少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~ 作:クロイツヴァルト
「さて、アーシア。 君の神器【女神の微笑み】は回復特化の物・・・それだけだとレーティングゲームでは一番先に狙われる。 どうしてだか分かるか?」
「・・・分からないです。」
城の一角の室内にてテーブルを挟んで戒翔がホワイトボードの前に立ち、アーシアが座って戒翔の質問に答えていた。
「戦いとは常に補給元を断つ。 兵法の基本中の基本だ。 そしてその補給元は回復役であるアーシア、君になる訳だ。 先ずは回復させる箇所を指定する事や範囲を拡大したりなど応用を出来る様に将来的にはなって貰う訳だが、先ずは自衛手段を持ってもらう。 アーシアは回復役としては最良だが、戦力としてみた時には俺達眷族の中では一番下に位置する。 だから先ずは初級魔法を覚えてもらう。」
そう言って戒翔はホワイトボードに色々と書き込んでいく。
「初級魔法・・・ですか?」
「あぁ、俺の使う魔法はアーシア達の知る物とはまったく別物だ。 先ずは始動キーは簡単な物で【プラクテ・ビギナル】だ。 この始動キーは後から変更可能だ。 先に言っておくが先程の始動キーは初心者用の物だから自身にしっくりとくる物にした方が一番だ。 俺の場合は【ギルガル・ギルディ・ギ・ギルディアス】だ。 覚えやすい物や簡素な物なんでもいい。 覚えておくと良い」
「はい!」
「では続けるぞ? 今から渡す物は初心者に支給される魔法杖・・・折り畳み式で簡単に扱えるが、初級以上の魔力を籠めると簡単に壊れてしまうから魔力のコントロールにも使える様になっている。 これは俺特性の物だからそういった仕様だが、本来の物であればそう簡単には壊れないが修行の一環として考えてくれ」
戒翔は星の形をした頭を持つ指揮棒の様な物をアーシアに手渡す。
「可愛いですね」
「まぁ、デザインは多岐に渡るが・・・一般的なデザインはコレになる。」
手渡された杖を見てアーシアが呟いた言葉に苦笑しながら戒翔は説明を続ける。
「先ずは始動キーを唱えた後に【火よ灯れ】と唱えてみろ。 イメージはマッチやライターで火を点ける感じだ」
「はい! プラクテ・ビギナル・・・【火よ灯れ】!」
そう唱えたアーシアの杖の先にはライター程の火が灯る
「で、出来ました!」
「一発で成功したか・・・これは中々」
成功した事にはしゃぐアーシアを見て戒翔は唸る
「これならば初級魔法の魔法の矢を習得するのも早いか・・・アーシア、先ずは魔法が発動した時に生じる魔力の流れを把握する。 そしてそこから指向性を持たせる。 それが出来れば発動をしつつ別の魔法を使えるようになる。 これは俺の特殊技能にもなるが・・・
「・・・魔法にも色々とあるのですね?」
「そうだ。 魔法はその用途だけで使い道が数多にある。 それは戦闘用だったり生活に役立つ物、治療に役立つ物などがある。」
順にボードに書いていく戒翔を見ながらアーシアは頻りに頷く。
「では、魔力の流れを感じ指向性を持たせる様に出来たら魔法の矢や補助魔法等の習得に時間を割く・・・無理なら無理と言えよ?」
「大丈夫です! わたしだけ皆さんのお力になれないなんて、そんなの嫌ですから。」
「・・・そうか、なら覚悟しておけよ? 誰にもお前が弱いなんて言わせない様に俺が鍛えてやる」
そうしてアーシアに対して戒翔主導の魔法修行は続いて行く。