さて…そのあとのことについて少しは無そうか。
あの後俺たちはネムの手によって救助された。
どうやらアインもあの軍勢にはかなわないと判断したのだろう逃亡を図ったようだ。
そして俺たちは無事あの戦闘から離脱することができたというわけだ。
まぁ傷も負ったがどれも大したものじゃなく後に残るモノもなかった。
しかし失ったものも大きかった。
出撃した奴らの約6割が結局帰ってこなかったのだ。
たぶん死んだのだろうな…。
俺たち以外にも出撃していたストレンジ・ナイフのメンバーも犠牲になっていた。
ほとんど話したこともない奴らだったがクラスメイトが死ぬということに俺は悔しさを隠し切れなかった。
戦地から回収された死者たちはどうやら体のどこかを切り裂かれて死んだという。
多分すべてアインの仕業なんだろうな。
イリヤもあの人形たちが人を殺すなんてありえないと言っていたし。
イリヤ曰く
「私の人形たちは人殺しの道具じゃありませんの。少し痛い目を見てもらってすぐに逃げてもらうつもりでしたのよ?」
とのことだ。
どうやら彼女には明確な殺意はないらしい。
そのことも幸いしてか案外すんなりとオシリスはイリヤを受け入れた。
それに敵の主力ということもある、相手にとっては大きな痛手だろう。
そして俺の妹を名乗る少女は俺たちの学園、クロノスに転入することになった。
さて…消えたナイトたちの事だが…。
まだアイツらの捜索は続けられている。
しかし手がかりはほとんど見つかっていない。
唯一見つかった手がかりといえばアイツらが最後に行ったであろう廃工場だ。
しかしそこも爆破されていて中で何があったのかさえ分からないらしい。
手掛かりがない以上捜索は難しいと教師が告げてきた時には気が狂ってしまいそうだった。
他の奴らも呆然とそれをきくことしかできなかった。
俺達はしょせん学生、非力なのだと改めて痛感した瞬間だった。
俺たちだけで捜索を試みようとしたがすぐに見つかって止められた。
「お前らまで居なくなったらこのクラスは崩壊するぞ?」
教師はふざけた感じでそう言ってきたが俺にはそれがおふざけには聞こえなかった。
俺達が抜ければもう終わり…それはアイツらが帰ってきた時に居場所がないという事にもつながる。
奥歯をキッと噛み締めて俺たちは悔しさに耐えた。
俺たちにできることはいつか帰ってくるアイツらの為にこの場所を守ることしかなかった。
そしてこの短期間の間で俺の周りで一番変わったことがある。
ユキが俺の実の妹だと発覚したこと。
そして俺はユキが大好きだということだ。
「ねぇお兄ちゃん…」
「なんだ?」
クロノスに帰ってくるや否や俺はすぐに屋上に呼び出された。
夕暮れ時、目に映るものすべてがオレンジ色に染まってる。
そしてその夕日を背に受けてユキが俺に向かってほほ笑んだ。
「ちゃんと帰ってこれたね!これもお兄ちゃんのおかげかな…」
その笑顔にどきりとした。
しかし俺の中ではユキを助けたとかそういうことはしてないと思うし…どういう意味だ?
「私はねお兄ちゃんがいてくれたから心強かったの…お兄ちゃんがいなかったらここまで頑張れなかったと思うし…」
そうか、俺はユキの心の支えになっていたのか。
「でね…やっぱり私お兄ちゃんが大好きなんだ…!どうしようもないくらい大好き!」
背中いっぱいに夕日を受けて満面の笑みでそう言ったユキ。
とても眩しくて直視できないぐらいだ。
俺は本当にこの娘の想いに応えていいのだろうか…?
俺の中でこんな思いが少し渦巻くがそんなのどうでもいい。
返事はひとつだった。
オレンジに輝く妹を見据える。
その儚く幻想的な少女の肩に手を置き顔を近づける。
「え!?お、お兄ちゃん…!?」
「俺は…」
「あ!センパイここにいたんだ!」
『!?』
突然のその声に俺もユキもびくりと肩を震わせる。
もちろん0に近づきつつあった距離も元に戻る。
「もう…探したんだからぁ…」
その声の主キラは横にウサギを引き連れて屋上へと昇ってくる。
キラの髪の毛が夕日のオレンジを受けてキラキラと輝く。
「ほら、早く食堂いこ?」
「食堂?」
俺は頭に疑問符を浮かべる。
「忘れちゃったの!?から揚げ、おごってくれるんでしょ?」
から揚げ…あぁ弁当食った時の…!
「そうだったな、忘れてた」
「それじゃあ行こうか、ワタシおなかペコペコなんだよねぇ…」
「え?ちょ、ちょっと待ってよぉ…お兄ちゃ~ん!」
「キョウヤ!ウサギちゃんにパフェをおごる約束、忘れてないよね?」
「そんな約束は一回もしてねぇよ!」
黒く染まりつつあるオレンジの空に少し少なくなった俺たちの笑い声が響いた。
to be continued...
「ヤッホー!マリナですよ~!」
「ケントもいるよ~!」
「さて…やってきたですクロノスタウン!」
「やっぱりここはいつ来ても楽しそうな雰囲気だなぁ…」
「まずはここです!ケーキ屋さん!」
「ケーキ屋から行くとは…さすがマリナ、女の子だなぁ」
「あ?いつものマリナちゃんは女の子っぽくないって言いたいです?」
「ジョ、ジョークだからそのキラキラと銀色に輝く物騒なモノをしまってくれ…」
「ここの限定ケーキ3つおごってくれたら許すです」
「そんなに!?…いえ、買わせていただきます!」
「一日20個しか販売してないですから買えるまで並んでてほしいです」
「マリナ様のめいとあらば…!」
「さて…次はここ!ゲームショップです!」
「ここが噂のゲームショップかぁ…すっげぇなぁ…新しいものからすっげぇ古いのまで多種多様じゃん!」
「ここのマスターはマニアックですからねぇ…マリナちゃんにはさっぱりわからないです」
「あ!これは…ムフフ…」
「何見てるです、ケント?…ご主人様(お兄ちゃん)私たちのご奉仕でえっちなお汁いっぱいぴゅっぴゅしてね☆~お兄ちゃんラブなツンデレ妹、エッチなご奉仕大好き妹、孕みたがりなロリビッチ妹たちと~…ってけ~ん~と~?」
「ち、違うんだ!別に欲しいとかそういうのじゃなくて…!」
「問答無用です!」
「ひぐぅっ!!」
「このお店は普通にえっちなゲームも並べてあるからちょっと困るのです…ほらケント、伸びてないで次に行くですよ?」
「はいぃ…」
「次はここ!ライブ会場!」
「ここって確か…ネムちゃんのライブしてたとこ!」
「そうです!クロノスタウンにはライブ会場もあるのです!ここでは主にミュージシャンのライブだったりちょっとした公演が行われてるです!」
「へぇ…今度は生でネムちゃん見てみたいなぁ…」
「そうですね…前はライブ会場にいけなかったですから…まぁそのおかげでいい思い出が作れたです…」
「そうだな…」
「っと…そんな空気になるのは後回しです!次は…ここ!ストリート街!」
「へぇ…こんなところも…」
「まぁここは敷地ってだけです。でもここでは自由にお店が出てるから掘り出し物とかもあるですよ?」
「そうなのかぁ…あ、これ安い!買おうかなぁ…」
「はしゃいでるケントは置いといて…ここは雑貨屋さんとかもいっぱいあってウィンドショッピングとかにもってこいです!」
「みてみてマリナ~、これ似合う?」
「プっ…なんですケント?そんなだっさいペンダントなんて買って…」
「えぇ~…にあうと思ったんだけどなぁ…あ、これマリナにも、2つ買うとお得だったから」
「うわぁ…ケントってやっぱりダサいです…でも…ありがとです…」
「何でも3つまでなら願い事が叶うんだってさ」
「へぇ…ってマリナちゃんがそんなこと信じるわけないです!」
「ははは、そうだよな…ッと次はどこだ?」
「う~ん…もう本編で出てきたところは回りつくしたです…そろそろ時間ですしお開きにするです!」
「お、そうか…俺歩き疲れちゃってさぁ…あ、あそこにカフェなんてあるぜ?行ってみるか?」
「ケントにしてはいい提案です!さっそく行ってみるです!」
「おう!」
「あ、次は特別編です!お楽しみに~です!」