blank page   作:瀧音静

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……約三年前?

へ? 誰かに時間すっ飛ばされた?


マーージでごめんなさい。間隔空きまくりました。
そのくせ皆様に満足して貰えるかというと……うん。
ただ、最新刊読んで、こうだという解釈に至ったので、ようやくというか何というか……。


本命(クリティカル)

「ぶっちゃけ、さ」

「うん?」

「さっきまでの二つは、前座だったんだよね」

 

 唐突に、笑顔をアインツェヒへと向けたカイは、そんなことを口にする。

 

「意図が分からぬ」

「【錯乱】……バグった?」

 

 自分から――カイから言い出した勝負の内容で。

 今までの行為も、その勝負の内容に則った、勝ちのための布石。

 そう警戒していた機凱種(エクスマキナ)の二体は。

 カイの言葉に、辛辣な反応を見せた。

 

「や、深い意味は無くてさ。さっきまでのは……言うなれば、確認? 的な」

「確認?」

「そ、確認。証明問題でもたまにあるじゃん? 前提条件みたいな」

 

 空が聞けば一層頭痛が酷くなったであろうカイの言葉は、しかし実際の証明問題――もっと言えば数学のテストを見たことがないイミルアインとアインツェヒには。

 正直カイの言葉がピンと来なかった。

 ――が、

 

「さっきまで()ということは、次の証明こそが本命であるか」

「そそ。構えてていいよ? 多分、今までで一番意地悪な証明だから」

 

 先の発言を拾い、カイの意図に気付いたアインツェヒは。

 全連結体の算出した、今までの質問から逆算した提示されるであろう証明の予想を全て確認。

 瞬きの時間以下で済んだその作業を持って、万全と判断し小さく頷いて。

 

()()()()なのが、()()。つまりそっちの言う愛しき人(シュピーラー)。んで、常に白ちゃんと一緒で二人なのが空。一人(ぼっち)と二人、あまりにも高すぎる壁がある以上、この二人は同じではない」

 

 その予想全てを裏切る証明に――対峙した。

 

「は?」

「へ?」

 

 虚を突かれたとも言うべき、馬鹿馬鹿しい証明。

 本人達を前に、突きつけられたその証明は……。

 

「これは……」

「【不可思議】否定……不能?」

 

 どう考えてもおかしいはずなのに、二体の思考には、この証明を否定する言葉が出てこなかった。

 ――どころか、

 

(否定拒否)

 

 という解答が、全機凱種(エクスマキナ)から発せられていた。

 訳が分からない、と首を振ったアインツェヒは、言葉を紡ごうと口を開き……。

 

「やめといた方が、いいと思うよ?」

 

 カイの……びっくりするほど優しい言葉に、それを遮られる。

 

「でないと、自分たちを否定しちゃうことになっちゃうから」

 

 そこまでカイに言われたアインツェヒは、

 

「そういう……事か」

 

 やっと、謎が解けた。

 なぜこの証明を否定できないのか。

 なぜ否定拒否という解答を、全機凱種(エクスマキナ)が発したのかを。

 なぜ、()()()()証明だとカイが言ったのかを。

 それは、

 

「我らは……道具。心なき機械」

「【理解】そうでなければ……ならない」

 

 彼らは、機凱種(エクスマキナ)は。

 自らを、心なき機械であると断定しなければならないからである。

 そしてそれは、空の……愛しき人(シュピーラー)の。

 隣に立つ存在として、決して埋められない溝でもあった。

 

「言ったでしょ? 意地悪だって」

 

 もはや否定できないことを悟り、負けを理解したイミルアインとアインツェヒに。

 涙声……どころかしっかりと涙を流しながら声をかけたカイは。

 

「自分たちを人だと認めちゃったら、大戦中のルールに反しちゃう」

 

 誰も殺してはならない。誰も死なせてはならない。

 それら二つのルールを守るために。破らないために。

 シュヴィは、自らを道具だと位置付けた。

 それは、戒め。

 機凱種(エクスマキナ)を明確に縛る、一本の鎖。

 

「ジブリールが殺した事実を……そして、リクが、シュヴィちゃんを死なせてしまった事実を。目を逸らして、気が付かなかった振りをするために。あなたたちは、()()()()()()()()()()()の」

 

 だから、と小さく嗚咽しながら続けたカイは、

 

「私の証明……否定できないよね?」

 

 しゃっくりをあげながら、涙でぐしゃぐしゃになった顔で、笑顔を浮かべるのだった。

 

 

「【不快】理解不能」

「あれほどの必殺の切り札を持っていながら、なぜ最初に使用しない?」

 

 かくて、敗北を受け入れ、証明を崩すことが出来なかった機凱種(エクスマキナ)達は。

 カイの、「泣き止んで落ち着くまで待って」という言葉に従い、未だに宇宙空間のような場所に居た。

 

「初手で必殺ブッパして勝ち、なんて、クソつまんない真似するわけないじゃん? それに……さ」

 

 零れた涙を手の甲で拭い、頬を何度か叩いて顔を上げたカイは。

 アインツェヒの質問に、いつも通りのあっけらかんとした表情で答えると、

 

「それに……何であるか?」

機凱種(エクスマキナ)の解釈も、聞いときたかったんだよね。『心』を理解した、機凱種(どうぐ)の言葉も、さ」

 

 そう、言い放った。

 機凱種(エクスマキナ)さえも知らない、消えゆく寸前のリクの心中。

 シュヴィの語った詭弁を尊重した、その時の呼び方。

 それを機凱種(エクスマキナ)は今更知る由も無い。

 

「最後に……」

「うん?」

「なぜ涙を流した? 我らに対する哀れみか?」

 

 アインツェヒは、最後の(わだかま)りを口にする。

 最後の証明の際……いや。

 ――機凱種(エクスマキナ)が証明を否定できない理由を語っていたときに、カイが涙した、その理由。

 ……それは、

 

「推し……なんだよね」

「?」

「えっと、男の娘枠でプラムきゅん推しで、ケモミミ枠で巫女さんが推しで、お姉さん枠でラフィール推しで、性別不明枠でテト様が推しで――」

 

 口を開いた瞬間。

 オタク特有の早口が発動し、イミルアインも、アインツェヒも。

 口を挟む暇が無いほどに、カイは饒舌に語る。

 

「妹枠で白ちゃんが推しで、アイドル枠で帆楼ちゃんが推しで、メカっ娘枠でシュヴィちゃんが推しなんだよね」

 

 ようやく止まったカイの語りにたじろぎつつ、二体の機凱種(エクスマキナ)は次の言葉を待つ。

 

「推しキャラのさ、最後を思い出して笑うやつなんて……居ないんだよ」

 

 落ち着いたはずのカイの目に、また涙が浮かんでくる。

 

「ならばなぜ、我らの勝負を受けた? 涙を流すほどの思いをすると分かって……なぜ?」

 

 そんな様子を見て、至極当然の疑問をぶつけるアインツェヒに。

 カイは、今までで最高の笑顔を向けて。

 

「最後に言ったじゃん。あなた自身が」

 

 アインツェヒを――その胸を指さしながら。

 

「『休む』事を許可する、ってさ。だから、()()()()()()()のシュヴィちゃんと逢うために、だよ」

 

 一筋の涙を気にもせず、力一杯……笑った。




解釈間違ってないよね?(ビクビク)

更新滞った言い訳として、当初は機凱種(エクスマキナ)に自分は心を理解した故に人であると主張させるつもりでして。
んでもそんなシュヴィの意志に反すること絶対せんやろって一人で反論してしまい。
このギミックのままどうやろうかとうんうん唸って早二年とちょっと……。

あれですね、見切り発車はやめようねって話です。
大変お待たせしました……。
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