「ねぇねぇユキちゃんは何が好きなの?」
「え、え~と…甘いものなら何でも好きだよ?」
「甘いもの好きなんだ、可愛い!私も甘いもの好きなんだよ。あ、そうだ!今度一緒にパフェ食べに行こうよ!おいしいところしってるんだ~」
「あ!ずるいずるい!ユキちゃんは私と行きたいよね?」
「べ、別に誰でも…」
どうしてこうなった…
私にもよくわからない。
ただいえることは同じチームの子を助けたら予想以上になつかれて周りのみんなまでなついてきた、というところだろうか…
周りの少女たちはきゃぴきゃぴと楽しそうに自分の話題を話している。
なんだかとてもむずがゆくて懐かしい感じに陥った。
どうしていいかわからずにノノに目配せをするも両手をあげてお手上げを表していた。
うぅ…ノノめ…あとで覚えておいてよ…!
「あのね、私達前からユキちゃんと仲良くしたかったんだ…」
「え?そうなの?」
唐突のその言葉に私は驚きを隠せなかった。
全くそんなそぶりなどみせなかったのにな…
「教室でのユキちゃんはなんだかピリピリしてて近付きづらいし、ノノちゃんたちといるときはとっても楽しそうにしてて邪魔するのも悪いなとか思っちゃってさ…結局機会もないっままだったんだ」
「そう…だったんだ…」
あんな態度を取っていた私にもまだ仲良くしてくれる子がいるなんて…
私ははしたなく黒い部分を見せつけていたというのに…
「ねぇ…ユキちゃんは何であんなに殺気立った態度なのか教えてよ…」
「あ、それ私も知りたい。あのとき邪魔が入って結局聞けなかったんだよね」
この子たちになら話してもいいかもしれない…
私の心の氷を溶かしてくれそうな気がする…
「私は…戦争で大好きなお兄ちゃんを失ったの…」
僅かな希望を胸に私は胸に溜めてきた黒い靄を吐き出した。
お兄ちゃんがいなくなってしまったこと、そしてそれが私の心に深い深い傷を作ってしまったことを…
「だから私は戦おうと思った。もう何も奪われないように…」
「うぅ…ユキにそんな過去があったなんて…苦しかったんだね…いいよ、泣いていいんだよ!さぁ!私の胸へ飛び込んでおいで!そこでめいいっぱい泣いておくれ!」
「なんかやだ」
「即答ですか…」
そんな下心丸見えの演技に騙されるほど生憎私はバカじゃないんでね。
しかしなんだか胸の奥がすっとした気がする。
私は実は話をきいてほしかっただけなのかもしれない…
「ユキちゃん…ゴメン!私たち面白半分でそんなこと聞いちゃって!」
「いや、いいよ。私も話せてよかったと思うし…」
「ま、この件は一件落着だね。もうすぐ暗くなってくるころだし…そろそろ休憩しない?」
ノノの提案に全員が頷く。
だんだんと夜が更けていく。
闇が下りてくるこの世界で私の心は光を得たような気がした…