「これがウサギちゃんの昔話!どう?感動した?」
「感動したっていうかなんて言うか…波乱万丈すぎてついていけねぇ…」
「確かにそうですわね…いつものおバカっぽい雰囲気からは想像もつかない話でしたわね」
「へへん!だってウサギちゃんはおバカじゃないんだもん!真面目さんなんだからこんな話の一つや二つ簡単なんだから!」
そう言って得意げに大きな胸をさらにそらすウサギ。
ぶるんとおっぱいが震えるのが服越しでもわかってしまう。
「それでさ…気になってたんだけど…ウサギの成長はいつからそのおっぱいだけになったんだ?」
そう、俺はそこが気になるのだ。
このロリ体型でなぜそんなに大きなおっぱいがあるのか!
「え、え~と…気付いたらおっぱいがおっきくなってて…で、さらに気付いたら今ぐらいのおっぱいに…」
む、無自覚だと…!?
隣でイリヤが恨めしそうな瞳でウサギを見ていた。
その瞳は下手をすればウサギを殺しかねない。
イリヤ…確かにオマエはツルペタの部類に入るがそれもかわいいから俺はいいんだぞ。
「ってふざけるのはここまでにして…少し真面目な話をしますわよ」
イリヤはコホンと咳払いを一つ、それがスイッチだったかのように顔の表情はいつもの真面目なイリヤに戻った。
「まずドラゴンがそんな人里に現れるなんてめったなことがないとありえませんわ」
「確かにな…」
ドラゴンというのは古来から賢い生物だ、人間とかかわりを持つというのはどういうことか、彼らは十分に理解しているはずだ。
それなのにわざわざ人里まで下りてきて…
これは何かわけが、いや誰かの手引きかもしれない…
例えば…
「例えば、森に火をつけた人物と同じ、もしくはその仲間か…ですけどその可能性もかなり低いですわね。だってそうする意味が見当たりませんもの」
そう、引っかかるのはそこだ。
森を焼いて、さらにドラゴンまで呼び寄せて、それでしたかったこととはなんだ?
ウサギへの嫌がらせ、にしてはことが大きすぎる…
これには俺たちが分かりもしないもっと大きなものが絡んでいるかもしれないな…
「次にウサギの友達、それってキラとイツキのことじゃありませんの?」
「えぇ!?」
俺が驚きの声をあげる前にウサギの素っ頓狂な声が洞窟内に響き渡った。
「だって森でみせた能力、確かにあれはキラと同じ能力ですわ」
キラの能力、アイギス―
魔方陣を展開してすべての攻撃を飲み込む異能。
「それに双子というのも早々いるものじゃありませんわ。私が今まで生きてきた中で出会った双子なんてイツキとキラぐらいしかいませんもの」
「双子ぐらいいっぱい…あれ?そう言われてみれば少ない気が…私も双子ってイツキとキラしか知らないかも…」
「そして最後の確信、いっちゃんときーちゃん、これって二人の名前の頭文字から取ってると思うんですの。イツキだからいっちゃん、キラだからきーちゃん、これ以上ない証拠だと思いますわよ」
「イツキが目覚めたら聞いてみる必要があるな…もしかするとあの日の真実が見えてくるかもしれない…ってウサギ?どうした?そんなバカ面して」
「バ、バカじゃないもん!…その…まさかいっちゃんときーちゃんと再会できてたって思ったら…なんだかびっくりしちゃって…」
「ま、仮説だけどな。期待するのはまだ早いぜ」
「そ、そうだね…」
それにしても…ウサギの過去、か…
いつも無邪気にしていたこいつも、いろんな困難と、死を超えてここまで来たんだよな…
そう思った瞬間俺の中でウサギへの想いが膨れ上がり爆ぜた。
こんな小さな身体で、壊れそうな想いを抱えて…
そんな少女の事を、俺は―
「はぁはぁ…ちっ!まだついてきやがる!」
「ハハハ!もっと!もっと逃げろ!そして私を愉しませろ!」
「あいつ…とんだサディストだぜ…」
「会話なんてしてる暇があるの?隙だらけだ!」
「くっ…!ふぅ…ぎりぎりセーフ…」
洞窟内を走り回るナイト達、そしてそれを追いかけるのは金髪の女性、ヒルダだ。
この洞窟を攻略するためにいろいろ探っていたのだが…運悪く彼女と遭遇、そこから追いかけっこというわけだ。
現在はなんとか皆無事だが…疲れの色が見え始めている。
特にハルカとマヨの疲労はもう限界だった。
元々あまり体力のないほうだった彼女たちの足はもうもつれかけだ。
「ちっ…ここで、迎え撃つしか…!」
ナイトはそこで剣を引き抜きヒルダをキッと睨んだ。
彼女の瞳とナイトの瞳が交わる。
そしてそれは、互いの戦闘が始まる合図だった。