「ケント!お前は前衛だ!ユキとイリヤは中間から攻撃!俺とマリナは後方支援に回る!キラは防御に徹してくれ!でかいのから潰していくぞ!」
「任せてよお兄ちゃん!」
「了解しましたわ!いでよわたくしのしもべたち!」
「キョウヤのくせに命令するなです!…って言いたいところですけど今は非常事態だから許してやるです!」
「俺はいいけど…キョウヤ、お前ウサギを背負ったまま戦うのか?」
「仕方ねぇだろ!俺はウサギの銃を借りて応戦するからさ」
俺はウサギのホルスターにかかっていた銃を取り構える。
背中に無駄な重みを背負っているが照準がぶれるほど気になることはない。
これならいける…!
「それじゃ私たちは雑魚を狩りつくせばいいんだね」
「頼んだネム!」
「承知!」
ネム達も戦闘態勢を整えて雑魚を狩りにかかる。
「狙撃ポイントを見つけたいの!それまで援護お願いできるかしら?」
「じゃあ俺がやるっす!」
マヨは愛用のスナイパーライフルを用意しながらそう言った。
腰に纏っていたサーベルを抜きながらそれに応えるリュウセイ。
サーベルがきらりと月の光を反射した。
「それじゃどこがいいっすか?どこが狙撃しやすいっすか?」
「そうですわね…あの木の上なんていかがでしょう?」
「了解したっス!」
マヨ達が歩を進めようとしたその時、彼女の頭上を何かが通過した。
「ちょっと!なんなんですの!」
「後ろ…敵…」
「え?」
マヨが後ろを振り向くとそこには体に大きな穴をあけた魔物の姿が。
これは…ハルカがやったもの?
「ボクの力…雷を圧縮して飛ばすの…」
真っ黒なローブの端からぱちぱちと電流が溢れているのが分かる。
確かに電気を操る力のようだ。
しかし身体に穴をあけるほどの電気って…
馬鹿みたいな力だなとマヨは思った。
「ほらそこ!ぼぉっとしないで早く闘って!」
マヨ達に向かってネムが声をあげている。
ネムはというと自分の声を武器にして敵をなぎ倒していた。
敵にダメージを与えたり眠らせたりと攻撃パターンは様々で…
戦場でさえも舞台にしてしまうアイドル。
今のネムからはそんな印象を与えられた。
「負けてられませんわね…いきますわよ!」
「オウっす!」
まずはリュウセイが敵の懐に突っ込んでいく。
そして華麗な剣捌きで敵を斬り落としていく。
彼の剣にはあまり特徴といったものがない。
しかし余計な芸当がない分基礎が大きく磨かれていて…
「はぁ!」
しっかりとした動きで敵を斬り倒してすぐに近くの敵に向き直る。
セオリー通りの動き、しかしそれでも十分に大きな力を発しているのはわかった。
「道が出来たっス!」
「…あ、ありがとうですわ!」
その剣捌きに見入っていたと気付いたネムは一瞬返事に遅れた。
その隙をついたのだろう、魔物の一匹がこちらへと攻撃を仕掛けてくる。
周りの魔物に比べて一回り、いや二回りぐらいの大きさのモンスター。
多分力も相当強いのだろうと彼女は察した。
「はぁ…こんなところで使いたくありませんでしたけど…仕方ありませんわね」
しかし彼女は冷静だった。
手にしていたライフルを空中に放り投げると和服の袖に手を突っ込んだ。
「穴まみれにしてあげますわ…」
次に手が出てきた時にはそこにショットガンが握られていた。
もちろん両手に一丁ずつだ。
それを敵に向けて放つ。
大きな反動が彼女の腕を襲う。
しかし彼女はそれさえも利用した。
その衝撃を受け流すように銃から手を離したのだ。
手から離れたショットガンがちにカランと音を立てて落ちた。
その音がしたのと同時彼女の手に握られていたハンドガンが火を噴いた。
さっき手を離したのちすぐに懐に隠し持っていたそれを取り出したのだ。
銃身が煙をたてながらナマリの弾を飛ばしていく。
弾切れまで打ち込み今度は足に隠していた銃を取り出す。
「とどめ・・・ですわよ」
取り出したそれ、マシンガンを敵に向けてぶっ放す。
弾丸が撃ちこまれたところから血がプシュッと噴き出す。
その血を全身に浴びながらなお引き金を引き続ける。
その血にまみれた姿はまさに芸術のようだった。
カチリ、と弾丸が切れた音が響いた。
最後に彼女は落下してくるライフルをがしりと掴んだ。
それと同時、敵がバタンと音を立てて倒れ落ちた。
見る影もないほどに穴の開いたその姿は敵ながら同情をおぼえるものだった。
「はぁ…気持ちよかったですの…もっと…もっと嬲り殺したいですの!」
彼女は血に濡れた頬を狂気の形に歪ませて笑っていた。
月の光が彼女の元々色素の薄い顔を照らす。
その表情はまるで悪魔そのものだった。
悲鳴を求め殺しを愉しみそして満たされる。
そんな存在のようだった…