終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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第10章「遠征」
少女とワイシャツ


コンコン…

「お兄ちゃん、いる~?」

私は今お兄ちゃんの部屋のドアをノックしている。

理由は単純だ。

今日こそお兄ちゃんにふりむいてもらうためだ。

(今日はお兄ちゃんの好きなしましまパンツもはいてきたんだし、絶対いけるよね!)

と、意気込んでみたものの一向に出てくる気配がない。

もしかして寝ているのだろうか。

(お兄ちゃんの寝てるところにイタズラするのもいいかも…)

私はそっとドアを開けて部屋に入る。

「お兄ちゃん、入るよ~」

一応小声で了承を取っておく。

こうしないとちょっとした罪悪感に見舞われてしまいそうだからだ。

「あれ…いない…」

寝ているから気付かないと踏んでいた私だったがどうやら違ったらしい。

(う~ん…どこに行ったんだろ?もしかして隠れてるとか?)

しかしこの部屋を見渡してもお兄ちゃんが隠れられるほどのスペースなんて皆無だ。

部屋を見渡していてひとつ目についたものがあった。

キッチンに料理の途中らしき跡があったのだ。

さっきまで火にかけられていたであろう鍋、一口サイズにカットされた野菜などだ。

(お兄ちゃんさっきまでお料理してたんだぁ。でもお料理の途中でどこかに行っちゃうかなぁ?)

私は思考を巡らせる。

考えが思いつかない間私は部屋の中をぐるぐるとまわりお兄ちゃんのベッドの上に落ち着く。

 

「ん…?これって!?」

私は見てしまったのだ。

お兄ちゃんのベッドの上に落ちているワイシャツを。

(これってお兄ちゃんがさっきまで着てたやつだよね?)

私は恐る恐るそれに手を伸ばした。

(まだあったかい…やっぱりこれさっきまでお兄ちゃんが着てたやつだ!)

私はそう確信した。

さっきまでのお兄ちゃんがどこに行ったなんて疑問も吹き飛ぶほどこれは衝撃的な発見だ。

「もぅお兄ちゃんたら、こんなところに服脱ぎ散らかして…しょうがないんだからぁ」

私はそれを洗面所に持っていく。

いや、正確には洗面所に持っていこうとした。

持っていく途中ある考えが頭の隅をかすめたからだ。

不思議なもので一瞬かすめただけの思考は見る見るうちに膨張していき私の頭の思考を奪っていく。

(ちょっとだけならいいよね…)

ちょっとだけ、その言葉を頭の中で反復し私はベッドに横たわる。

「お兄ちゃんのがこんなところにあるのが悪いんだからねっ!?」

私は自分の行為を正当化するようにそうつぶやく。

(ホントに誰もいないよね…?)

私は周囲をもう一度見渡す。

だがそこには何もなく視線の一つすら感じられない。

私はそれを確認したところでそのワイシャツを自分の顔まで近づけた。

「すぅ~…くんくん…」

そして私はその匂いを思いっきり吸い込む。

その瞬間私の頭の芯まで電撃が走ったような衝撃が走る。

(これがお兄ちゃんの匂い…!?すごいよぉ、頭びりびりってくるぅ)

もちろん刺激的な匂いだから頭がしびれるというわけではない。

何かほかの要素が私の頭に直接働きかける。

「クンクン…はぁ…お兄ちゃんの匂い、いいよぉ…もっと、もっとぉ…」

私はにおいをかぐことに夢中になっていた。

一呼吸ごとに痺れるような感覚が全身を支配しもっとそれを求めるように鼻を動かす。

(ヤバいよ、これぇ…ちょっとだけのつもりだったのにやめれなくなっちゃうよぉ…)

なんともいえぬ快感の連鎖に私はこの行為がくせになってしまいそうになっていた。

こんなことをしてお兄ちゃんに嫌われないかという疑問が頭に浮かぶがそれも快感に上書きされ消える。

(お兄ちゃんがこんなことで嫌いになるわけないよね…うん、あのお人好しのお兄ちゃんだもん!絶対にありえないよ)

お兄ちゃんは誰がどう見てもお人好しだ。

しかも可愛い娘は特に。

あの誰にでも優しいところを私にだけにやさしいってことにしてほしいなぁと一時期思ったことがあった。

しかし誰にでも優しいってところに私は惚れちゃったんだと理解した時にはその考えがバカらしくなってきてどこかに消え去ったのだ。

「すぅすぅ…くんくん…はぁ~…なんかこれだけじゃもう物足りないよぉ…」

このときからもう私の頭は快感に支配されていた。

もっと強い刺激を求めるため私は思考を巡らせある一つの考えにたどりつく。

「そうだ、これを食べちゃえばいいんだ…」

私はそう言うと同時にお兄ちゃんのワイシャツを口に含む。

「あむ…あむあむ…もごもご…」

私は口を動かし舌をうごめかせお兄ちゃんの味を堪能する。

(あぁお兄ちゃんのワイシャツ…お兄ちゃんのアジ…おいしいよぉ)

「はむ…ぴちゃぴちゃ…すんすん…じゅるりっ…」

噛むだけではなく匂いも同時にかぐ。

(はぁ~!これいい、よすぎるよぉ!お兄ちゃんの食べながらくんくんするの…良すぎだよぉ…)

部屋に私が口を動かしてそれを舐める音、鼻を動かし匂いを嗅ぐ音が響く。

私はもう戻れないところまでいってしまったらしい。

「くちゃくちゃ…お兄ちゃんの匂いここが強い…もっと…もっとお兄ちゃん欲しいよぉ…」

私はにおいが一層強い部分、脇下あたりをくわえる。

(にゃあぁぁぁ!?なにこれ!?シゲキ強すぎぃ…これだけで頭真っ白になっちゃいそう…!)

私はその部分を重点的に嗅ぎ舐めそして噛む。

「お兄ちゃんお兄ちゃん…はぁはぁ…くちゃくちゃ…」

だんだん私の息が荒々しいものに変化していく。

それはもう自分ではコントロールできなかった。

(あぁ…私お兄ちゃんのワイシャツにこんなことしてはぁはぁ言って…変態さんだよぉ…)

私は自分をそう卑下してみるもそれすら快感となって戻ってくる。

「ぷちゃ…じゅるる…はぁ…すぅ…」

(もっと…これだけじゃ足りない…これだけじゃ体のじんじん抑えられないよぉ…)

自然と私の手が動く。

その手は快楽を求めるようもっと下へと下がっていく。

(あぁ、ダメだよっダメっ!…ここはお兄ちゃんの部屋なんだし我慢しなきゃっ!)

私は残っている理性で必死に抑えようとするも欲望がそれを許さなかった。

(もぅだめっ…我慢できないよぉ…私お兄ちゃんの部屋でもっと気持ちよくなっちゃうよぉ~)

「はぁ…ねぇお兄ちゃん…私もっと気持ちよくなりたい…ねぇいいでしょ…?」

私はお兄ちゃんがきいていないにもかかわらずそんなことをきく。

頭の中ではお兄ちゃんのことしか考えられない。

「やぁん!お兄ちゃん意地悪言わないでよぉ…はぁはぁ…お兄ちゃん…」

そこにいないはずの兄を妄想して私は興奮を高める。

最後の一歩の為に体がカッと火照り出す。

(あぁ、もうダメだよ…こんなのお兄ちゃんに見られちゃ…私とってもえっちではしたない娘って思われちゃうよぉ…)

 

「お~いキョウヤ、居るか?」

私はその瞬間びくっとし体をこわばらせた。

ケントがお兄ちゃんの部屋までやってきたのだ。

「お、お兄ちゃんなら今いないよぉ」

かろうじて私は声を出せたがその言葉が本当に喋れていたのかどうかは不明だ。

「そうか、居ないか…ってなんでユキがここにいるんだ?」

私はまたもびくりとした。

つい返事をしてしまったもののここでお兄ちゃんのワイシャツを食べてたなんて言えるわけもない。

私はしどろもどろになりながらも言い訳を必死に考える。

「え~と…そのぉ…」

「まぁいいや、それよりもっと大事な用があるんだよ。今すぐ作戦室に集合だってさ」

「う、うん、わかったよ…もう少ししたら行くよぉ」

「大丈夫か、お前ちょっと声変だぞ?」

どうやら私の声は相当ふやけていたらしい。

どうやら自分でも快楽の量をコントロールできなかったようだ。

「だ、大丈夫だって…ちょっと調子が良くないけど多分すぐ直るよ」

我ながら苦しいわけだ。

「そうか、まぁ落ち着いたら来いよ。みんなにはそう伝えておいてやるから」

扉の前から人の気配が消え私はようやくひと段落ついた。

「ふぅ…危なかったぁ…で、これどうしよう…?」

理性を取り戻した私はついさっきまでいろいろなことをしていたワイシャツを見る。

そこには私のよだれやらなんやらが大量に付着していた。

(はぁ…これお兄ちゃんが戻ってくるまでに何とかしないとなぁ…)

私はそれをどうするか考えてから作戦室へと向かった。

 

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