「さて、みんなそろってるし…そろそろ俺たちが体験した事を話そうか」
夜も更けてきてさすがに少し寒くなった俺たちは小屋に戻り着替えてからリビングルームに集まっていた。
みんなの話の中心、そこにナイトが立ってそう言ったのだ。
「俺達があの廃工場で見たことをさ…」
ナイトたちが行方不明になっていた時の間に起こったことが、ついに話されるということか。
「まずその前にこの大陸の情勢についておさらいしておいた方がいいな」
「ぶーぶー!早く聞かせてよ!焦らされるのウサギちゃんは大っ嫌いなんだよ!」
「勉強不足のお前の為におさらいするんだよ!」
「ウサギちゃん勉強不足じゃないもん!ね~?」
みんなに確認を取るウサギだが誰ひとりとして頷きはしなかった。
それどころかみんな気まずそうに視線を逸らしてるし…
「とにかくだ、そのバカは放っておいておさらいするぞ。まず俺たちが住んでいるのは大陸ガランドだ。そしてガランドには7つの国がある」
そう言ってないとは地図を広げた。
「まず俺たちの国無色のオシリス、次に今いる青のネーレウス、青の国の同盟国緑のククノチ」
「残りが白のルー、銀のデウス、黒のアンラ・マンユ、そして黒の国から分裂独立した赤のアドラ・メルク!どう?賢いでしょ~」
得意げにそう言ったウサギだけど常識過ぎて賢いとか判断しようがない…
「その7か国が100年以上前に戦いをおこした、それがまだ決着がついておらず今までずるずると小さな戦いが続いているこの状況につながったというわけだ」
原因はなんだったのかそれすらも忘れられたこの戦い。
それぞれの国のプライドやら利益やらが独立してここまでずるずると戦いが引きずられていたのだ。
「そして3年前に戦いはひと段落した、いや、中断したと言えばいいのか。大災厄〈浄化の光〉によって」
「浄化の…光?」
「あぁ、そういやキョウヤは記憶が無かったんだっけ…浄化の光っていうのはこの7か国がぶつかりあった時に起こった事象だ。最終戦争かと言われた最大の戦いの最中に突然凄まじい光と爆発が起こった。それにより半数以上の兵が死んだんだ」
「その被害が一番大きかったのはオシリスで、そのせいで私達みたいな学生が戦場に出なくちゃいけなくなったの」
ナイトの言葉にサクヤが続いた。
「どうだ?分かったか?」
「あぁ、何とかな」
「学園の図書館にもその時の資料がいっぱい残ってると思うからまた行ってみたらどう?」
「あぁ、そうだな」
「そしてここからが本題だ…この戦いが起こった最大の理由…それを俺たちは知ってしまったんだ、あの人によってな…」
「あの人って…?」
「まぁ話をきいてれば分かるさ。ちなみにその人のおかげで俺たちは青の国が宣戦布告を仕掛けるということも知ったんだ、だからこの話はショウにも関係があることだな」
「前振りはいいから早く始めてよぉ!」
さっきから説明ばかりでうんざりしていたウサギがついに叫んだ。
「あぁ、わかったわかった。それじゃあ俺たちがキョウヤと別れた後、廃工場に到着した時から話をしようか…」