少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~   作:クロイツヴァルト

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強化合宿はビンの中!?

 

 

 「ここが戒翔達が住んでいる所・・・」

 

 駒王町の外れに位置する建物の前に来たリアスは見上げる様にして呟く。

 

 「・・・なんていうか」

 

 「寮と喫茶店が合わさったような感じですね」

 

 一誠と朱乃はそう感想を漏らす。

 

 ※イメージとしてはリリなのの翠屋とネギまの学生寮が合体した様なイメージでお願いします。

 

 「大きいですね・・・。」

 

 「・・・そんな所にいないで入る」

 

 木場もまたリアスの様に見上げ、周りを見てそう呟くのであった。 そしてそんなメンバーを見て白音は先を施すのであった。

 

 ――――――――――――――――――――

 

 「ようこそ、皆様方。 祝福の森へ」

 

 そう一礼するのはゴスロリ風のメイド服に身を包んだミッテルト

 

 「あなたはッ?!」

 

 「今の私はこの祝福の森に住まわせてもらい働くメイドにございます。 どうぞこちらへ、主様がお待ちです。」

 

 そう言って空いている手でご案内しますと告げて建物の奥へと進む。 そんなミッテルトの言動と態度に面喰らって言葉を掛ける暇も無くリアスを始めとしたメンバー・・・勿論白音以外であるがいわれるままにミッテルトの後を追う。

 

 「あなた、戒翔に捕まった後どういう経緯でメイドになったの?」

 

 「主の采配の御蔭で私達は命を繋ぐ事が出来ました。 そして、この祝福の森で働きながら生きるという事を学べと言われて主の補佐役のアインス様のご教授を賜りメイドとしての仕事を私とカラワーナ、執事としてドーナシークは働いております。 言葉使いのレクチャーはグレイフィア様直々にお時間がある時に教わり今に至ります。」

 

 「グレイフィアが・・・?」

 

 道中で質問したリアスだが、淡々と答えるミッテルトから出た名前に驚き聞き返していた。

 

 「はい。 礼儀作法、主に対する心構え、そして接待する際に気を付ける事等多岐に渡り私達は今も学んでいる最中にあります。」

 

 そして、通路を更に歩き続けて辿り着いた場所は一際大きく重厚な扉が異様な存在感を醸し出しながらリアス達の目の前に現れる。

 

 「・・・なんか凄いわね。」

 

 「この中にお進みください。 私の案内はここまでですので」

 

 そう言ってミッテルトは扉の横にある液晶端末を操作し、最後に掌を当てるとその重厚な扉は音を立てずにゆっくりと開く・・・がその中は真っ暗で外からでは様子が窺えず、誰しもが尻込みをしていた。

 

 「お兄ちゃんが待っているからはやくしよ」

 

 そう言って白音はさっさと進み入口を潜り次第に暗闇の中に溶ける様にして見えなくなる。

 

 「・・・こんな所で止まっている訳に行かないわ。 皆、行くわよ?」

 

 そう告げてリアス、そして朱乃は足を進め、続いて木場、一誠と進み暗闇の中に入って行く。 そして全員が入るのと同時に入って来た入口が唐突に閉まり完全な暗闇に閉ざされる。

 

 「な、扉が!」

 

 しかし、一誠が叫んだ直後に部屋の一部に明かりが灯りある物が出現する。

 

 「・・・これはボトルシップ? けど、中身が全然違うわね・・・随分と細かい造りの建物が中に見えるけど」

 

 「り、リアス先輩!?」

 

 そう言って近づいたリアスの足下に突如魔法陣が現われてあっと言う間にリアスの姿が消え、一誠が叫ぶ。

 

 「ど、どうなってんだよコレ! リアス先輩は何処に行ったんだよ!?」

 

 「い、イッセーさん落ち着いて下さい!」

 

 慌てふためく一誠の横に立つアーシアはなんとか一誠を落ち着かせようとしていたが、次に白音がそのボトルシップ擬きの近くに立つとまたしてもリアス同様にその場から忽然と姿を消す。

 

 「ッ!? これは」

 

 「・・・なるほど」

 

 そしてその様子を見ていた朱乃と木場は理解したのか木場と朱乃も進み出てリアスや白音同様姿を消す。 そして他の部員が全員消えてしまった事に対して一誠は恐慌状態に陥りそうになるがアーシアがそんな一誠の手を握り落ち着かせる。

 

 「イッセーさん、多分ですけど皆さんはあの瓶の中に入ったのかも知れません。 それに皆さんの足下に現れていたのは多分ですが転移用の魔方陣です。 しかもあの瓶の近くに立つ事によって発動する物だと私は思います。 ですから私と一緒に行きましょう?」

 

 「だ、だけど」

 

 「私はイッセーさんと一緒ならなにも怖くはありません。」

 

 狼狽える一誠の顔を正面から見て言うアーシアの表情を見て次第に覚悟を決めたのか一誠は意を決してアーシアと共にボトルシップ擬きの前に立つ。 そして、一誠達の視界は暗転する。

 

 ――――――――――――――――――――

 

 「・・・は?」

 

 最初に感じたのは浮遊感だった。 そして次に感じたのは地に足を付けた感触と目蓋の上から感じる光であった。 そして一誠は恐る恐る目を開けて目の前の光景を目にした瞬間、間抜けな声が口から自然と出ていた。

 

 「何処だここはーーーーーッ!?」

 

 円柱の上に立ち、目の前には手摺りの付いた長大な通路・・・しかし、風よけも無しの吹き曝しの通路の為、下の景色が気持ちいい位に見渡せるために高所恐怖症の方にはオススメできない物である。 そんな中を一誠とアーシアは恐る恐る手摺りを掴みながら渡って行く。

 

 「一誠君、遅かったね?」

 

 長い長い通路を危なげなく渡り切った二人の前にはボロボロの恰好になった木場が二人を出迎え、そんな二人は木場の恰好に仰天した。

 

 「なッ!? 木場、どうしてそんなにボロボロな格好になってんだよ!? 一体全体どうなってんだ!?」

 

 「木場先輩、今すぐ癒しますね!」

 

 驚く一誠と両手に女神の微笑みを顕現させたアーシアは木場の治療に急いで取り掛かる。

 

 「いやぁ、着いて早々に御坂君に挑んだけど返り討ちに合ってこの様でね? 僕の専属顧問になる相手を連れて来るって行ってあのお城の中に入っていったんだよ。 部長たちも専属顧問が来ない間は下のビーチで海水浴でもしてるんじゃないかな?」

 

 「・・・部長達の水着姿を見に行かなければ!?」

 

 木場の言葉に一誠は目を見開き、下に降りるための階段を見つけて降りようと走り寄ろうとするが、視界の端に光る物が映り咄嗟的に映った先に向いた一誠の目の前に三十センチほどの人形が鉈を自身に目掛けて振り下ろす所であった。

 

 「わぁッ!?」

 

 反射的に屈んだ一誠だったが勢い余って無様にこけてしまう。

 

 「ケケケ、ナンダセキリュウテイッテノモコンナモノカ?」

 

 襲って来た人形らしき物は地面に着地した後に鉈を肩に担ぎ嘲笑と呆れの混じった声で喋る。

 

 「な、何なんだお前は!」

 

 尻餅をついた格好のまま、一誠は堪らず声を荒げて言う。

 

 「ン? ゴシュジンカラキイテナイノカ? オレハ「チャチャゼロ」 オ、ゴシュジン!」

 

 聞かれて不思議そうに首を傾げるチャチャゼロに対して上から声が聞こえチャチャゼロの横に降り立ったのは西洋人形の様な顔立ちとゴスロリ服を纏った恰好に長い金の髪を靡かせ、血の様に紅い瞳で一誠を見やり呆れた溜め息を洩らす。

 

 「・・・こんな小僧をこの私が指導しないとならないのか」

 

 「き、キミは?」

 

 戸惑い気味に一誠の横に駆け付けていた木場が聞く。

 

 「私の名はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル・・・兵藤一誠、貴様を鍛える様に頼まれた者だ」

 

 そう不遜な態度で木場の疑問に応えたエヴァンジェリンと自ら名乗った少女は城の方を向き少し息を吸うと・・・

 

 「戒翔!!!! さっさと出て来んか!!!!」

 

 一誠と木場が委縮しそうなほどの声量が小柄な少女とも呼ぶべき者は何処にそれだけの声が出るのか不思議に思うのであった。

 

 「そんなに叫ばなくてもいいだろうが・・・キティ」

 

 「だからその名で呼ぶなと言っているだろうが!?」

 

 唐突に現れて戒翔はめんどくさそうに頭を掻きながら紡いだ言葉の中に少女の中のなにかの琴線に触れたのか少女は叫びながら殴り掛かるが、簡単にいなされた上に首根っこを掴まれ、猫の様な状態で戒翔の手の中に収まってしまう。

 

 「さて、一誠にアーシア・・・ようこそ、俺の別荘へ」

 

 「・・・別荘? てかそもそもここは」

 

 「ここはお前が見ていたあのボトルシップ擬きの魔法具ダイオラマ魔法球の中だ。」

 

 「ダイオラマ・・・?」

 

 「・・・お前に説明した所で理解できるとは思えんから説明は省くが一ヶ月をこのダイオラマ魔法球の中で修行をする。 この中は別荘でありながら修行を行う場所としても確立した場所だ。 勿論、この中から出れるのは一か月後に設定しているからその間はみっちりと扱いてやるからな?」

 

 疑問に思っていた一誠の言葉に戒翔は答えるが、戒翔の言った言葉を聞いた瞬間に一誠は慌てる。

 

 「ちょ、ちょっと待ってくれ! 一ヶ月もいたらレーティングゲームに間に合わないぞ!?」

 

 「まぁ、そこは全員集めて話した方が早いか・・・おーい、三人共上がって来ーい!」

 

 慌てる一誠を尻目に戒翔は苦笑して眼下にいるリアス達を呼ぶ。

 

 ――――――――――――――――――――

 

 「さて、改めて紹介しよう。 このダイオラマ魔法球を管理している俺の義妹のエヴァとその従者をしているチャチャゼロ、そしてその身の周りを世話している茶々丸だ。」

 

 暫くして上がって来た三人と一誠と木場、そしてアーシアの六人を伴って戒翔は城の中にある応接室にオカルト研のメンバーを通し、自身はその応接室にある一際大きな椅子に腰かけてオカルト研のメンバーとは違う者達を紹介する。 先程のゴスロリ服を着た少女と、人形の様な恰好のチャチャゼロ。 そして他のメンバーが見かけていなかった長い緑色の髪にメイド服という恰好だが、メンバーはその中でもひときわ気になる部分があった。 それは耳のある場所から伸びる板状の物が生えていた事に疑問を感じていた。

 

 「あの・・・その茶々丸さんはいったい・・・」

 

 「ん? まぁ、隠す事でもないが茶々丸はアンドロイド・・・いや、ガイノイドとでも呼ぶべき者だ。」

 

 恐る恐る聞くリアスに戒翔は呆気らかんとした表情で告げるが、告げられた当人達は驚きを露わにする。

 

 「あ、アンドロイドって・・・ロボットッ!?」

 

 「だから正式にはガイノイド・・・アンドロイドやロボットと違い機械と魔法を組み合わせて作り上げられた者だ。 動力は空気中にある魔力素を取り込みエネルギーに変換する事により半永久的に稼働し続けられる。」

 

 驚く一誠の言葉に訂正を挟み告げる戒翔にリアスが疑問をぶつける。

 

 「驚く事ばかりで疑問が尽きないけど、先ず聞きたいのはここがさっきまでわたし達が見下ろしていたボトルシップの様な物の中なのは確かなの?」

 

 「そうだな・・・このダイオラマ魔法球は時空間系の魔法と圧縮魔法、そして収納魔法の様な物を複合統合した所謂魔法アイテムと言った物だ。 そしてここの時間の概念は外の世界とはまったく違う。 簡単に説明すれば逆浦島太郎といったところだ。」

 

 「・・・どゆこと?」

 

 戒翔の説明に対して一誠が既に耳の所から煙を上げだして処理落ち寸前に陥っていた。

 

 「仮に、ここでの一日は向こうでは十分となるって事だ。 だからその特性を生かして十日間の間はこの魔法球の中でみっちりと修行をしてもらう。 一応設定は弄って、向こうで期日の十日までは出れないがその分現実世界での時間に縛られずにじっくりと修行が出来るわけだ。 で、修行場所は山岳地帯、寒冷地帯、熱帯地帯、海、空、そして俺かエヴァまたはお前達の専属顧問の誰かがついていて初めて行ける場所である魔獣等が住む魔境地帯・・・ここでの修行の最中にはこのリストバンドを両手両足に付けてもらう。」

 

 そう言った戒翔に対して茶々丸が動き、トレイの上に置かれた四つで一組になるように置かれたリストバンドは全て同じ配色の黒で統一された物を皆が受け取るのを確認した戒翔は口を開く。

 

 「さて、受け取ったな? ではまずは今代の赤龍帝である一誠は兎に角その神器の覚醒をしてもらう。 木場、お前は剣術に対して理解がある様だ・・・だから今の我流を更に洗練させる為にこいつを呼んでおいた。」

 

 そう言って戒翔の後ろに魔法陣が煌めき、中から現れたのは白髪のメイド服に眼鏡を掛けた女性が立っていた。 そしてその腰には二振りの小太刀を差していた。

 

 「彼女は月詠・・・神明流の使い手で木場、お前の専属顧問だ。」

 

 「月詠と申しますぅ、宜しゅうなぁ?」

 

 スカートの端を摘み貴族の令嬢の様な挨拶をする月詠。

 

 「で、リアスと朱乃は魔法戦が主になるから・・・エヴァが二人の専属顧問だ。」

 

 「ふん、この私が教えるのだから泣き言は聞かんからそのつもりでいろ。」

 

 ふんぞり返って不遜な態度と物言いにリアスと朱乃はエヴァを訝しげに見る。

 

 「言っておくが、外見で判断するなよ? エヴァはそんな身なりだが真祖の吸血鬼だ。 上級悪魔は勿論の事だが、魔王級に匹敵する力を持っているから盗める技術があればどんどん盗め。 その暇があればだがな?」

 

 「「「・・・は?」」」

 

 リアス、朱乃、木場の三人はその言葉の意味する所を理解したが呆けたような表情と声を出す。 アーシアは驚きの余りに硬直し、一誠は良く分かっていなのか首を傾げていた。

 

 「さて、アーシアは僧侶として後方からの援護が主になるからな・・・初級呪文ならここでも習得できるから・・・俺が教えるか・・・それと一誠は神器の覚醒が終わったら、白音と一緒に俺の所に来い。」

 

 一同を見回してニヤリと戒翔は笑い

 

 「これより一ヶ月の間の強化合宿を開始する!」

 

 そう宣言するのであった。

 

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