少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~   作:クロイツヴァルト

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不死鳥と時の御子と

 

 

 「戒翔、今日の予定って何かあるか?」

 

 「そうだな・・・、取り敢えずはお前らの訓練位じゃないか?」

 

 駒王学園に向かう一誠と戒翔の二人はそんな事を話していた。

 

 「戒翔、アーシアの事なんだけど・・・」

 

 「安心しろ。寮の方で快適に過ごしている。後はリアスの仲介で学園の方に転入予定だな。」

 

 「そっか、安心したぜ。」

 

 「なんだ俺が信用出来ていなかったのか?」

 

 「あ、いやそういわけじゃ・・・」

 

 「ふ、冗談だ。今日もあの馬鹿二人と騒ぐんだろ?」

 

 「騒ぐって・・・」

 

 「実際にそうなのだから否定できないだろ?女子の反感を買っているのだがな・・・。」

 

 「男同士の話をして何が悪い!おっぱいの魅力を語って何が悪い!!!!」

 

 「熱くなるのは構わないがそれだけ女子に嫌われる事になるのだがな。」

 

 戒翔の言葉に一誠が周りを見ればヒソヒソと話す女子生徒と小馬鹿にした様な表情の男子生徒がチラホラと見る事が出来た。

 

 「う・・・」

 

 「そろそろその性癖を大っぴらにするのはよした方がいい。既に手遅れかもしれんがな。」

 

 戒翔はそう言って先に学園に向かっていく。

 

 ――――――――――――――――――

 

 放課後、戒翔は一誠を連れてオカ研に向かっていく。途中で木場と合流する流れで義妹の白音を回収して向かう。

 

 「ここの所リアスの様子が可笑しい?」

 

 「御坂君ならその事情を知っているのかなって思ったんだけど?」

 

 部室に向かう最中で木場が戒翔に問い掛けたのはここの所、リアスの様子が考え事をしているのか終始上の空の状態を指している。

 

 「・・・さぁな。 大方お家の事情で悩んでいるのだろう・・・アイツが助けてほしいと言うのなら俺は惜しみなく助力をする。 勿論眷族としてでは無く一人の友人としてでな」

 

 戒翔の言葉に木場は苦笑する。

 

 「君は時として残酷なまでに優しい言葉を言うんだね」

 

 「それは違うと思うぞ、木場。 俺は優しくは無い・・・俺は殺戮者なんだよ」

 

 「それは・・・どういう」

 

 「・・・なんてな? そんな深い意味はないからな? ただ単に言ってみただけだ」

 

 木場が戒翔の寂しげな表情を見て聞き返そうとするが次に見せた戒翔の表情は先程の言葉が嘘の様に感じられ問い掛けようとしていた気持ちを萎えさせてしまう。

 

 「この僕がここまで近付くまで気配に気づかないなんて」

 

 「結界の様な物か・・・それともただ単に気配を最小にまで抑えているのだから無理は無いと思うが」

 

 部室の前に辿り着いた四人の中で木場が警戒の色を露わにして呟くが戒翔はその見知った気配に苦笑しつつもそう告げて木場よりも先にドアに手を掛けて部室に脚を踏み入れ、後ろから木場、一誠、アーシアの順で入ると部室内は重苦しい雰囲気の中で奥の机にはリアスが座りその斜め後ろには朱乃が、応接用のソファには白音が座り部屋の壁に面する場所には先日会ったグレイフィアが立っていた。

 

 「えっと・・・リアス部長・・・これは」

 

 「グレイフィア、あの後の事はどうなった?」

 

 言い淀む一誠を遮り戒翔が壁際に立ち尽くすグレイフィアを見て問いかける。

 

 「はい・・・サーゼクス様には戒翔様の事を伝えましたが、家の事なのであまり口出しをしないでほしいと仰っておりました。 一友人としてでは無く眷族としてならと・・・付け加えてですが」

 

 「・・・成程、アイツらしい回りくどいやり方だな。」

 

 「戒翔、それに皆も集まった訳だけど部活を始める前に伝えて置く事があるわ」

 

 「お嬢様、私がお話しましょうか?」

 

 戒翔の言葉を訝し気に聞いていた部員たちはリアスの言葉に視線を戒翔とグレイフィアから外しリアスに向ける。 その時にグレイフィアが代わりに話そうかと申し出を出すが軽く首を振り拒否をする。

 

 「実はね・・・」

 

 そう口を開きかけたリアスを遮るように部室の床に転移の魔法陣が光り輝く。

 

 「・・・いらぬ客が来たようだな。」

 

 不思議そうな表情をする一誠とアーシアの事を見て戒翔は分かるように口に出す。

 

 「え・・・どういう事だよそれ」

 

 疑問を口にする一誠を余所にグレモリー家の文様が唐突に変異を始め、一誠とアーシアの知らぬ魔法陣に変わっていく。

 

 「・・・フェニックス」

 

 「フェニックス? なんだそれ」

 

 慌てる一誠の横で木場が消え入りそうな言葉でそう呟くのが聞こえたのか聞き返す一誠。 そして変わり切った魔法陣からまた唐突に人が現れるのと同時に炎が噴き出して部室内を熱気が包む。

 

 「傍迷惑な演出だな。」

 

 自身の周囲に障壁を展開してグレイフィアを始めとした女性陣にもこの熱気が襲わない様に配慮する戒翔だが、木場と一誠は守られていないが、木場は顔を顰める程度だが、一誠は熱さと飛んでくる火の粉に慌てふためいていた。 そしてその炎の中に人影が生まれ、それが腕を横に振るうと炎は途端に消え去る。

 

 「ふぅ、人間界は久しぶりだ」

 

 魔法陣から現れたのは赤いスーツを来た二十代くらいの男性。 スーツを着崩している所為かネクタイもせずにシャツを胸の辺りまで開かせた状態の恰好で現れた。 そんな男がリアスを見つけると気障っぽい笑みを浮かべる。

 

 「愛しのリアス。 会いに来たぜ」

 

 そう告げてリアスに微笑んでいるが、対照的にリアスは男を半目で睨むようにしていた。 歓迎していないのは明白な筈の中、男は気にせずにリアスに近付き腕を取る。

 

 「・・・話してちょうだい、ライザー」

 

 途轍もなく低い声でリアスはライザーと呼ばれた男の手を振り払う。 その様子を見ていた一誠は震えあがり、アーシアはそんなリアスの姿に怯えたのか一誠の後ろに隠れて涙目になりながらも様子を窺う。 そして、手を振り払われたライザーは振り払われた事を気にせず苦笑していた。

 

 「「おい、あんt・・・あまり俺の主に対して不躾な態度は止めて貰おうか」

 

 意を決して口を開いた一誠だが、またしても戒翔に遮られ落ち込む一誠。 それをアーシアが慰めるが本来の主人公がこの様なのは同情を禁じ得ない。 そして戒翔の言葉を聞いたライザーは胡乱気な目で戒翔を見て口を開く。

 

 「あ? 誰、おまえ?」

 

 リアスと話していた時の口調とは違い不機嫌なまでの口調と男に対しては大体この程度なのかと戒翔は思案する。

 

 「リアスの眷族悪魔の御坂戒翔だ。 駒は特注らしくてな・・・兵士、戦車、騎士、女王そして王のどれでも無く守護者という役割だ。」

 

 「ふーん、特注の悪魔の駒を使った眷族悪魔ね」

 

 しかし、戒翔の言葉を聞いてもさしたる興味を示さずにライザーはは聞き流していた。

 

 「それで、貴様はなんだ? 眷族悪魔だとしても主の根城に現れたのなら自己紹介位できないのであれば程度が知れるぞ?」

 

 戒翔の言葉が癇に障ったのか口元を引き攣らせながらも余裕の笑みを崩さずにライザーはリアスを見る。

 

 「・・・リアス、俺の事、下僕たちに話していないのか? 転生者? それにしたってよ」

 

 「話す必要性が無いから話していないだけよ」

 

 ライザーの言葉にリアスはにべも無く断ち切る。 しかし、ライザーは苦笑するだけであった。

 

 「あらら、手厳しいねぇ。 ハハハ・・・一応自己紹介をして置こうか。 俺の名前はライザー・フェニックス。 栄えある純潔悪魔の血族にしてフェニックス家の三男だ。」

 

 「そして、ライザー・フェニックス様は上級悪魔にして爵位持ちであらせられます。」

 

 追記としてグレイフィアがライザーの紹介の追記を行う。

 

 「それと同時にグレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます。」

 

 グレイフィアの言葉に一誠が哀しみの絶叫を上げた。

 

 ――――――――――――――――

 

 「いやー、リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味しいものだな」

 

 「痛み入りますわ」

 

 朱乃のお茶を褒める男、ライザー。 いつにも増してにこやかな表情で対応している朱乃だが、表面上はにこやかだが、その内面はむしろその逆なのは部員全員が分かっている事である。 ソファに座るリアスとその隣につき肩を抱くライザーだが、何度もリアスに跳ね除けられるもそれを気にしていないのか肩だけに留まらず手や髪にまで手を出していた。 戒翔の横では一誠が肩を震わせながらライザーを睨み付けている。 その心情を隣にいた戒翔は察していたのか苦笑する。 そして暫くの間、木場とアーシアと一緒に一誠を宥めているとリアスが思い切りライザーの腕を払い除けてソファから立ち上がり口を開く

 

 「いい加減にしてちょうだい!」

 

 激昂したリアスの怒号が部屋全体に響き渡る。 しかし、間近で聞いていたライザーは変わらずにやけた表情でリアスを見つめていた。

 

 「ライザー! 以前にも言ったはずよ! 私はあなたと結婚なんてしないわ!」

 

 「あぁ、以前にも聞いたよ。 だが、リアス、そう言う訳にはいかないだろう? 君の所のお家事情は意外に切羽詰っていると思うんだが?」

 

 「余計なお世話だわ! 私が次期当主である以上、婿の相手ぐらい自分で決めるつもりよ! 父も兄も一族の者も皆急ぎ過ぎなのよ! 当初の話では私が人間界の大学を卒業するまでの間は自由にさせてくれる筈だったわ!」

 

 「その通り。 君は基本的に自由だよ。 大学を行くにしろ下僕を可愛がるにしろ・・・ね? ただ、キミのお父様もサーゼクス様も御家断絶が怖いのさ。 ただでさえ、先の戦争が最少の被害で抑えられていたとしてもそれでも純潔悪魔がたくさん亡くなった。 戦争を脱したとはいえ、堕天使、神陣営とも拮抗状態。 奴らとのくだらない小競り合いで純潔悪魔の跡取りを殺されて御家断絶したなんて話もない訳じゃない。 純潔であり上級悪魔の御家同士がくっつくのはこれからの悪魔情勢を思えば当然だ。 純潔の上級悪魔。 その新生児が貴重な事はキミだって知らない訳じゃないだろう?」

 

 一誠には理解できない話だが、戒翔はその会話を聞き敢えて口を出す。

 

 「下らないな・・・結局は血統を重んじる古い男と言う事なのだろう」

 

 「新参者の転生悪魔君には理解できないだろうけどこの話は悪魔側としては重要な役割の話なんだよ。 キミの様に人間からの転生悪魔が最近は幅を利かせているけど、それでは俺達古い家系である上級悪魔の立場が無い。 力にあふれているという理由だけで旧家と通じる者もいるけど・・・まぁ、それもいい。 新鮮な血も時には必要になる。 だが、純潔悪魔同士となれば話は別だ。 リアス、俺とキミは純潔を途絶えさせない為に選ばれたんだ。 俺の家は上に兄たちがいるから問題ない。 しかし、キミの所は兄弟が二人だけ。 しかもキミの兄君は家を出られたお方だ。 そうなるとリアスしかグレモリー家を継げる者がいないんだぞ? 婿を得られなければキミの代でグレモリーは潰えるかも知れない。 キミは長く続いた家を潰すつもりかい?」

 

 そして更にライザーが口を開こうとした所で戒翔がまた口を挿む。

 

 「結局はお前も怖いのだろう? 純潔悪魔の自分の血筋を消したくないからという方便を使い、グレモリーの血筋を己の血筋に組み込みたいだけ・・・ド三流の考えだな」

 

 「いい加減にしてくれよ・・・転生したばかりの下級悪魔風情が上級悪魔であるこの俺にそんな口を聞いていいと思っているのか!」

 

 真面目な話をしている所に所々で口を挿む戒翔の言葉にライザーは我慢の限界だったのか口調を荒げて戒翔を睨む。

 

 「・・・ライザー、私は家を潰さないわ。 婿養子だって迎え入れるつもりよ。」

 

 「おぉっ、さすがリアス! じゃあ、さっそく俺と」

 

 リアスの言葉を聞いたライザーは先程の不機嫌な様子を欠片も見せずににこやかに笑いリアスに近づこうとするが、次のリアスの言葉を聞いて立ち止まる事になる。

 

 「けど、あなたとは結婚しないわ、ライザー。 私は私が良いと思った者と結婚する。 古い家柄の悪魔にだって、それぐらいの権利はあるわ」

 

 そしてリアスの言葉を聞いて今までリアスに対してはにこやかな表情を変えなかったライザーが初めてリアスに対して不機嫌な表情になり舌打ちをする。

 

 「・・・俺もな、リアス。 フェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。 この名前に泥をかけられる訳にもいかないんだ。 こんな狭くてボロイ人間界の建物なんかに来たくなかったしな。 というか、俺は人間界があまり好きじゃない。 この世界の炎と風は汚い。 炎と風を司る悪魔としては、耐え難いんだよ!」

 

 そい言い放ったライザーの周囲を炎が駆け巡り、部屋の温度を急激に上げる。

 

 「俺はキミの下僕を燃やし尽くしてでもキミを冥界に連れ帰るぞ」

 

 告げたライザーは瞬間的に殺意と敵意を露わにして室内を満たす。 そしてリアスもまた応戦しようと前に進み出ようとした所で戒翔がリアスの肩に手を置く。

 

 「・・・戒翔?」

 

 「リアス、キミが我を忘れそうになるのはいかん。 キミは俺達の王なのだ。 どっしりと腰を据えて座っていろ。 後は俺に任せろ。」

 

 そう言って戒翔はライザーを睨む。

 

 「さて、我らが王を不躾な態度で愚弄した態度・・・改めて貰おうか・・・この焼き鳥野郎」

 

 そうして告げた戒翔の言葉に場の雰囲気が凍った。

 

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