終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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潜入工作

「ここが目的のポイントか…」

俺達は今目的の廃工場を目視できる場所まで来ていた。

現在は森の中、ちょうど茂みになっているところから廃工場の様子をうかがっているところだ。

「どう?動いてそう?」

そう尋ねてきたサクヤに俺はこくりと頷いた。

「う~ん…やっぱり何か怪しいよね…あの銀の国がもう一度工場を動かすなんて…」

銀の国は技術大国で有名だ。

銀の国の技術は日々進化していて今こうしている間にも新しい技術が生まれ、古い技術を生産する工場や研究所は破棄されているはずだ。

そして破棄された場所はもう二度と使うことはないらしい。

だから今こうして一度捨てられたこの工場が動いているというのはおかしなことであった。

「とりあえず今回の作戦をもう一度振り返ろうか」

俺は仲間を見渡してそう言った。

「まず今回の目的はこの廃工場への潜入調査、そして破壊だ」

「なにを作っているか、どういう意図で動かしているのかを知らなければ破壊はできない、ということでいいんですか?」

「あぁ、そうだ、ユウ。破壊するだけなら簡単なんだけどな…」

「情報を得ないといけないのは面倒だな…」

あのユラでさえ少し渋った顔をした。

ただの破壊工作なら本当に簡単な事なのだ。

だけど潜入して調査して、すべてを知ってから破壊するとなるとリスクは数倍にも膨れ上がる。

「それじゃあ作戦を立てるぞ…まずはレイ、お前だ」

「俺か?」

俺は仲間のうちの一人、青白い顔で少し影の薄い男、四ツ夜零に声をかけた。

「確かお前の得意分野は潜入と暗殺だったよな?まずお前が最初に潜入して中の状況を俺たちに知らせてくれ」

「あぁ…分かった…」

彼は懐からナイフを取り出して腰に付け替えた。

どうやら彼は既に戦闘態勢に入ったらしい。

「次に中の状況が分かったら情報収集だ。これは俺がやる」

「大丈夫?難しいんじゃない?」

「いや、この中のメンバーなら一番俺が殺気や気配を消すのが上手いはずだ。それに身長の分後ろから首元を狙うのはたやすいしな」

情報収集の基本は尋問だ。

後ろから音もなく迫って首元にナイフを突き立てる、これが一番だ。

「で、情報を得たら最後は破壊だ。それはデンシとヒカリの仕事だな」

「うん!ヒカリがんばるよ!デンシちゃんもがんばろうね!」

「うん!」

二人は仲よさげに微笑みながらうなずいた。

ユラの義妹のヒカリ、そしてボーイッシュな感じの幼女デンシ、さすがにこの年齢の子にむちゃさせるのはあまり気が進まないが…

けどこの二人の能力が無ければ破壊なんてスムーズにいかないはずだ。

「ヒカリはこの工場で一番脆いところを探すんだ。そしてデンシに構造を教えて破壊してもらう」

ヒカリの能力は触れたものの性質が分かるモノ、そしてデンシは物質の構造を知っていれば破壊できるというもの。

まずヒカリが工場の弱点を探りそこの構造を読み取りデンシに教える。

そしてデンシが読み取った情報をもとに破壊工作を行う。

一番脆いところを壊せばあとはなだれのように崩壊が起こるはずだ。

「ヒカリ達の護衛はイツキとミンに任せる、いいな?」

完全防御を持つイツキ、そして治癒魔法の使える獣耳っ娘ミン。

この二人がいれば安全に送り届けることができるだろう。

「そして最後に、ユラ、サクヤ、ユウ、そして俺が敵の搖動役だ。思う存分暴れてヒカリ達の事がばれないようにする」

「あばれるだけとは簡単だな」

「ま、私達らしいかな」

「もう…皆さん野蛮なんですから…」

「そういうユウだって目がキラキラしてるじゃない?」

「き、気のせいですよ!」

こいつらなら力もあるし搖動役としては申し分ないだろう。

「さぁ…それじゃあ作戦開始だ!」

 

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