スランプ気味でしたorz
まだ脱し切れてない感が…
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Doll
「さて、お兄様、意気込んでいるのはいいですけど、私身体同士での戦いはあまり好きじゃありませんの」
剣を取り出そうとした俺にすました顔でそう言ってくる金髪少女、イリヤ。
彼女は少しニヤリと口元を歪めると腕を天高く掲げる。
するとそれに呼応するように、導かれるように人形のドラゴンが現れる。
「思い出しませんか、お兄様?私のこの子を見て…」
俺は首を横に振った。
欠落した記憶の中に埋もれているのだろう。
「あら、残念ですわね。それでは少々痛い目に遇ってでも思い出していただきますの」
ドラゴンは耳が痛くなるほどの方向を一つ立て口から炎の弾丸を吐き出す。
一直線に向かってくるそれを俺は横に飛び退いてかわす。
さっきまで俺が立っていた場所は無惨にも炎の中へと消えた。
「どうですお兄様?私のこの子の力、思い出していただけましたか?」
(そんなことしても思い出せないものは思い出せねぇよ)
内心そんなことを思うが口に出してしまえばさらに猛攻撃を食らってしまうことは目に見えていた。
俺はドラゴンを睨みつけながら剣を引き抜く。
青白い光を放つ刀身が秘の光に反射されてきらめきを放つ。
俺は一直線にその龍に向かって走った。
走りながらも観察は忘れない。
どこを攻撃すれば効率よく相手が倒れるか、できれば長期戦は避けたい俺は分析を続ける。
「ここだっ!」
ドラゴンの足元まで来た俺は刀身を一気にその足へと突き立てる。
そしてそれをえぐるように引き抜く。
足を潰せば必然的に体重を支えなくなるはず、そう考えての行動だ。
まるで血が噴き出すように綿が辺りに飛び散る。
「あらまぁ…お兄様ったら戦い方が全く変わっていませんわよ。これではこの子に勝てはしませんわ」
イリヤは指をぱちりとひとつ鳴らす。
するとそれに連動するかのように俺の目の前を漂っていた綿が爆ぜる。
俺はとっさに飛び退くも無傷ではいられなかった。
「昔のお兄様もそんな攻撃を仕掛けていましたが…やっぱり全く変わらないのですわね」
イリヤは口元を抑えて微笑む。
「なぁ…昔の俺はこいつと一戦交えてたのか?」
全く話についていけていない俺はそんなことを尋ねる。
「えぇ、一戦どころかもう毎日のように戦いましたの…お兄様が強くなりたいとおっしゃったものですから、私も本気を出させていただきましたの」
俺が強くなりたい?どういうことだ?
「い、イリヤ、そのあたりもっと詳しく…」
「いやですわ、自分で思い出すということを学んでくださいよ、お兄様」
イリヤは俺を一瞥するとすぐにその龍に指示を出す。
「さぁ!お兄様を今すぐ潰してしまいなさい!遠慮はいりませんの、お兄様はこの程度では死んでしまうことはありませんから」
ドラゴンはいまだ綿があふれ出る足を高く掲げる。
今から逃げても確実にドラゴンの足の餌食になる。
俺は思考を巡らせてここから脱出する方法を探るが全く浮かんでこない。
だんだんと俺の上に大きな影がかぶさっていく。
(俺もここで終わりか…ゴメンなユキ、ダメな兄ちゃんで…またお前を悲しませるかもしれない…)
俺は目をつぶり死を覚悟する。
俺の上にある大きな塊が落ちてくる、その瞬間がやけにスローモーションのように見えた。
「アイギス!」
聴きなれた声と同時俺の頭上に光の壁が現れる。
その壁はドラゴンの大きな足を楽々と受け止める。
「大丈夫ですか、センパイ!?遅くなってごめんね!」
俺は声の方向を振り向く。
「キラ!」
そこには俺の頼れる後輩、キラの姿が。
いや、後輩って言っても年齢的な意味だが、クロノスでの経験上は俺が後輩なんだけど…。
そんなことはどうでもよくなるぐらいの嬉しさが俺の中に募る。
「ちっ…また邪魔が入りましたのね…でも…あいつもろともお兄様を焼き払っちゃって!」
ドラゴンはその指示通り俺とキラに狙いを定める。
「キラ、やれるか?」
「もちろんですよ、センパイ!」
ドラゴンの口から炎が放たれる。
が、それも俺とドラゴンの間にできた壁が阻む。
壁に当たった炎の弾丸は虚しく宙に消える。
「よくやったキラ!」
俺が素直にそう褒めるときらはふにゃりと頬を緩ませて照れる。
その姿がまた可愛らしく思いっきり抱き締めたいぐらいだ。
「で、センパイ。あの金髪ゴスロリ誰ですか?なんだか見覚えがあるような…」
キラのその言葉を遮るように遠くから俺を呼ぶ声が一つ。
「お兄ちゃ~ん!」
そう、俺の妹にして彼女、ユキの声だ。
ユキも来たということはどうやらあちら側においてきたみんなもちゃんと切り抜けてこれたということだ。
俺はユキの声にこたえるようにぶんぶんと手を振る。
「お兄ちゃん?…お兄様、このバカそうなお方は誰ですの?」
イリヤは怒りを抑えようと必死になっているが表情からそれが漏れ出てしまっている。
正直怖いです。
「お兄様?…ねぇ、お兄ちゃん、この変な人誰?妹は私だけだよね?」
「え~と…」
実の妹と妹を名乗る人物からの板挟みに俺の精神は擦り減っていく。
多分ここは正直に言わないと俺が死ぬ、そう感じた瞬間には口が動いていた。
「あのな…」
「あーっ!」
と、俺の言葉を遮るようにキラの大声が響き渡る。
周りにいた皆、俺含めてびくりと肩を震わせる。
それぐらい唐突で大きな声だった。
「セ、センパイ…あの子、どこかで見たことあるって思ったらユキじゃない!え?ユキって双子とか?あ、でも…」
キラのその言葉に怒りをあらわにした存在が二人。
「ちょっとそこの変人!私がそこのおバカ金髪と双子ですって?冗談じゃありませんの!私と血を分けた存在はお兄様だけですわ!」
「むっ…そんなに言わなくたっていいじゃない!このゴスロリ中二病!それにわたくしと血を分けた存在はお兄様だけぇ?ふざけないでよ!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんなんだから!実のお兄ちゃんなんだから!」
ユキとイリヤはお互いに睨み合う。
互いの視線がバチバチと火花を散らしているのが分かった。
それに後ろにもなんだかオーラがみえるような気がした。
「…もしかしてセンパイ…私、変な事言ったかな?」
俺はそれに無言でうなずいた。
「じゃあ今回もいくですよー!マリナの…」
「ちょっとお待ちなさいですわ!幼女なんかに任せておけませんの、今回はわたくしが…」
「な…!ちょっとマリナの邪魔するなです!人形フェチはどっかにすっこんでろです!」
「あら?出番がなかった幼女が何か言ってますわね?」
「ムムム…ま、マリナちゃんだってそのうち…」
「そのうちっていつですの?次回?それとも次の次?もしかしてもう来ないんじゃない?」
「あー!もう!ムカつくのです!チョームカつくのです!ケント!」
「お呼びでしょうか、マリナ様」
「あら、あなたもいたのね。ずっと眠ってる奴のくせに…」
「ひ、ひどい…」
「ケント!落ち込んでる暇はないのです!ちょっとこっちに来るのです!」
「ん?なんだ?…ぶふぇっ!?」
「あらまぁ…いきなり殴りかかるなんて…幼女は野蛮でしたのね…」
「うるさいです!…あぁもう!もっとムカついたのです!この、この!ほら、もっといい声で鳴いてマリナちゃんをすっきりさせるのです!このダメケント!」
「は、はいぃ…このケント、マリナ様を楽しませるために一生懸命鳴かせていただきますぅ…あうっ…!」
「ははは、もっと鳴くのですよ!さぁ、マリナをもっともっと気持ちよくさせるのです!」
「はいぃぃ!」
「…あら、完全に二人の世界に入ってしまわれましたわ…それなら最初からわたくしが一人でした方が良かったのでは…?」
「お前みたいな…!やつに…!マリナちゃんの…!出番を…!奪われるのは…!癪だったのです…!よ…!」
「いや、殴りながら言われても説得力があまりありませんの…さて、気を取り直してイリヤの…え?尺がない?う、嘘ですわよね!?私の出番は…」