最初の()()。それを答えたら、当てられたら、認めてくれるかな?」

「出来る筈が――」

 

 満面の笑みで、伝承にすら、自分たち以外の誰にすら知られていないはずのソレを。

 当てると、答えると言い放った目の前の少女には……機会を与えることは――失敗だった。

 

「最初に流れてきた感情は……()()()。違う?」

 

 あっさりと解答してきた、突きつけられた答えに、反応した機体は皆無である。

 

「ずっと傍に居たかった。でも、叶わない。誰も殺さないし殺させない。その約束を、ルールを、破ってしまった。色んな悔しいが混じり合った。そんな感情」

 

 胸に手を当て、まるで自分の想いのように。

 うっすらと涙を浮かべながら言ってきた少女にアインツェヒは。

 

「……貴女の主張を認めよう」

 

 静かに言い放った。

 そして、

 

「だがしかし、二人の考えがどう違うかを説明せよ」

 

 当然の事を、口にした。

 

「二人はね、対極なんだよ」

「対極?」

 

 涙を拭いて、口から出てくる言葉は弾んでいて。

 

「そう。対極。リクはそもそも一人でも戦っていた。仲間を、人類種(イマニティ)を生き延びさせる為に。そして、たまたまシュヴィちゃんと出会ったに過ぎないよね? 出会って無くても戦っていて、出会って知識を得たからこそ、大戦自体に喧嘩を売った」

 

 それまで見た、読んだ知識をなぞるように目を閉じながら。

 

「対して空は、白ちゃんが居ないと何も出来ない。もちろん、傍に居れば一人でも戦うけど、たった一人で戦うなんて決して出来ない」

 

 リク個人でも一人であるが、空と白に関しては――()()()()()、『  (くうはく)』である。

 互いが互いに依存して、傍に居なければ何も出来ない。

 そんな二人は果たして同一人物か。

 

「そしてね、ここが一番違うんだよ」

 

 己達の心の中で一瞬だけ疑問符を浮かべた機凱種(エクスマキナ)の事など露知らず。

 主張の頂点。

 何を思って、何を根拠にそんな主張をしたかと思えば――、

 

「リクは――遺志者(シュピーラー)は、勝つために、戦うことを決めたよね」

 

 ごく当たり前の事を……口にした。

 

「【疑問】戦いが無ければ、勝敗はない。……ひょっとして、バカ?」

 

 イライラが募り、口が悪くなるイミルアインを華麗にスルーして。

 

「でも空は……『  (くうはく)』はね。()()()んだよ。勝つために」

 

 本編にして十巻。

 時系列的に機凱種(エクスマキナ)襲撃の後に発生する土精種(ドワーフ)との勝負。

 その勝負の最後にて、『  (くうはく)』本人の口から放たれたその主張は。

 イミルアインやアインツェヒの口を閉ざさせるには十分だった。

 思い起こして、彼らは逃げていたか? ……逃げまくっていた。

 どんなに趣向を凝らし、あの手この手で迫っても。

 ジブリールを使って様々な場所へ……逃げていた。

 いや……待て。

 

「確かに愛しき人(シュピーラー)は逃げていた。我らからもそうであったように、貴女の言うとおりなのだろう」

 

 最終的に勝つために。勝ち目のある勝負以外を避けるために。

 逃げ続けた空の姿を思い浮かべながら――()()()とアインツェヒは反論する。

 

「それは遺志者(シュピーラー)も同じである。大戦の中、勝てぬ勝負から遠ざかるために、人類種(イマニティ)を率いて()()()()()ではないか。それはすなわち勝利のため。つまり、本質は同じである」

 

 下手なことを言及して揚げ足を取られてはたまらない、と、最低限の事しか口にしていないアインツェヒだが、正直カイにしてみれば悪あがきもいいところである。

 が、

 

「そうだねそうだね、そうだよね。あぁ、いいなぁ。この時間、たまらなく幸せだよ」

 

 涎でも垂らさんばかりに恍惚とした表情で、そうカイは、呟くだけだった。




とりあえず書ける内に書いとかないといけないと痛感しました。
マジで。
……とかいいつつ次はいつになることやら。
また気長にお待ちくださると……。
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