終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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同じく2014年クリスマスから


義妹とクリスマス

「はぁ…寒かったぁ…」

俺は帰ってくるなりすぐにヒーターのスイッチを入れる。

心地よい温風が冷えた肌に染み渡る。

そのせいか何故だか眠くなってくるし…

まぶたを閉じると浮かんでくるのはさっき別れた彼女たちの表情だった。

俺…告白されたんだよな…

改めて思い出すと頬が熱くなってくるのが分かった。

「明日どんな顔で会えばいいんだか…分かんないなぁ…そういや…アイツらと帰ってきたらケーキ食べようと思ってたんだけど…結局余っちゃったなぁ」

少しうんざりした気分に陥っている俺を現実に引き戻すようにドアがノックされた。

本日二回目のノックに俺はいつものように答えた。

「お兄様!メリークリスマスですわ!」

扉の先にはいつものようにゴスロリ衣装のイリヤが立っていた。

しかもテンション高いし…

やっぱりクリスマスだからなのか…

「ちょうどいいところに。あがっていけよ」

「お、お兄様ったらだいたんですわね?どうしたんですの?」

ちょっと色っぽさを出しながら言ってくるイリヤだがスルーをかます。

「それがさ、ケーキが余っちゃってさ。一緒に食べないか?」

「そんなことですのね。いいですわよ、お供して差し上げますわ!」

言葉は上から目線だったが表情はまるで子供のようにうきうきとしていた。

 

「あむっ…もぐもぐ…おいしいですわ!お兄様!もっと食べていいですの?」

「あぁ、好きなだけ食えよ」

「ありがとうですわ!」

イリヤは俺が思っていた以上に食べてくれていた。

てか半分以上もたいらげていた。

女の子は甘い物専用の胃袋を持っていると聞くが…やっぱりその話は本当だったのか…

「そう言えばお兄様?さっきからお顔の色がよろしくなくてよ?」

「そ、そうか?」

「えぇ…」

はは、義理とはいえ妹に心配されるとはな…

やっぱりさっきの事を引きずってるのかもな…

「あっ!もしかしてお兄様…」

突然大きな声を出したかと思うと今度はにんまりとした笑顔を作り

「クリスマスプレゼント、欲しいんじゃありませんの?」

と、そう言った。

俺はというとあまりにもぶっ飛んだ発言にぽかんとするしかなかった。

「そうですわよね、いくらお兄様といえどまだプレゼントが欲しいお年ごろ。サンタさんのプレゼントが届かないからしょぼくれた顔をしていましたのね!」

「いや、全然違う」

「いいえお兄様、照れ隠しなんて必要ありませんわ!それならばこのわたくし!妹サンタさんが極上のプレゼントを差し上げますわよ!」

「お~いイリヤさんや~帰っておいで~」

完全にイリヤは自分の世界へ入ってしまったようだった。

俺の言葉なんてお構いなしのようだ。

「さぁお兄様…まずは立ち上がって…そう、そこからベッドに…」

こうなってしまえば止められないだろう。

俺は抵抗することもせずにイリヤに従った。

「そう、そのままベッドに倒れて…」

ポフリとベッドに倒れ込む。

心地よい柔らかさが俺を包み込んだ。

「それではわたくしからのクリスマスプレゼントですわ…」

そういうとイリヤはベッドに入り込んできて妖艶に俺に迫ってきた。

俺の体に絡まるように、ねっとりとした動きで…

その表情もどこか上気していて胸の鼓動が自然と早くなってしまう。

「ねぇお兄様…知っています?クリスマスには大好きな殿方に純潔を差し出す文化があるということを…」

そこまで聞いて嫌な汗が背中から噴き出るのが分かった。

まさかイリヤ…お前…!?

「そう…わたくしからのプレゼントはわたくしの純潔、処女ですわ…」

「お、おいイリヤ…止めろ…」

身体に力を入れるがなぜか全く動かない。

縛り付けられたような錯覚に陥るがそんなことされた覚えもない…

「大丈夫ですわ…お兄様はここで寝転んでいてくれるだけで…そうすれば極上の快楽が待っているはずですわよ…」

「な、なぁイリヤ…俺たち兄妹だろ?こんなことするのはおかしいんじゃないのかなぁ…?」

「兄妹っていっても血は繋がっていませんのよ?それなら何の問題もありませんの」

そう言いながらもイリヤは刻一刻とこちらへ迫ってきている。

うっすらとピンク色に上気した頬、少し荒っぽくなった息遣い、とろんとした瞳。

初めて妹に女を感じた瞬間だった。

「それでも、だ…そんなことしちゃいけない…」

「お兄様は…わたくしの事が嫌いですの…?わたくしはお兄様大好きですのに…」

「俺だってお前のことが好きだが…でもこういう好きじゃないんだ…純粋に妹として好きなんだ…だから…止めてくれ…」

「はぁ…お兄様ってばみっともありませんわね。泣きそうな顔して…」

「え…?」

「ウソ、ですわよ」

「は、はいぃぃ!?」

衝撃の言葉に俺はバカみたいな声をあげてしまった。

「私もお兄様と同じ、好きというけれどもそれは兄妹の域を出ませんの…あの変態妹みたいに兄妹でも関係ないしゅきしゅき大しゅき~みたいなビッチじゃありませんのよ?」

「な、なんだよ驚かせるなって…」

「フフ、あまりにもお兄様が可愛らしい反応をなさるものですからわたくしも抑えが利かなくなって…でも最高のクリスマスプレゼントですわよね?」

「あぁ…最高のドッキリをありがとな…」

「私もお兄様のあの様子を見れただけでも最高のプレゼントですわね」

二ヒヒと悪魔っぽく笑うイリヤに俺は苦笑いするしかなかった。

「お兄様、元気出してくださいね?私、元気に笑ってるお兄様が大好きですからね?」

「イリヤ…」

もしかしてこいつ…俺を笑わせようと…?

やり方はどうであれな…

「ありがとな、イリヤ」

「何のことかよくわかりませんわね…お兄様、そんなところで寝転がってないでケーキの残り食べてしまいますわよ」

「そう…だな!」

そうしてオレのクリスマスは更けていった。

後日イリヤがケーキの喰いすぎで胸やけを起こしたのもいい思い出となって消えていった…

 

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