終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

104 / 222
第26章「前途多難」
龍の群れ


ドスンと船体に大きな衝撃が走る。

そしてぐらぐらと立っているのもやっとなほどの揺れが訪れる。

揺れる甲板に立つ俺はきっと空を睨んだ。

空中には数多の龍が船を取り囲むようにそこにいた。

さっきの衝撃はどうやらそのうちの一体の攻撃によるものだろう。

「全員戦闘準備!戦えない奴は下に隠れてろ!」

俺はとっさにそう叫んでいた。

いつの間にか俺の右手には銃が握られていた。

黒く怪しく光るそれを俺は知らない。

無意識のうちに俺の異能が発動していたのだろうか…?

まぁそんなことは今はどうでもいい。

アイツらを打ち落とすことが先決だ。

俺は銃を構えて空中の龍の1匹に狙いを定める。

龍は動き回っているが図体がデカい分的も大きくなる。

「いけ!」

照準が龍とぴったりと重なる。

その瞬間俺はトリガーを引いた。

パン!と乾いた音と共に俺の腕に衝撃が走る。

腕が引きちぎられそうな衝撃を身体の外に上手く逃がしてやる。

そして空を見た。

弾丸は空気を裂きながら龍に向かっている。

これは確実にあたる。

そう思われたが…

弾はだんだんと勢いを無くして龍に着弾する前に海中の中に消えていった。

「ちっ…」

俺は舌打ち一つ、自分の銃を睨んだ。

こいつじゃアイツらに届かない…。

「キョウヤ、お前も早く下に行くぞ!それはもう通用しない…残念だけど俺たちの出る幕は今はないんだよ!」

ケントが俺の手を引いて下へ連れていこうとする。

だが俺はその手を振り払った。

振り払ってしまった。

「キョウヤ…?」

「ちょっとでもできることがしたいんだ…何もせずにこいつらがやられちまうところなんて見たくないんだ…」

気が付けば俺の声は震えていた。

それに足もこころなしか震えていた。

自分の体の変化を感じ取った瞬間なんだか恥ずかしさが湧き上がってきた。

「…そうだな…俺たちにもできることを探さないと…」

「お兄様!そんなことならお仕事がありますわ!」

と、いつの間にか外に出てきていたイリヤがそんなことを言った。

「そこの機銃を使うんですの。多分それで撃ち落とすことができますわ」

そう言ってイリヤは例の機銃を指差す。

「ケントはわたくしのお手伝いをしてもらいますわ」

「了解だ!」

そして俺たちは別れた。

 

俺は機銃を握りそれを空中へと向ける。

空中には無数の龍。

ユキの氷やマリナの魔法が龍の間で飛び交っている。

アイツらもがんばってるんだ…俺もやらないと…。

俺は龍が固まっているポイントを探してそこに照準を合わせた。

そして引き金を引いた。

ガガガガ!と勢いよく弾が連続で発射される。

それは龍の身体に当たり真っ赤なシャワーを降らせた。

身体を滅多撃ちにされた竜は低いうなりをあげて海に落ちていった。

俺は次の龍に照準を構えて引き金を引く。

必死になって龍を落としている最中、ドガンと大きな音が響いた。

と、次の瞬間には竜の1匹が真っ赤な炎に包まれてぼしゃんと海に落ちた。

どういうことだと思い俺は辺りを見渡した。

「キョウヤ、これだよ、これ」

俺はその声に導かれるように後ろを向く。

そこにはケントが得意げな顔をして立っていた。

その横には大砲のような何かがあった。

「連装砲、こいつの整備をしててな。でもこれがあればアイツらを潰すことも簡単だ」

ドガンとその連装砲が火を噴いた。

龍のうめきとともに水音が響いた。

「な?すごいだろ?」

「あぁ、そうだな…!」

これなら勝てる!

俺はそんなことを考えながら機銃の操作に戻った。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。