「遅い!なんで私がこんなに待たなくちゃいけないの!」
闘技場に足を踏み入れた途端そんな声に迎えられた。
身長は小柄だがそれに似あわない豊満な胸を持っている少女、ウサギだ。
「少しぐらい待ってもいいだろ、俺達にも準備ってものがな…」
「うるさい!あんたたちに準備なんてものは必要ないの!」
「無茶苦茶すぎるだろ…」
キョウヤはあきれながらそう言った。
「ウサギ、少し静かにして。試合が始められないじゃない」
ウサギの横からそう言ったのはサクヤである。
夜桜咲耶(ヨザクラ サクヤ) ストレンジ・ナイフの委員長である少女だ。
クリーム色の髪をショートカットにしている。顔つきは少し凛々しい感じがするも女の魅力を兼ね合わせている。
身長は年相応の平均的、胸は少し大きめである。
「試合開始を待ってるのはウサギだけじゃないんだから」
咲耶はクールにそう言い放った。
「そうだよ、私もキョウヤ達と戦うの楽しみにしてたんだから」
その横でユキが楽しそうにそう言った。
「キョウヤ!今日は手加減なしの真剣勝負だからね!」
「あぁ、もちろんだ。手を抜くなんて失礼なことするわけないだろ」
そう言ってキョウヤとユキは握手をする。
『お互い頑張ろうか』
「じゃあ今回のルールはどうしますか?」
またも唐突に現れた玉木先生はそう言った。
唐突過ぎて怖い部類に入る存在感の先生だ。
キョウヤは一瞬幽霊か何かの類いかと本気で思いそうになった。
「今回のルールは1対1のサシ勝負、多く勝ち残った方が勝ちにしてくれ。それも可能なんだろ?」
「それだと人数が合わないんだけど…?」
玉木先生は遠慮がちにそう尋ねた。
「じゃあ2対2にしてください。ワタシは1人で構いませんので。1人でも勝手みせますよ」
「まぁそれでもいいけど…何で2対2なんだ?俺たちのうちの1人を戦わせないっていう方法もあったはずだぜ?」
キョウヤはサクヤの提案に賛成するものの疑問が浮かんだので尋ねた。
「それはユキとウサギがキョウヤと戦いたがっているから。1対1だと一人しか戦えないでしょ?だからよ」
「ちょっ…!サクヤ!それは言わないでよ」
サクヤの発言にユキは頬を赤らめ反論の声を上げる。
ただキョウヤとしてはユキと戦いたいとも思っていたので願ったりかなったりである。
「それに私ってやっぱり誰か1人が戦わないのは不公平だと思うのよね」
あぁ、確かにそうかとキョウヤは思った。
さすがこのクラスの委員長、クラスメイト全員のことを気にかけているなと思った。
「よし、わかった。じゃあそのルールで戦おうか」
そうして両者は戦いへの意思を固めていった。