終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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第27章「青き世界」
上陸


俺の前に広がるのは闇。

ただ真っ暗な闇。

その中で俺を呼ぶ声が聞こえる。

「…様…おに…さ…」

これは…イリヤか?

「お兄様!」

「う~ん…あと5分…」

「なにがあと5分ですの!早く起きなさい!」

どがっ!

「いってぇ…」

おなかに衝撃が走る。

それとともにおれの意識は闇の中から切り離された。

現在俺の視界にとらえられたのは真っ青な空だった。

雲一つない本当に真っ青な空の下、俺は寝転がっていた。

「ふぅ…やっと起きましたの…お兄様のお寝坊さん」

「自分でおこしといてよく言うぜ…」

俺は不満を言いながらも体を起こす。

「いて…」

その瞬間に体にピリッと痛みが走り顔をしかめる。

見ると体にはところどころに傷が走っている。

そう言えば…あの爆発でよく生きていたな、俺…

だんだんと意識を失う前の事を思い出していった。

巨大な真っ白な龍に襲われてアイツのブレスで…

「…ユキ!」

「大丈夫ですわ、ユキならぴんぴんしてますの…お兄様のおかげですわ」

「はぁ…よかった…」

俺はひとまず安堵の息を漏らす。

大事な妹を助けられた。

それだけで俺の心はとてつもない充実感に包まれる。

「…で、何で無事なんだ?あんまりよくわかんないんだけど…」

「それは…」

イリヤが話してくれたことをまとめるとこうだ。

どうやらあの爆発で甲板は潰れてしまったがエンジンなどの主要な部分は無事だったらしい。

それで命からがら逃げてきたってわけだ。

それに死傷者は無しだ。

これは奇跡的だとも言っていたな…。

「まぁだいたいの経緯はわかった…で、ここはどこなんだ?」

俺は艦の上からあたりを眺める。

どこかに上陸したようで辺りには真っ白な砂浜が広がっている。

その奥にはうっそうとした森林も見える。

「ここは青の国ですわ。まぁ青の国のどこについたのかはわかりませんけど…」

ここが…青の国…。

俺たちが今から攻め落とすところか…。

「とりあえず偵察にケントとマリナとネム、あとハルカが行ってくれてますわ。まずはあの4人の帰りを待つとしますの」

「そうだな…」

…あの4人で勤まるのかなぁ…。

「うぅ…キョウヤぁ…」

「お、ウサギじゃねぇか…ってまだ顔真っ青じゃん」

「だってイリヤがキョウヤが起きるまで舟下りちゃダメってぇ…」

ウサギが真っ青な顔をしながらまるでゾンビのように歩いてくる。

正直怖いよ、それ…。

「ま、まぁとりあえず降りるか…」

そうしてオレたちは青の国へ降り立った。

 

ざくざくと砂を踏みしめる。

真っ白な砂が踏むたびに辺りに散らばりキラキラと光る。

「ふぅ…なんだか降りたらすっきりしたかも」

「よかったな」

「あ、キョウヤ!ウサギちゃんが貸したあれはどこにやったの!?」

ウサギに借りたあれ…。

あぁ、銃の事か。

どこだったかなぁ…?

パンっ!

「うふふ…やっぱりこの子は使いやすいわぁ…この子とならどんなものでも殺せそうだわ…」

「それウサギちゃんの!返してよぉ!」

見るとマヨがウサギの銃を大事そうに抱え込んでいるところだった。

そういやアイツに貸したっきりだったな…。

それにしても…マヨの奴銃撃ってるときスゲェ生き生きしてるよな…。

それに見た目に沿わずあの性格…。

もしかすると一番このクラスで怖い奴かも…。

「おーにーいーちゃん!」

そんなことを考えている俺の背にドスンと衝撃が走った。

ユキが俺の背中に張り付いてきているところだった。

「えっへへ…お兄ちゃぁん…」

そうしてオレの背にすりすりと顔をうずめていく。

「すんすん…ふにゅぅ…お兄ちゃんのいい匂いだぁ…お兄ちゃん…お兄ちゃぁん…」

「なんだよ、さっきから甘えてばっかりで」

俺としてはまんざらでもないが…。

「むぅ…お兄ちゃんのバカ…心配したんだからね…」

と、途端に俺の背で縮こまってそういうユキ。

「もう起きないんじゃないかって思ったんだから…次はあんなことしちゃヤダよ…?絶対だよ?」

どうやら俺がユキをかばったことを怒っているらしい。

「う~ん…それは約束できないかも…」

「なんで!?」

「だって俺はユキの兄ちゃんなんだから…妹を守るのも兄ちゃんの義務だ」

「それでお兄ちゃんが死んじゃったら意味ないの!もうお兄ちゃんがいないセカイで生きていくなんて嫌!お兄ちゃんがいないと私の人生に意味なんてないの!」

そう言ったユキは泣いていた。

その姿は見えないが確実に泣いていた。

「だからいなくなっちゃいや!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

「ゴメンな…でも俺もユキがいないと生きていけない…俺の人生の支えはユキなんだ…だから…俺に守らせてくれよ…」

「はいはい、そこはいつまでイチャイチャしてるの!センパイもユキも早く離れた離れた」

と、突然に現れたキラに俺たちは離されてしまう。

まぁこれで良かったのかもしれないな。

このままだとずっと平行線だっただろうから…。

「センパイは無茶しすぎです!むちゃしない範囲でユキを守ってやって!それにユキも!センパイが何で守ってくれたのかわからないの!?」

『うっ…』

兄妹二人で困った声を出す。

キラに説教されるとはな…。

『ごめんなさい…』

俺達はそれに謝るしかなかった。

 




「マリナちゃんの解説コーナーです!」
「今日はなんだ?」
「今日は…異能のタイプについてです!」
「異能の…タイプ?」
「はいです!異能には3つのタイプがあるです」
「3つ…ふんふん」
「まず一つ目は自己型です!」
「自己型…」
「これは自分一人の身にかかる異能です」
「自分一人ってどういうことだ?」
「例えば…キョウヤのイドラ・ウェポンです。あれは武器を取り出すだけ、その範囲は自分のみです」
「要するに自分単体に効果のある異能ってことか…」
「そうです!ほかにもイツキのパーフェクトガード、ヨウのスケープゴートなんかもそうです!」
「へぇ、そうだったのか」
「じゃあ2つ目です。2つ目は単効型です。文字からわかるとおり効果が一つってことです」
「う~ん…キラのアイギスみたいなやつか?」
「正解です!」
「なんか容量が分かってきたぞ」
「3つ目は多効型です」
「これは効果が多い奴だな?」
「正確には使い方が多いものです。マリナちゃんのミラクル・マジカルもそうです!」
「ほかにはユキとかネムの異能もか」
「そうです!使い道が多くて便利な異能です!…ただ欠点があるです。それは単効型より力が劣るってことです」
「ばらばらのより一点集中ってか」
「その点自己型は有能です!能力の劣化もないです!」
「おぉ…そりゃいいや」
「でも自分一人にしか効果がないから使い勝手が悪いってことです」
「どれも一長一短ってことか…」
「今日はケントのくせにやけに冴えてるです!生意気です!」
「なんかごめん…」
「まぁいいです!今日はここまでです。じゃあバイバイです!」
「ばいば~い!」
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