それが投稿する時にはこんなに寒い時期になっちゃって…
「夏だ!海だ!バカンスだ!…というわけで遊びまくるぞキョウヤ!」
「はぁ…ケント…お前、元気だな…」
現在午前10時ごろ、場所は俺たちがこの前俺たちが流れ着いた砂浜だ。
真っ青な海に潮の香り、きらきらと太陽の光に反射して輝く砂浜が美しい、まさに絶景だ。
けれどそんな絶景を前にしても俺の心はあまり乗り気じゃなかった。
何しろここは日差しが強すぎるのだ。
まだ午前中だというのにかんかん照りで体がスライムのように溶けてしまいそうなほど暑い…
俺は暑いのが苦手なのだ…
「もう夏バテか!?早いぞ!」
「ちょっとケント!はしゃぐのはいいけどまずは船から荷物降ろさないと、早く手伝って!」
俺達がのってきた船の上からサクヤが大声でそう叫んだ。
「こっちはウサギがおもいっきり船酔いして役に立たないの!」
「あいつまたか…」
そういえばここに来る途中部屋を覗いてみたけど真っ青な顔でうめいていたっけ…
「ほら、いくぞケント」
俺はケントを引っ張って荷下ろしの手伝いへと向かった。
暑い日差しの下ようやく荷下ろしも終わり砂浜近くの小屋に集まっていた。
ウッドハウスとでも呼べばいいか、このすべて木でできた小屋は俺たち全員が泊まるにはちょうどいい広さだった。
部屋数は6、それにLDKもそろっていてさらにお風呂も完備されている豪華な小屋だった。
きっと海水浴シーズンに入れば予約が殺到するんだろうな…
それを俺たちが貸切っていうのは結構贅沢な気がする。
「よく来てくれたな、ストレンジ・ナイフの諸君たち」
小屋に入りほっと一息ついている最中二階に続く階段の上から一人の人物が降りてきた。
「久しぶり・・・とでも言えばいいのかな、この場合は?」
「お前…ショウ!?な、何でここに…!」
それは俺たちには因縁深い男、ショウであった。
先の戦いでは敵対していた男で相当な実力を持って俺たちを苦しめた相手だ。
しかし今はそんな雰囲気など一切感じさせないような服装だった。
アロハシャツに短パンの凄くラフな格好だ、この前きっちりと軍服をまとっていた人間と同一人物だとは思えない。
「一言でいえばバイトかな?お前たちのバカンスのサポートをするように頼まれてな。まぁ護衛も兼任だけどさ」
なるほどな…それでそんな格好のくせに腰に剣をさげたまんまだったのか…
「それにお前たちには恩があるからさ。あの戦いの後俺たちを守るために軍を派遣してくれただろ?あのおかげか誰も襲われてないんだよ」
「そうか、それはよかった」
オシリス軍が抑止力となってくれているなら当分は相手も動くことができないし大丈夫かな…
もしかするとこのまま諦めてくれるかもしれないな…
「ま、俺のことは気にせず楽しんでくれよ。お前ら久しぶりの休みなんだろ?青の国自慢の一つのこの綺麗な海を満喫してくれよ」
「あぁ、そうすることにするよ」
頼もしい護衛がついたことにより俺たちの緊張は一気に抜け落ちていた。
「水が冷たくて気持ちいいな!」
パシャンと水しぶきがはねてキラキラとした輝きを放つ。
「うわっ!水かけるなよ~…お返しだ!」
肌にかかった水が雫となってきらりと光りながらつつぅと肌の上を伝っていく。
「二人ともくらえ!えいっ!」
ばしゃばしゃと放たれた水の塊が肌にあたり数多の水滴となってまた海に戻っていく。
「きも…です…」
「あぁ、確かにな…男3人であれはないよな…」
隣でぽつりとつぶやいたマリナに俺は頷きを返した。
水の掛け合いをしているのが可愛らしい女の子ならまだしも…ケントとナイト、それにショウだとなぁ…
男3人が、それもそこそこいい年になるというのに女の子みたいにきゃっきゃうふふと水かけをしているのはさすがに絵的にお見せできないものがあるな…
女子たちの着替えを待つ間に何もすることが無かったにしろ…これはないよな…
「…ってマリナ!?お前早かったな…」
「マリナちゃんは下に水着を着てきたからです!別に楽しみにしてたからじゃないです!こっちの方が楽で良かったからです!」
(あぁ…こいつメッチャ楽しみにしてたのか…)
その素直じゃない発言はスルーしてマリナの水着を観察する。
10代前半という年相応の体つきに似合う淡いピンク色のワンピースタイプの水着だ。
「どうです?似合うです?」
まだ成長が始まっていないツルペタボディにはとても似合っている。
普段のツインテールもおろして完全に戦闘態勢といったところか。
「むぅ…キョウヤの目つきえっちです…目潰されたいです?」
にこやかとした笑顔で指をチョキにするマリナ。
目が本気なので結構怖い…
「い、いや…その…ごめんなさい…」
別にえっちな目で見ていたわけではないけど自然と口から謝罪の言葉が漏れてしまっていた。
「お~い!キョウヤぁ!ウサギちゃん渾身の水着見てみてぇ!」
「お…ウサギか…」
ウサギの掛け声に俺は救われた気がした。
マリナがちょっと不服そうな顔をしていたけど気にするものか、俺はそのまま振り返ってウサギの姿を見た。
「ちょっ‥!?」
だけどその姿は俺の予想の数十倍上を行くものでして…思わず咳き込んでしまった。
「お、お前…なんて格好してんだよ!?」
「なにって…スク水だよ?」
そう、ウサギの格好はスク水だった。
胸元にはご丁寧にひらがなでうさぎと書かれたワッペンがつけられているし…
いや、そんなことより気にするべきはそのけしからん胸だ…
確かにウサギは背は小っちゃいけどおっぱいはおっきいっていうアンバランス体系だっていうのは知ってたけど、水着姿になるとそれが顕著に表れていた。
パツンパツンに水着の中ではち切れそうなほどのおっぱいは少し動くだけでプルプルと揺れて目のやり場に困る…
ちょっとでも激しく動けばおっぱいが飛び出してしまうのではないかというぐらいだ…
「あ!キョウヤってばおっぱいばっかり見て…いやらしい!」
ウサギは頬を赤らめてそう言い羽織っていたウサミミパーカーを胸元を隠すようにきゅっと閉めた。
「スク水にジャケットパーカーって…」
「このパーカーは絶対はずせないの!お母さんが作ってくれた大事なモノなんだから!あ、水に濡れちゃっても大丈夫な素材だからそこらへんは心配しないで」
いや、別に俺はパーカーの心配じゃなくておっぱいの心配をだなぁ…
話している間もウサギはことあるごとにちょこちょこと動くのでおっぱいばかりに目がいってしまい大変なのである。
あまり露出しないスク水でどうやれば某女怪盗みたいに胸元をだいたんに露出できるか知りたいものである。
「で、お前何でスク水なんだよ?」
「だってこれしかサイズ合わなかったんだもん!身長に合わせた水着だとおっぱいが入んないし…おっぱいに合わせたら今度は身長に合わないからだぼだぼになっちゃうし…スク水なら伸縮性は抜群!だからおっぱいもちゃ~んと収まるし身長にも合うの!」
なるほどな…ロリ巨乳も苦労しているんだな…
「お兄ちゃん!ウサギばっかり見てないで私も見てよぉ…お兄ちゃんに喜んでもらえるようにすっごい考えて選んだんだから…」
いつの間にかユキもやってきていたようで不満げな瞳が俺をとらえていた。
「ユキの水着姿…すっげぇ可愛いぞ…」
真っ白な布地にところどころに流れ星がプリントされているビキニタイプの水着だ。
「えへへ…がんばってビキニにしちゃった…」
黄色の星とそれの尾を引く水色が何ともたまらないアクセントを引き出してユキの可愛らしさを強調していた。
それにビキニタイプだとユキの身体のラインがよくわかる…
普段は小っちゃいなと思っていたそのおっぱいもしっかり成長しているようでてのひらでちょうど包み込めるぐらいのプニプニ感はあって…それにお尻や腰回りも女の子らしいラインがしっかりと出来上がってきていて…
妹もしっかり成長して大人の女の子になっているんだなぁと実感できてなんだか涙が出てきそうだ…
「お、お兄ちゃん!?何泣きそうになってるの!?もしかして…泣くほどうれしかったの?」
「はぁ…センパイは女の子の水着見て泣いちゃう変態さんだったのかぁ…残念です…」
「仕方ありませんわ。お兄様はどうしようもない変態さんなんですもの…」
「二人そろって変態いうなよ…」
どうやらキラとイリヤも着替えが出来たようだ。
「うわぁ…二人とも…すっげぇにあってる…」
俺は思わず感嘆の声を漏らしてしまった。
キラの水着は黒の布地に白の水玉模様のビキニタイプ。
シンプルなデザインだがそれが逆にキラ本来の美しさを引き出していて、さらに黒色の布地が大人っぽさを演出していて非常にいい。
逆にイリヤは水色という少し子供っぽい色合いに可愛らしいフリフリがついたビキニだった。
下もフリフリスカートタイプでいつものゴスロリでちょっと大人っぽい要素を醸し出していた彼女とはまた違った魅力を引き出していた。
身体の成長もまだまだ発展途中の彼女にはこういう子供らしさというか可愛さが残る方が似合っていることは確かだった。
「えへへ…にあってるって言われちゃった…嬉しいなぁ…」
「まぁわたくしならこれぐらいの水着着こなして当然ですわね」
そう言ったイリヤもどこかまんざらでもない表情を浮かべていて…
「で、ほかの面子はまだなのか?もう結構時間たってるけど…」
「ん?え~とほかの子たちなら…」
と、キラが指差した先には…
「や~ん!ヨウの水着すっごくカッコいい!お姉ちゃんすっごくタイプだよ!…それにヨウの身体…ちょっと見ない間にずいぶん男らしくなっちゃって…うでもこの前まではプニプニだったのにちょっと筋肉ついてきたかな?」
「ね、姉さん…あんまり触らないで…恥ずかしいって…」
「恥ずかしがるヨウ君もかわいいよぉ!お姉ちゃんもっとすりすりしちゃうもんね!」
「だ、だからやめてくれって…」
離れていた時間を埋めるように一方的に水着姿のヨウを愛でるネム…
「ほら!いきますよ!浮き輪の空気なんて後ででも出来ますわよ!さぁ早く!」
「ま、待って…ボク…泳げない…から…浮き輪…大事…」
「ならわたくしが泳げるようにしてあげますから!」
「や…浮き輪ぁ…浮き輪ぁ…」
浮き輪に縋り付くハルカを強引に引っ張っていこうとするマヨの姿が見えた…
もしかしてマヨってグイグイ系…?
いや、そんなことはいいか…
とにかくあっちはあっちで楽しそうだな…
「あれ?サクヤとレイヤは…?」
イツキはあの足だから無理だし…残りの二人は…
「レイヤは海がキライって言ってましたわよ?」
「青の国出身なのに海がキライ、かぁ…そんな奴もいるんだな…で、サクヤは?」
と、俺がそう聞くと同時砂浜にキーンとした音が響いた。
このききなれた感じの音…マイクか拡声器か…?
「みんなー!遊ぶのはいいけどまずは準備体操しなさーい!じゃないと足つっちゃうよ!」
「あ、あれは…」
この声の主、サクヤはウッドハウスのちょうどテラスのようなところから拡声器を使って叫んでいたようだ。
「おいおい…あの格好って…」
「えぇ…見て分かる通り、ですわ…」
Tシャツに短パン、きっとその下に水着を着ているのだろうが、という格好のサクヤ。
真っ白なキャップにその唾にサングラスをひっかけて、首にはホイッスル、手には拡声器といえば思いつくのはあれしかない…
「プールの…監視員…」
「えぇ、その通りですわ…何でも自分は委員長だからみんなが怪我しないようにちゃんと見ておかないと、ということらしいですわ…」
サクヤだけやる気のベクトルが違う気がすると思うのは俺だけか…?
で、サクヤ監視員のありがたいお話を数分聞かされ続けた俺たち…
真夏の日差しの下、しかもこの砂浜の上で長々とした話をきくのは校長先生のありがたいお話を体育館などできくよりもっと苦痛な事で…
額から汗が垂れるわ喉が渇く話で散々だった。
「最後に!イツキから大事な連絡だ!」
「イツキが…?」
「ジュースが欲しかったら私に言ってね!私はずっと小屋にいるからね、ほかにも何か欲しかったら私の所に来てね」
ただの宣伝かよ…!
「それじゃあみんな…たのしく遊びましょう!」
その一言で俺たちはようやく自由な時間を手に入れたのだった…