終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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第25章「絶望か希望か」
乗船


窓からうっすらと朝日が差し込める。

その光が俺の顔に届き目を覚まさせた。

あぁ…ついにやってきてしまった…。

絶望の朝が。

今はこのすがすがしい朝日でさえ憎らしい。

しかしそんなことよりも身体に心地よいぬくもりを感じる。

これはただ布団のぬくもりだけではないだろう…。

どこかほっとする優しいぬくもりだ。

「ユキ…」

ぽつりとつぶやき俺は妹の頭をくしゃりと撫でた。

にへらとその寝顔が気持ちよさげに歪む。

俺はそれを見て内心で苦笑した。

今から死地に赴くというやつの表情じゃないだろ、これは…。

「んっ…んん~…ふぇぇ…あしゃぁ…?」

「おう、朝だぞ」

妹はこすこすとまだ眠そうな瞼を擦りながら起き上ってきた。

ふにゃりとしたその顔はある種の興奮を誘った。

「んぁ…?おにーちゃん…?」

「そうだぞ、お兄ちゃんだぞぉ」

「えへへぇ…おにーちゃんおはよ~」

完全に寝起きでまだぽわぽわのようだ。

頭をぐらぐらと揺らしながら妹は俺に朝の挨拶をする。

正直みていて危なっかしい。

いつコテンと地に頭がつくかドキドキだ。

まぁ下はベットだから痛くもなんともないんだけど…。

「んにゅぅ…ふぁぁぁ…」

「ほら、起きろよ。それに早く朝ご飯食べないと間に合わないぞ?」

「ふぇぇ?なんでぇ?おにーちゃん今日何かあったぁ?」

オイオイ…まだ忘れてるのかよ…。

それとも忘れた方がいいのかもしれないが…。

「お前なぁ…今日は出撃の日だぞ?」

「…」

一瞬の間

そして―

「ほんとだ!」

俺の耳をつんざくほどの絶句が世界に響いた。

 

そして数時間後―

俺達は朝食を食べ終え現在は例の海に来ていた。

「さて…それじゃあ全員そろいましたわね?」

イリヤ一人が俺たちの前に躍り出る。

金色の髪が朝の光を浴びてキラキラと輝いて見えた。

その光はこの先の希望を表しているのかいないのか…

俺にはまだわからなかったが前者であると期待したい。

「金剛の調整は昨日のうちに終わりましたの…今すぐにでも迎えますわよ…」

これから旅立ちだというのにイリヤの言葉は弱い。

「これに乗り込めば多分もう戻れないですの…覚悟は…できてるんですわよね?」

そう言ったイリヤの肩は震えていた。

皆も彼女の言葉をききぎゅっと唇を結ぶ。

誰も口を開こうとしなかった。

重苦しい静寂が場を支配する。

「…いこう。俺たちの未来のためにさ…」

その静寂を打ち破ったのはケントだった。

彼は皆の顔を見据えてこう言い放った。

「俺達はこんなところで死ぬわけにはいかない…まだまだやらなきゃいけないことだってたくさんあるんだ!…だから、絶対に生きて帰るんだ…いいな!全員だ…全員でまたここに戻ってくるんだ!」

そして拳を天高く振り上げた。

拳は光を裂きすっと天を貫いた。

俺は…いや、俺達は無意識のうちに自らの腕で天を貫いていた。

『おう!』

世界を震わせる威勢のいいそんな掛け声とともに…。

 

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