終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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暗躍する死神

青の国、王の広間に手、玉座に座る王の名はガリヤ、彼の前には地面に膝を付けた4人の男女がいた。

バラバラな年齢の彼らがどうして集まっているのか、それは彼らがこの青の国一番の秘密部隊、青の番犬の中核をなすメンバーだからだ。

元々この国は戦争には加担せず平和主義を貫く国だった。

それは王の温厚な性格からも見て取れる。

争い事が嫌いな彼は戦争はしないと宣言をしたのだ。

だけどそれを良しとしない王族の人間もいて…

だから彼ら青の番犬が結成された、王を守り王の障害を秘密裏に排除する裏の部隊、それがこの部隊の正体だった。

「おう…何故、戦いを…」

軍服の青年が恭しく王にそう尋ねた。

彼はこの平和主義の王がどうして無色の国、オシリスへと戦いを挑んだのかわからなかった、それも同盟を結んでいた緑の国と一緒に。

「お前ごときが王に質問するだと?身の程を知れよ。あの意味後の唯一の身内だから部隊に入れてやってるのがワカンネぇのか?」

彼の右2つ隣りに待機していた仮面の男が軽蔑と嘲笑の色を隠しもせずに彼にそう毒づいた。

「ちっ…」

彼はそれに反論することなく小さく舌打ちをするだけにとどめた。

「ふん…反論もしない臆病者が…」

「ロータス、ここは王の御前ですよ?喧嘩するなら外でやって頂戴」

軍服の男、ショウとロータスと呼ばれた仮面の男の仲は最悪に悪かった。

殺戮を好むロータスと力は何かを守る時だけに使うというショウ、この二人は互いに相反する意見を持っていたからだ。

それにショウは異能を持っていない、何故異能を使えないモノが王を守る神聖なこの部隊へ入ってきたのか、そしてどうしてここまでの地位を手に入れたのか、ロータスにとってそれは不快極まることだった。

だからロータスは何かあるとすぐにショウに対して嘲りの牙を見せる。

ショウのほうもこの男が自身の妹、ユーリカの事をまるでモノ、いや、それ以下のモノを見るような態度で扱っていることに不満を抱いていた。

「はぁ…ほんとあなたたちの仲は最悪ね…」

ショウの右隣の金髪の美麗な女、ヒルダはため息をつきながら二人を見ていた。

それに彼の左にいた大男、エンドが睨みつけるような視線でこちらを見ている。

仮面の男は少し不満そうに舌打ちをしたがそこからは寡黙を貫いていた。

「おう、私もなぜあの温和なあなたが戦いを挑んだか、その理由が聞きたいです…」

ヒルデもどうしてこの王が戦闘を挑んだのかわからなかった。

それにこの王宮に侵入者を入れるなんて…

今の王の行動にはどこか不審なところが多々あった。

「それはな…」

と、恰幅の良い王の口元がかすかに動いた。

「脅されているからだ…この国の民、いや、同盟国の緑の民まですべてが人質にされているのだ…オシリスに戦争を挑まなければ、民を皆殺しにする、と…」

『なっ…』

ヒルデとショウはそろって驚きの声を漏らした。

声を出さなかった後の二人も驚きを隠せない様でその表情が少し割れていた。

「そ、それは誰にです…!?」

少し食い気味にショウが王にそう尋ねた。

自分たちが王の周りを守っていたにもかかわらずなぜそんなことが…

「くそ…そいつの正体を教えろよ…俺が殺してやるよ」

「ほう…お前が、俺をか?隙だらけのお前が?」

「な、なに…!?」

ロータスの後ろから聞こえた声、それに驚き振り返る。

そこには黒のマントを羽織った男がいた。

全身を黒い衣装で多い顔はフードをかぶっていて詳しくはわからなかったがそこから少し覗いた瞳は真っ赤に煌めいていた。

いや、彼の風貌なんてどうでもいいか、今気になるのはどうやってロータスの後ろへ立ったかだ。

彼はこの部隊一番の暗殺者だ、人の気配ならどんな小さなものでも見つけれるはずだ、ましてや背後を取られることなんてありえない…

なのにこの黒ずくめの死神のような男は、ロータスの背中に回り、そして武器である鎌を構えていたのだ。

「お前が…王を脅したのか…」

「けどそんなのはどうでもいい…お前ら、こいつを殺すぞ!」

ロータスがそう叫び懐からナイフを取り出して襲いかかる。

けれど死神はそれを華麗に避けてみせた。

いや、それだけではない、彼の手に握られていたナイフを奪い取り目にも止まらぬ速度でそれを投げつけた。

ひゅん、と飛んでいくナイフ、それは王の顔の横すれすれを通りぶすりと玉座に刺さった。

「や、やめろ…彼には、勝てないんだ…」

王は真っ青な顔で4人を止める。

「ふん、もうここで終わりか…手ごたえのない。まぁいい、俺は今から少しやらなければいけないことがあるからな、お前たちのような雑魚に構っている暇はないんだよ」

「雑魚、だと…!?」

「押さえて、エンド…」

ここには王がいる、彼がさっきのように王に攻撃するのはわかりきっていた。

もう、民だけではなく、王様までもが人質になっていたのだ。

「あぁそうそう。お前らはここに来た侵入者共を潰せ。そいつらの中にはこの世界を壊すほどの力を隠し持った奴がいる…そいつが覚醒すれば…クク…」

と、不敵な笑みを浮かべながら死神はどこかへと消え去った。

結局彼の言った言葉の意味は分からなかったが4人の中には侵入者を殺してこの国の民を助けるという強い信念が根付いたのだった…

 

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