時同じくしてオシリス国内クロノス、ユキの部屋から
「はぁ…お兄ちゃん行っちゃった…」
私はそう言ってベッドに横になる。
私の部屋は二人部屋でこのベッドも二段ベッドだ。
「もぅユキはお兄ちゃん中毒者なんだから」
二段ベッドの上の住人、ウサギが私に声をかける。
「お兄ちゃん中毒者って何よ」
「お兄ちゃん好き好き大好き~な娘のことで、お兄ちゃんがいなくなった途端元気をなくすという特徴がある」
「もう何バカなこと言ってるの!私がお兄ちゃんをその…す、好き…なんて…」
私は途端に言いよどんだ。
最近私の様子がおかしい。
お兄ちゃんの事を考えたらなんかもやもやするしお兄ちゃんのことがずっと気になって…。
それにお兄ちゃんがほかの子とイチャイチャしてたらなんだかいらいらしちゃう…。
「そう言えばキョウヤってホントに何者なんだろうね?」
「え?お兄ちゃんがどうかしたの?」
「うん、キョウヤってさなんか自分のことを隠してるっていうか…う~ん、なんて言ったらいいのかなぁ…自分のことを忘れてる?見たいな」
う、ウサギのくせに鋭い!
たまにウサギはこういった的を射た発言をするので油断ならない。
お兄ちゃん自身は記憶喪失で間違いない、しかしその真実は私を含めて少しの人しか知らない。
「なんでそう思うの?」
私は平静を装ってそう尋ねた。
「だってキョウヤって昔のことをなかなかしゃべらないしさ。それに異能を使う時だってなんだかおかしかったもん」
「おかしいって何が?」
「自分の異能については詳しく知ってるはずなのにまるで分ってないみたいな感じだったしさ、それに異能を使った時のキョウヤの驚いた顔、あれは絶対におかしいよ!」
そろそろこれは話さないといけないかも知れなくなってきたかな。
ウサギなら信用できるし話そうかな…。
「あのね実はお兄ちゃんって…」
私がそう言おうとした途端携帯端末のブザーが鳴る。
それはウサギも一緒だった。
これが意味することは私が所属するクラス、ストレンジ・ナイフでの特別作戦があるという事だった。
「とりあえず作戦室に行こうか、ウサギ。早く行かないと怒られちゃうよ」
私はウサギと一緒に作戦室へと向かった。
作戦室では早くも数名の生徒が集まり黙々と準備をしていた。
「キラ、これってどういうこと?」
私は近くにいたキラにこの場の様子を尋ねた。
「さっきサクヤから救難信号が出されたんだ、至急救護を頼むってさ」
私はそれを聞いてお兄ちゃんの身に何かが起こったと悟った。
私は急いで用意にとりかかろうとした。
「では今回の作戦を話す」
その行為はモニターからの言葉に遮られた。
「今回の作戦は少数でとりかかる。今ここにいるメンツだけで行ってくれ」
その言葉を聞いてその場の全員はさらに用意を急いだ。
「あぁそれと月夜見、お前は残れ。医務室から呼び出しがあった。なんでも例の件で話があるそうだが…」
それを聞いた瞬間私の心臓は掴まれたようにぎゅっとなった。
そして次の瞬間には一気に医務室まで走っていた。
私は息を切らせながら医務室の扉を開く。
「おぉ月夜見か、なんだそんなに焦って。まぁそこに座ってくれ」
医務室にいた先生は私が席に着くなりコーヒーを入れたカップを私に手渡してきた。
「ブラックでいいかな?」
「あ、ミルクがいいです。結構多めでお願いします。ってこんなことしてる場合じゃなくて!」
私は先生にツッコミを入れ話をせかす。
しかし先生は落ち着いた様子で部屋の冷蔵庫からミルクを取り出しながら話し出した。
「この前のDNA検査の結果が出たんだよ。予定より早めに終わってね、私の働きに感謝してくれよ」
ミルクを机の上に置き少し笑いながら先生もイスについた。
「で、その結果なんだが…」
それを話し出した途端先生は急に真面目な顔つきになった。
「驚かないできいてくれよ。実はな…」
「キョウヤお兄ちゃん、何考えてるの!?」
ヒカリは真剣な顔つきで叫ぶ。
「キョウヤお兄ちゃんはあっちに言っちゃダメ!お兄ちゃんの帰りを待ってる人だっていっぱいいるんだよ!それにそこの人が妹妹いってるけどお兄ちゃんの本当の妹はユキお姉ちゃんなんだから!!」
その瞬間俺の身体に電流が走る。
(ユキが本当の妹…?なんだそれは…?)
「おい、それはどういうことだ?」
「まずはお兄ちゃんたちにはゴメンナサイだね、勝手にお兄ちゃんの遺伝子覗いちゃった」
「おい、何を言ってるかさっぱり…」
その瞬間俺の記憶の中から一つのキーワードが引っ張り出されてきた。
それはヒカリの能力だった。
物体の構造を知るという力、たぶんそれは人間にも働いたのだろう。
「ヒカリはね触れたモノの構造が嫌でもわかっちゃうの、でね、ヒカリが迷子になった時にお兄ちゃんとお姉ちゃんの遺伝子を覗いたときに分かったの」
まさか…これって…。
俺
はかたずをのんで次の言葉を待った。
私
『お兄ちゃんたち
は本当の兄妹だよ』
君たち
俺
はその瞬間笑みを浮かべた。
私
『やっぱり兄妹だったんだ…!』