少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~ 作:クロイツヴァルト
赤の少女と時の御子と
「・・・何を言っている、リアス先輩?」
戒翔が戸惑いながら聞く中でリアスは戒翔の横を通り過ぎ、服を脱ぐ音がした。 それに反応して振り返った戒翔の目の前には上の上着を脱ぎ、シャツも脱ぎ肌を見せていた。
「ほら、ベッド行って。 こっちも準備するのだから早く来なさいよ。」
リアスはギシリとベッドに座りスカートのファスナーを下ろし脱ぎ捨てる。そして上半身は肌蹴たワイシャツに下着一枚と欲情をそそる姿で戒翔と向き合っていた。
「・・・」
「女性にこれだけの恰好をさせて男のあなたが立ち往生っておかしいと思わない?」
妖艶な笑みをしつつリアスは戒翔の腕を取って共にベッドに倒れ込む。 恰好としては戒翔がリアスを押し倒している様な恰好である。
「・・・リアス・グレモリー、お前は何故そんなに哀しい目をしている?」
「ッ!? 何故そう思うのから?」
面と向かって言われた言葉に一瞬驚くも、リアスはその妖艶なまでの笑みを崩さずに戒翔に問う。
「目を見れば今、アンタがどう言った心境なのかは大体わかる。 それに・・・そんな目をした奴を抱くほど俺は鬼畜じゃないんでな。」
そう言って戒翔はリアスの上から退き、タオルケットをリアスに投げ渡す。 その時、リアスと戒翔の目の前にグレモリーの文様が浮かび上がる。
「もう来たのね。」
「・・・また厄介事か」
文様を見て諦めの表情をするリアスに対して戒翔は深々と溜め息を吐き現れるであろう人物を待つ。 そして、暫くするとその魔法陣からは戒翔も知る人物が現れる。
「グレイフィア・・・」
ポツリと呟いた言葉を聞いたリアスは戒翔の方を不思議そうに見つめ、目の前に現れたグレイフィアは戒翔を見つけると驚きの表情をした。
「・・・このような事をして破談に持ち込もうというわけですか?」
現れたグレイフィアは来た目的を優先したのか戒翔の事を一瞥した後にリアスを見て淡々と問いかける。 それに対してリアスは眉を吊り上げてグレイフィアを睨む。
「こんな事でもしないと、お父様もお兄様も私の意見を聞いてはくれないでしょう?」
「下賤な輩ならまだしもこの方に操を捧げる事を知れば旦那様とあの人・・・サーゼクス様が驚かれ卒倒しかねますよ?」
リアスの言葉にグレイフィアは溜め息を吐きたいのを我慢して告げる。
「・・・どういう事?」
「この事に関しては上位の悪魔の一部・・・魔王級の方々しか存じ上げない事なので私の口からは告げられません。」
疑問を口にしたリアスに対してグレイフィアは目を閉じて暗に自分にでは無くリアスの親兄弟に聞けと告げる。
「・・・そう、分かったわ。」
そしてリアスから視線を戒翔に移したグレイフィアは戒翔の方を向き深々とお辞儀をする。
「御無沙汰してます。 戒翔様」
「グレイフィアも変わりないようで安心した。 形式上とはいえグレモリー家のメイドとして働く事になっているが大丈夫か?」
「・・・え?」
戒翔とグレイフィアの会話を聞いたリアスは絶句していた。 まるで長年の友か、恋人の様な会話をしていたのだからなおさらである。
「そういえば・・・リアスには言っていなかったな。 俺は堕天使、悪魔、天使の三つ巴の戦いの仲裁をし、グレイフィアを神輿にした旧魔王勢の反乱を止めたりもしている。 三つ巴の時には世界の異変を鎮める為・・・旧魔王勢の鎮圧の時にはここにいるグレイフィアが気に入ったから介入しただけだ。」
「あの時のサーゼクス様は凄かったですね。 ですがそれ以上に戒翔様はその上を行きました。 サーゼクス様の滅びの魔力を一方的に封じて肉弾戦のみで倒してしまったのですから」
「あの時の戦いは賭けもしていたからな。 俺が勝てばグレイフィアは俺がもらうと・・・しかし根無し草の俺がそのままグレイフィアを貰う訳には行かないからな・・・俺が勝ち、尚且つ地上界で特定の住居を構えた時にはグレイフィアを正式に時の御子の下に寄越すと確約させたのだからな。 アイツも惚れた女を横取りされたくなくて必死だったからな・・・勝負は七日七晩続いたっけか?」
グレイフィアと戒翔から話された衝撃の事実にリアスは言葉も出ない状態であった。
「はい。 そして戒翔様が勝ち、私はあなた様の物になった訳ですね。」
「グレイフィア、間違えるなよ? 俺は愛する者を物扱いするなんてことは絶対に無い。 だからその様な発言はするな。」
昔にあった事を思い出したのかうっとりとするグレイフィアだが、戒翔はグレイフィアの言った言葉の最後を否定する。
「兎に角、今はリアスの問題だ。 ・・・グレモリー家はリアスに何をさせようと言うのだ? まぁ、破談とか言っていたから大体想像は付くが・・・」
「はい。 純潔悪魔のフェニックス家との政略結婚にあります。 リアス様はそれを拒否して今回の様な行動に出たのだと思います。」
戒翔の言葉にグレイフィアが答え、次にリアスが口を開く。
「お兄様やお父様の約束では大学卒業までは好きにさせて貰う予定の筈よ? それなのに高校卒業間近になっていきなり結婚しろってどういう事なの? それに結婚相手は好きな人とって決めているの。 家の事情だからって理由で勝手に進められては私は困るの。」
「政略結婚・・・? あの馬鹿は魔王になりながらも一族すら抑制できないと言うのか」
リアスの言葉を聞き、戒翔は軽く頭を振り溜め息交じりに言葉を吐く。
「致し方ないのです。 サーゼクス様も旦那様の言葉には逆らえなのです。 実の父親なのですから」
「はっ、笑わせる。 ・・・良いだろう。 今回の問題はフェニックス家との縁談な訳なのだからそのフェニックス家を潰してしまえばリアスの婚約も無くなる訳だな?」
戒翔の言葉にグレイフィアは慌てる。
「いけません! その様な事をしてしまえばグレモリー家は勿論の事、戒翔様の身が他の悪魔達から狙われる事になるのですよ!?」
「戒翔、気持ちは嬉しいけど・・・今日はもう帰るわ。 あなたの事を少しは知れて良かったわ。 お休み」
「リアス・・・」
「あなたの事を知ったのだから私も少し話をしようかしら・・・何故今回の婚約を嫌がっていたのか」
「それはまた今度にしよう。 今のお前から聞いても意味が無い・・・絶望した様な目でいるお前では無く希望に満ち溢れ、自信に満ちた目をした時に聞いてやる。 勿論グレモリー家のリアスとしてでは無くただ一人の少女、リアスとしての話ならいつでも聞いてやる。」
そう言ってリアスの頬に軽くキスを落とす。
「なッ!?」
戒翔のした事に対してリアスは生娘の様な仕草で顔を赤くし言葉を無くした状態で口を開閉させる。
「グレイフィアも・・・頼むぞ?」
そう言ってグレイフィアには額にキスをする。
「はい・・・私も誠心誠意戒翔様に御仕えする身です。 リアスお嬢様の事はお任せください。」
そう言ってグレイフィアはリアスを伴い魔法陣で転移して帰って行ったのであった。
「・・・グレモリー家の者共は馬鹿なのか・・・? それとも悪魔の貴族が馬鹿なだけなのか? 自分の娘を政の道具としか見ていないとは」
一人ごちていた戒翔は取り敢えず明日の放課後にでも部室に行き対策を練ると答えを出して眠りにつくのであった。
えー、グレイフィアの立ち位置は一応はサーゼクスの女王なのですが、サーゼクスの女では無く戒翔の女と言う設定になります。 詳しい出来事はまた時間がある時に番外編の様な形で書きたいと思っていますのでご了承ください。