『こんにちは!!君達はだぁれ??』
いきなり声をかけられ、驚いて声の方を向くと、いつ来たのか、さっきまで向こうの方にいた人たちの中の1人が立っていた。ピンクのワンピースに可愛らしいシュシュで1つにまとめた髪、その可愛らしい容姿に関わらず、刀技は警戒心が高まり、刀を出現させ、俺は、闇兄さん、梨乃兄さんを庇いながら睨んだ。
…すると、相手は予想外の反応をした。なんと、泣き出してしまったのだ。
『あのっ、グスッ、違くて…。』
途切れ途切れに話を続けようとする相手。そこに、もう1人、向こうから割って入って来た。
『…あー、ごめん、怖がらせるつもりとか、敵とかでもないから…。僕達は_[松夢家]って呼ばれてる。聞いたこと、ない?』
[松夢家]_ 俺達と同じ、異能力を持つ兄弟だ。
ただ、俺達[松柱家]は自分の周りのものを操る能力が殆どなのに対し、[松夢家]は自分の身体の一部が何かに変化するという能力が殆どだと聞いたことがある。
『知ってる。…俺らは松柱家。聞いたことあるだろ?』
そう相手に聞き返す。
『うん、知ってるよ。有名だからね。……ところで、此処
何処か知らない?』
はぁ。と大きく溜息を漏らす。ほんの少しの期待があっという間に消え去ったからだ。
『知らねーよ…。逆にこっちが聞きたい。』
『そうなんだ…。あ、言ってなかったね。僕は竜。身体の一部がヘドロになるっていう能力を持ってるよ。』
なんだその能力…。役に立つのか…?と思いつつ、そちら側の自己紹介を黙って聞くことにした。
『えっと、僕はね、結愛ってゆうの!さっきは急にごめんなさい…。ゆあはね!髪の毛から飴ちゃんを出せるよ!』
…と、まぁ、軽く説明すると、
長男、白竜。相手のコピーになれる
次男、竜。身体の一部がヘドロになる
三男、結愛。髪の毛から飴を出せる
四男、冥。死神化する
五男、木乃葉。時を移動できる
六男、雛。透明化できる
という感じらしい。こちら側も少し紹介をして、改めて、此処は何処なのか、どうやって連れてこられたのか、覚えている人を探すが、やはり、誰も覚えていないようだ。
まぁ、敵じゃないだけいいか…。此処だって、何処かの変な研究所に連れ込まるよりずっとましだ。
研究所…ではなさそうだからな…。ドーム型の建物で、外は…、どうなってるんだ…?
外に出てみると、ひんやりとした空気の中に四つの道が伸びていて、少し離れたところには、広くなっているところがあった。取り敢えず、何が起こるか分からないし、警戒心を解くわけにはいかない…
そう思っていた時だった_