終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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編入試験

「マジで1週間で完治しやがった、どうなってんだ、オシリスの医療機械…」

キョウヤはそうつぶやきながらとある森にある小隊テントの中を歩いていた。

キョウヤが目覚めた日から数えて6日、恐ろしいスピードでケガの治療が行われた。そのおかげでキョウヤは今ここに立っている。

今キョウヤは何をしているかと言うと、筆記試験を終えて実技試験に移るための準備をしていた。

実技試験では4人1組のパーティーを組み森の中にいる魔獣を30体倒すという内容だった。

 

「ほかの班員はどこにいるんだ…B班の奴ら、どこにいるんだよ…」

そうぼやきながら歩いていると後ろから急においっ!と言う声とともに急に肩を掴まれた。

キョウヤはその時反射的に裏拳を返していた。

「ブフォっ!?」

と、言う声と共に人が倒れた気配があった。 これは綺麗に決まったなとキョウヤは満足そうに笑った。

「イテテ…、手荒な歓迎だな。だがそういうの、嫌いじゃないぜ…」

そう言い笑いながらその少年は立ち上がった。 キョウヤは振り返りその少年を少し観察した。

身長はキョウヤと同じぐらい、顔だちは至って悪くはない、しかしカッコいい部類に入るのかと言われると一瞬考え込んでしまう顔立ち、髪の毛は茶髪で少し長いぐらい、しかし寝癖なのであろうか少しはねている。

そして何より目を引くのはその腰に付けた刀である。確か東洋の島国伝統の剣だったはずだ。

鞘に収まっていて刀身は全て見えないがたぶんかなり長めなんじゃないかと思った。

観察を終えたキョウヤは心の中で

「こいつ殴られてへらへらしてやがる・・・しかも嫌いじゃないだとっ?こいつ救いようのないMなんじゃないのか…?」

と、思い少し少年から離れた。

「お前B班だろ、俺は夜舞 剣斗(ヤマイ ケント)、お前は?」

ケントと呼ばれた少年は笑みを崩さずキョウヤに握手を求めた。

「黙れ、マゾヒストに名乗る名などない。それに握手もしないマゾがうつる」

と、キョウヤは汚いものを見るかのような目でケントをさげすんだ。

「マゾって…俺はノーマルだよ!てかおまえ面白い冗談いうんだな、気に入ったよ!」

ケントは笑いながらそう言った。 キョウヤはこいつには何を言っても通用しないと思い渋々名乗ることにした。

「キョウヤだ、アケボシキョウヤ」

「ヨロシクな、キョウヤ!」

と、さわやかな笑顔を浮かべケントは言った。

「馴れ馴れしいな、こいつ…もっと落ち着いたやつがいればよかったんだけどな…」

キョウヤはそう言いため息をついた。

 

「よしっ!あと2体だ!」

キョウヤ達は編入試験の会場に出て、魔獣を討伐していた。ちょうど今28体目を仕留めたところだった。

「正直言って俺たちのグループ最強じゃねぇの!?」

興奮したようにケントが班員たちに聞こえるような声で言った。

キョウヤも正直言ってこのグループは結構強いと思った。

キョウヤとケントが先陣を切り敵を所定のポイントまで追い込む、するともう一人の班員クレスがはっていた魔方陣を起動させて敵の動きを止める、そして最後の班員、ナミが巨大なハンマーを使い一撃必殺の攻撃をする。

この流れで敵を倒してきた、今もその方法で1体仕留めたところだ。

「よしっ!みんな頑張れ、あと1体だ!!」

と、ケントが言う。 ケントは全員の士気を上げるような言葉を言って班員のやる気を上げてくれている。

剣の実力も相当なモノなのに周りにも気遣いが出来る、将来相当な騎士になれるんじゃないかとキョウヤは思った。

しかし順調だった流れを覚ますような冷たい嫌な空気を察知した。 正確に言うと空気ではなくて気配だろうか。

「みんな、止まってくれ!」

と、キョウヤはみんなにそう伝えた。

 

「おい、どうしたんだよ?あと一体じゃないか、何で止まれなんて…」

クレスは不満を漏らすようにそう言った。

「そうよ、明星クン何考えてるの?」

と、ナミも不満を漏らす。

「お前ら、この気配を感じないのか…?」

二人は何も感じないといった様子で首をかしげた。 しかしケントは

「おい、あれを見ろよ。多分あれがこの嫌な気配の正体じゃないのか?」

と、ケントが指をさした先にいたのは上級悪魔のデーモンがいた。 しかも1体のみならず3体もいる。

「どうするのよ?あんなのを相手にしなきゃいけないの?」

ナミは不安そうな顔をしてキョウヤに尋ねた。

「いや、あんな奴らがいるなんて情報は一言も伝わってきていない、少し教官に聞いてみるよ」

そう言いキョウヤは試験の初めに貰ったトランシーバーを使い教官を呼び出した。

「どうした、もう狩り終ったのか?ならすぐに…」

教官の言葉を途中で遮り冷静にキョウヤが言葉を紡いでいく。

「デーモンがいます、それも3体。試験会場にそんな強敵がいるはずないですよね?」

「デーモンだと!?なぜこんなところに…それにこの森は不可侵条約を結んでいて敵国に侵略されないはずじゃ…」

不可侵条約、その言葉を聞きキョウヤは冷静な考えを下した。

「じゃあ今あそこにいる奴らは国際法を無視してここにいるということで間違いないですね?」

「あぁ、そうだな。そう考えるのが妥当だ。だが今はそんなことはどうでもいい、今すぐに撤退しろ!今回の試験も中止だ、ほかの班の奴らにも伝えておく。 今すぐ兵を出す、お前たちは見つからないように逃げろ!以上だ…!」

そう言い無線は切れた。 キョウヤは慌ててその話をケントたちに伝えた。

「へぇ、そうなのか。それで、キョウヤは普通に撤退するのか?」

「はぁ?」

ケントの言ったことが分からないといった様子でキョウヤは素っ頓狂な声を出した。多分顔もおかしな顔をしているだろうなとキョウヤは思った。

「俺たちがこの場でアイツらを倒したらさ、入学早々上位クラスに行けるんだぜ?それに今からくる味方のためにも敵を少しでも消耗させておかないとさ!」

そう言ってケントは戦いに向けての準備をする。

「入学早々エリートか、それはなかなかいいな。ケント、俺はオマエについていく!」

クレスはそう言いケントについていく。 キョウヤはナミはどうするだろうと思いナミがいた場所を見たがそこにはナミがいない。

「私も、夜舞クンについていくよ。怖いけどワタシのこと護ってね」

そう言ってケントの横を歩くナミ。

「当たり前だ、絶対にお前を護ってやるから」

そう言い嬉しそうにするケント。

「遅かったか…」

と、思うキョウヤにケントが言った。

「キョウヤもこいよ、お前のチカラが必要なんだ!」

「そういうと断われねぇじゃねぇかよ、もうどうにでもなれ!」

そう言いキョウヤはやけになりケントについていった。

 

 

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