俺達が海岸に上陸してから約2時間が経過した。
暇を持て余していた俺たちはついには浜辺で遊び始めてしまう始末。
「お兄ちゃん、それ~」
「つめたっ…やったなぁ…それ!」
「うぅ…口に入ったぁ…しょっぱぁい…」
そんな感じで遊んでいたころ…
「あいつらが帰ってきたッス!」
と、リュウセイの声が辺りに響いた。
どうやらあの学ランは見張りについていてくれたらしい。
まぁそんなことはどうでもいいか。
俺達は成果をきくために帰ってきた奴らの元へと走り寄った。
「どうだった?」
誰からともなくそう言った。
ケントは口の端をにっと吊り上げてブイサイン。
「アタリだ、ここは青の国だ。それも首都圏に近いところだぞ。」
それをきいて俺たちは舞い上がった。
首都に近いならばあまり戦わなくて済む。
それに情報収集だって安易に行えるだろう。
「でも…残念な情報…ある…」
と、ハルカが口を開いた。
さっきまで舞い上がっていたモノも口を閉ざして次の言葉を待つ。
「青の軍勢…オシリスのみんなと…衝突…現在…戦ってる…」
もうオシリスの軍と衝突しただと!?
早すぎやしないか、それは…。
まだ俺たちは作戦すら開始できていない。
「でも…オシリス…優勢…らしい…みんな…がんばってくれてる…」
「そうか…ならよかった…」
まだ優勢か…。
だが油断は禁物だな。
いつ相手が巻き返してくるかわからないからな。
「そんな辛気臭い話はもうやめです!ごはんにするです!」
「そうそう、まずはおなかを満たさないとね。森を抜けた先にちっちゃな町があってね、そこでいっぱい食材買ってきたんだから!」
そう言ってマリナとネムは両手いっぱいの荷物を掲げてみせる。
こんな状況でゆっくりごはんなんて食べてる暇なんて…。
「あ~私おなかペコペコぉ…」
「ウサギちゃんもおなかと背中がくっつきそうかもぉ…」
「恥ずかしながらわたくしも…」
お前ら…。
ぐ~…
と、俺のおなかも盛大な音を上げた。
「あれぇ?センパイもおなか減ってるんだぁ?」
もう一つ盛大に腹の虫が声を荒げる。
「あぁもう!そうだな、飯だ飯だ!」
隠し切れなかった俺はやけになりながらそう叫んだ。
だが内心ではまんざらでもない。
俺の料理の腕を今こそ…!
「あ、料理は自分がやるっす!料理なら得意分野っすよ」
「俺もやる!久しぶりに腕を振るいたいからなぁ…」
「ケントもやってくれるとは心強いっす。感謝っす!」
「じゃあ料理は俺たち二人でするから皆は待っててくれよ~」
え?…俺…料理…
「食材はわたくしがとった魚も使えばいいと思いますわ」
「ありがとな、マヨ。助かるよ、市場で売ってる魚は全部割高でさぁ…」
「うぅ…それウサギちゃんの銃でとった奴なのにぃ…私の方に戦果無し?」
「いや、ウサギの方もありがとな」
いや、そこ勝手に盛り上がってないでさ…。
俺も料理したかったのに…。
そうしてオレの料理タイムは幕を閉じた。
「う、旨い…!」
出来上がった料理を一口俺はそういうしかなかった。
今まで食べたことのない食材を使っていて不安だったがこんなにうまいとは…。
これが異国の食文化…。
あぁ…生きててよかった…。
でも…俺の出番…薄れてきてるよな…?
この前はユラに邪魔されたし今回はケントとリュウセイだ…。
俺の料理の腕って…。
「おいしい!…でも、お兄ちゃんが作った料理の方がおいしいかも…」
「ユキ…!」
あぁ…そんな優しいことを言ってくれるのはユキだけだよ…!
「今度はお兄ちゃんがお料理してね?もちろん、私専用にだよ?」
「おう!待ってろよ、兄ちゃんが上手い料理をいっぱい喰わせてやるからな!」