「はぁ…今日はいろいろあり過ぎた…」
あの後金剛をまた海中に沈め今後の用意をするということで解散になった。
集合は明日の朝6時。
速攻で用意をした俺は手持無沙汰になり一度部屋に戻る。
今日は色々なことが起こりすぎて俺の頭は沸騰しそうだ。
行方不明になったアイツらの捜索が打ち切られること、青・緑の連合国がオシリスに向かって宣戦布告してきたこと、そしてまるで死にに行ってこいと言わんばかりの命令を下されたこと…。
(あぁダメだダメだ!なんだか暗くなってくる…)
俺は絶望に染まりそうな頭を振り払いベットにボフリと身を落とした。
心地よいフカフカが俺の体を包み込む。
まるで俺のずたずたになりそうな心まで包み込んでくれそうだった。
なんだか布団にくるまっているだけでほっこりしてしまう。
俺は勢いそのままにもふもふとお布団に包(くる)まる。
「はぁ…幸せ…」
こんな些細なことが幸せだったとは思わなかった…。
まるで天国か何かにいるようだ。
ふわふわに包まれているとだんだんと瞼が下がってくる。
目の前がぐらぐらと歪んでいき考えも遠くなってくる。
そして心地よい気だるさが俺の体を襲った。
(あ、ヤバ…眠たい…)
それがオレが意識を保っていられた間に思った最後の事だった。
コンコン…コンコン…
だんだんと心地よい闇から引き上げられてきたころ、俺の耳にそんな音が響いた。
コンコン…コンコン…
その音は絶えずドアだけでなく俺の寝ぼけた頭もノックする。
「んぁ?誰だ?開いてるから入ってきていいぞ」
俺は扉の奥にいる誰かに聞こえるように大声を上げる。
するとぎぎぃと扉が開きノックの主が姿を見せる。
「…お兄ちゃん…その…寝てた?」
そこには寝間着姿の妹の姿が。
薄い水色のパジャマに胸元でぎゅっと握っている枕が異常なほどにマッチしている。
無性に萌える…。
って今はそんなことではないな。
「う~ん…寝てたけど…」
「え!?寝てたの?…ゴメンね、おこしちゃったかな…」
「いや、べつにいいぞ」
俺は時計を確認しながらそう言った。
時刻は現在は日付が変わる1時間ちょっと前ぐらいだった。
確か俺が部屋に帰ってきたのが17時前後だから…ヤベェ…結構寝てた…
それだけ心身ともに疲れがたまってたってことかな?
「あ、あのねお兄ちゃん…」
と、ユキが口を開いた。
それとほぼ同時だった。
ぐぅ~…と俺の腹が盛大になったのは。
「え~と…お兄ちゃんご飯は?」
「食べてない…」
飯も食わずに寝たしな…。
腹が減るのは当たり前か。
「ご飯、食べる?」
「そうだな…食堂いくか。今俺の部屋に食材ないからさ」
俺達は食堂に行くことに。
「あ、そうだ。ユキ、これ着ろよ。パジャマのまま外うろうろしたら風邪ひくぞ?」
俺は手近にあったジャージをユキに羽織らせる。
結構ぶかぶかだけど…まぁ寒くなくなれば別にいいか。
「ありがとお兄ちゃん…やっぱりお兄ちゃんは優しいね」
ガチャリと食堂の扉を開いた。
眩しい光が俺の目を襲う。
一瞬くらっとしてしまうがどうにか立て直す。
「あれ?キョウヤ?」
「え?キョウヤも来たの!?」
と、俺の耳に聞きなれた声が聞こえる。
そして光になれた目がとらえたのは俺の友人たちだった。
「な~んだ、結局キョウヤセンパイもユキちゃんもこっちに来るんだ」
「そんなところで突っ立ってないで早くくるです!」
「こんなに人が多いと歌いたくなっちゃうなぁ」
「歌うの…迷惑…です…」
「そうですわよ!さすがに私こんな夜中に歌なんて聞きたくありませんの!」
「そうだねぇ…私もちょっと遠慮したいですの~」
「じゃあ俺が歌のかわりになるのをやるっす!」
俺達は唖然としてしまう。
何だろう?運命なのか?それとも神様のイタズラ?
「ほら、二人ともこっち来てよ!一緒にご飯食べよ」
「そうです!早くしないとマリナちゃんが全部食べちゃうですよ?」
「はは…結局こうなるのか…」
「でもお兄ちゃん嬉しそうだよ?」
俺は妙な顔のにやけを感じながら皆の輪に加わった。