終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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教室の違和感

俺はガラガラと扉を開けて教室に足を踏み入れた。

いつもと何一つ変わらない教室、俺達の日常。

しかしそんな風景も今は重苦しかった。

その理由は簡単だった。

「…やっぱり少ないな…」

そう、教室の中ががらんとしていたからだ。

ついこの間までは20人前後の生徒がそこにいたが今は目に見えて少なくなっている。

行方不明になったナイトたち、それに先の戦闘でこのクラスから出撃していた数名も帰らぬ人となってしまっていた。

なので今このクラスには10人いるかいないかぐらいの少人数である。

やはり少ない。

「あ、お兄ちゃん!やっと来たよ…もぅ…私この空気に耐えられなかったんだぁ…」

俺が教室に入るのを確認するや否や一人の少女が俺の元へパタパタと近づいてくる。

相も変わらず俺にべったりのこの少女はユキ、俺の妹である。

さすがのユキでもこの教室のムードには耐えられなかったらしい。

俺はよしよしと妹の頭をなでる。

するとふにゃりと顔を緩ませて俺に身を預けてくる。

なんだかそれだけで和んでしまう。

「おいおい、朝からイチャイチャしてるなこの兄妹は」

「お、ケント。おはよ」

クラスメイト、ケントは片手をあげて挨拶を返してきた。

しかし…いつ見てもケントは元気だな。

片腕を失ってすぐのころとは大違いだ。

あの時はどうなるかと思っていたが…それは俺の杞憂だったようだ。

「キョウヤ、この後さ時間ある?」

「おう、あるけど…」

珍しいな、ケントからこんなことを言われるなんて。

こいつ、いつもマリナと遊んで(?)いるイメージがあるからなぁ…

「ちょっとついてきてほしいところがあるんだ…」

しかも珍しくシリアスだし…

こいつ…変なモノでも食ったのかな…

 

そこから数分、チャイムが鳴り朝のホームルームが始まる。

このクラスの担任である女教師が張りきった様子で入ってくる。

やっぱりイリヤが入ってくることに浮かれているのだろうな。

その女教師は顔一面に笑顔が張り付いていた。

「今日は皆さんにいい報告が二つあります!まず一つは…このクラスに転校生が来てくれるのです!」

すさまじいテンション、しかし周りの奴らも負けじとついてきている(主にケントとウサギが)

俺も一応はテンションを合わせておく。

「さぁ…どうぞぉ!」

そして教師は勢いよくドアを開けて金髪ゴスロリを中に招き入れる。

周りからは歓声が上がった。

可愛いという声がわずか10名ばかりの教室に響き渡る。

「えーと…あ、アケボシイリヤって言いますの…ヨロシクですの…」

少し緊張した面持ちで自己紹介したイリヤ、だがその初々しい感じも相まってかまたクラスにどよめきが走った。

(って…アイツイリヤって名乗ったのかよ…)

俺は心の中でそうツッコミをしておく。

「イリヤちゃんの席は…あ、あそこ!アケボシ君の隣!」

そして教師は俺の隣の空席を指差した。

「お兄様の隣ですの!?嬉しいですわぁ」

イリヤは本当に幸せそうな表情で俺の隣の席に座った。

この後魔の質問タイムが待っているということは黙っておこう。

 

「さて…もう一つのグッドニュースは…」

教師はそのあともさっきのテンションのまま話し出した。

「なんと…」

しかしウザいぐらい間が長い。

某クイズ番組で正解かどうかいうわけじゃないんだから…すぱっと言ってくれよ…

「編入生がこのクラスに来てくれることになりました!」

またも周りから歓声が。

…またこのクラスに変人が増えるのか…

「ですが…!こっちの手違いでどうやら編入は明日ってことになっちゃいましたぁ!」

オイオイ…何でそこでそんなに明るく言うんだよ…ちょっとは詫びろよ…

もはや俺はあの教師のテンションについていくことができなかった。

しかし…編入生がくるのか…このクラスに活気が戻ればいいけど…

俺はそれを願いながらこの日の学園を過ごすのだった。

 

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