「へっ…お前の力はそれだけか!」
俺はひたすらにアインに攻撃を加える。
しかしアインはそれを華麗なステップで避けたり装備している鎌で受け流したりさまざまな方法でその攻撃を止める。
「ちっ…ウゼェなぁ!」
俺は精一杯の力を込めて斬りつける。
しかしそれも鎌で受け止められる。
後には金属同士がぶつかりあった鈍い音が響くだけだった。
だがそれは俺の計算の一つだった。
俺は剣から片手を離して魔法を唱える。
「フレイム!」
魔法の炎がアインを襲うようにその姿を現す。
しかしそれを見てもアインは全く動じなかった。
「俺にそんな攻撃くらわねぇって言ってるだろ!」
その炎がアインに着弾する寸前アインはその漆黒のマントを翻しその炎を防ぐ。
「何っ!俺の炎がそんなマントごときで…」
「マントごときってのは何だよ、これは魔砲を通さない特殊な作りになってるんだよ。よってお前からの魔法攻撃は無効だ」
アインがまるで友達に自慢するかのようにそのマントの説明をする。
「ちっ…うるせぇんだよ!」
俺はその説明を遮るかのように剣を振る。
「おっと…危ないことするね、ナイトは!」
それも華麗なステップで避けきり鎌を俺に向かって振るう。
「雷斬剛破(らいざんごうは)!」
突如アインの身体に電撃を纏った剣戟(けんげき)が入る。
「ほぅ、ユラか…お前いつの間に…いや、そんなことはどうでもいいか、さぁこれからが本番だぜ!」
ユラが魔方陣を破りこの場に助けに入ってくれて俺はほっとする。
しかしそのユラの登場でさえも相手はスパイスに変えてしまっていた。
「さぁもっと楽しませてくれよ!」
「なぁアイン、もうお前が望むようなゲームは終わりだ」
ユラは静かにそう告げ俺にアイコンタクトを飛ばす。
まさかユラはアレを使う気だったのだ。
「へぇ…ユラ、あいつを使うのか…いいぜ、それでこのゲームにピリオドを打ってやろうじゃねぇか!」
俺達はにやりと唇の端を釣り上げたのちこう叫んだ。
「神装発動!」
その瞬間俺たちの身体を鋭い光がつつみその数瞬の後には全く違った衣装を身に纏った俺たちが姿を現す。
俺は漆黒に染まった袴をユラは金色の鎧を纏った姿だ。
「ほぅ…神装を使ってくるとはな、楽しませてくれるじゃねぇか!」
神装、それはオシリスに伝わる秘技。
オシリスに生まれたモノならだれもが使える技だがそれを扱うにはある程度のスキルが必要となってくる。
身体能力を上げ異能の力も上昇させる。
オシリスが誇る最終兵器と言ってもいいだろう。
そしてその神装にはそれぞれのコードネームがあり世界に同じものは二つとない。
ちなみに俺のコードはスザク、ユラがゼウスである。
「さぁいくぜアイン!」
俺達は二人そろってアインに詰め寄る。
俺はさっきまでもっていた剣とは打って変わりガンブレードを持ち相手の懐までかける。
このガンブレードは俺のこの神装のオプションでもある。
俺が一番力を引き出せるようにと作られた武器だ。
俺はそいつの引き金を引きならがも剣を振るう。
銃弾と剣戟の荒らしがアインを襲う。
「ナイト!少し退いてろ!」
ユラの声が聞こえ俺はさっとその場から後ずさる。
そのすぐ後には天から大剣を振り下ろすユラが降ってくる。
その剣は雷の力を帯びて淡く光り輝いていた。
「これで終わりだっ!」
ユラがアインの身体を引き裂く。
目映い程の光がその場を包み込み爆ぜる。
その光が収まるころにはそこにはアインと思われるものが横たわっていた。
「なんかあっけなかったな、さぁてこいつどうしようか?」
俺はアインのマントをはがし仰向けにさせる。
するとそこにはアインの姿はなくあったのはマネキンであった。
「なっ!?お、おい、これどういうことだよ!」
「たぶん逃げられた」
俺は全力を以ってそのマネキンを地面に打ち付ける。
それは地面についた瞬間ばらばらと崩れ落ちた。
「おい、これ、なんだ?」
ユラはそう言って壊れたマネキンの頭部に手を突っ込みそこから紙を引き出した。
「え~と…これはただの時間稼ぎだ。お前らはそんなことも知らずに…バカなことを(笑)まぁお前らの真の実力も見れたことだし…じゃあな、だってさ」
「あいつ…いつか必ず殺す!」
俺達は湧き上がる怒りを必死に抑えてその場に倒れ込んだ。
「はぁ…あれだけの力使って無駄だったとかどんだけだよ…」
「そう落ち込むな、ナイト」
んっ…?俺何か忘れてるような…?
「あ、そういやデンシの回収してアイツらに追いつかないといけないんだった」
そのことが全く頭の隅から抜け落ちていた俺たち。
俺達はデンシを拾いキョウヤ達の元へと急ぐ。
その途中援軍とも会い俺たちは確実に何かあったのであろう後輩たちの元へと急ぐのだった。