終焉ペレストロイカ   作:如月ライト

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地理

「はい!じゃあみんなそろったことだし授業を始めま~す」

編入生たちが席に着いたところで先生がそう声をかけた。

そう言えば1時限目はこの先生の授業だったか…。

玉木魅闇の担当は地理だ。

地理が苦手な俺にとっては苦痛以外の何物でもなかった。

「え~と今日は…新しい子が多いしおさらいからいこっか」

そう言って先生は黒板に何やら書いていく。

俺は黙ってそれを見守っていた。

「はい、これ何かわかる人~…って言わなくてもわかるか、世界地図です!」

どうやら先生は世界地図を描いていたようだ。

黒板に大きく描かれた世界地図に様々な言葉がおかれていく。

そして一通り書き終えた先生は解説を始めた。

「まずこの大陸!私たちがいるここ、ガランド。そこには国があって今は戦争中です」

「せんせ~いそんなのみんな知ってますよ」

ケントがそんなことをいいクラスに笑いをもたらした。

俺もたまらず噴き出してしまう。

さすがにこんな簡単なことを説明しなくても…。

「わ、私はまだよくわかりませんの…教えていただきたいですわ」

「え!?い、イリヤ…それ…マジ?」

「ま、マジですわ…」

オイオイ…イリヤの国ではどういう教育してたんだよ…。

「わからない人が居るから説明するけどこのガランドには国があります。私たちが今いるオシリス、通称無色の国。アンラ・マンユ通称黒の国、ここは私たちがこの前戦った国ですね」

それにイリヤがいた国でもある…。

「そして緑、青、赤、白、銀の国があります。それぞれ特徴がありますがそれはまた今度」

オイオイ…また今度って…。

「まずはオシリスの事です。ここは人口の6~7割が学生、もしくはそれ以下の年齢の人ですが…理由が分かる人は…っと早かったね、ケント君!」

びしっとまっすぐにしかもすばやく手を挙げたケントを先生が指名する。

「この国には…ロリコンが多いからです!」

「みんなケントと一緒にするなです!そんなわけないのです!ちょっと黙ってるですよ!」

きりりとした顔で答えを出したケントにマリナが怒りながらケシゴムを飛ばす。

見事にそれはケントのみけんにクリーンヒットしそれ以来動かなくなった。

「ふぅ…成敗…です」

教室から拍手が漏れる。

哀れケント…お前の度胸だけは一生…いや3分ぐらい覚えといてやるよ…。

「ケントのかわりにマリナが答えるのです!みんな死んじゃったからです!」

「え~と…大方当たってるけど…」

え!?あってるの!?

「それは2年ほど前のこと…突如せめて来た黒の軍勢にオシリスの主要部隊は全滅させられました…その時に動員されたのは皆おとな、それも人口の3割強のね…」

なるほど…そういう事だったのか…。

しかし2年前か…。

これもほんの最近の出来事なのか…。

「戦力を大きくそがれたオシリスはどうにかして国を立て直そうとしました。そしてつくられたのがディスティニー・ローズ、そう、騎士団です。そしてクロノスをはじめとする学校です。騎士団には残っている大人たちがほとんど駆り出されて特別な訓練を受けて今に至ります」

先生は省いたが今というのはこの大陸でベスト5に入るほどの実力を持ったということだ。

ちなみにこの大陸ベスト5に入る実力を持つ部隊を説明しておこう。

まずは黒の国の四天王。

これは噂でしかないがこの部隊を見て生きて帰ったものはいないという。

黒の国所属のイリヤだって見たことがないという。

それほどまでに謎の部隊だった。

ついで青の国の竜騎士兵団。

青の国にはリヴァイアサンやドラゴンといった様々な大型獣が存在している。

これも噂だがこの竜騎士兵団というのはリヴァイアサンやドラゴンと人間の交配種だという。

そんなことが可能かどうかはわからないがとにかく危険な事には変わりなかった。

残りは軽く説明するだけでいいか。

銀の国の鉄壁の機甲部隊、白の国の聖十字軍。

銀の国は持ち前の機械技術を駆使した機械の軍勢。

白の国は神の力を遂行する国だ。

名前からしてまさに神サマを信仰しているというのが分かる。

そんな中にオシリスの騎士団が入るというのは結構場違いだったりするのである。

「そして学校。これはもともとオシリスにあったのはあったんだけど戦いを教えてはいなかった」

俺が頭の中で解説している間に話は進んでいたようだ。

「クロノスは実験校としてつくられたんだけど…今では様々な所に軍事学校がある。これが意味することは分かるよね?」

予想以上の成果が出た、という事か…。

確かにクロノスの教育を受けていると確実に戦地に行くための腕が磨ける。

だからこんなに軍事学校が増えた、という事か。

「そして今オシリスは他国と同盟を結ぼうとしています」

え?それは初耳だな…。

「緑と青の国が同盟を結んでより強固な国になったようにオシリスも他国と協力して力をつけていきたいというのが上の考えですが…私は反対です」

緑の国と青の国、どちらも自然が多いということで同盟を結んでいたっけ…。

「もちろん国が強くなるのはいい事なんですが…喧嘩がおこってしまいます、内乱です…今一番してはいけないことは内乱です。これがおこれば国は機能しなくなります…」

確かにな…。

内乱がおこった国はもう亡びるしかないだろう。

もちろん亡びを免れたとしても確実にすたれてしまう事だろう。

そういう意味では同盟はかなりリスキーだ。

「さて…おさらいはこれくらいにして今から授業を始めましょっか」

そうしてつまらない地理の授業が本格的に幕を開けた…。

 

 

編入生が入ってきて数日が過ぎたころ…。

ようやく馴染めてきた平穏にひび割れが走った。

「みんな聞いて!」

ガラガラと勢いよく教室の扉が開いて息を切らしたキラが入ってきた。

今は休み時間、皆思い思いの事をして過ごしていた。

が、すべての視線が何事かとキラに降りそそいだ。

「はぁはぁ…あのね…はぁ…」

「大丈夫か?ちょっと落ち着けよ」

「はぁはぁ…うん…ありがと…キョウヤセンパイ…」

そしてキラは一つ深呼吸。

「あのね…探索が…うちきられるって…イツキ達が…戦死扱いになるかも…」

「え?それって…」

クラス中にどよめきが走る。

「あと3日のうちに見つからなかったら…行方不明だったみんなが死んじゃうってこと!」

俺やユキ、ケントなどの古参組はその場で立ちすくむことしかできなかった…。

 

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