少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~   作:クロイツヴァルト

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不死鳥の罠

 

 

 レーティングゲームの開始日になり、戒翔達は部室にて待機していた。 白音は指の所だけが剥き出しになっているフィンガーグローブを填めて調子を整えてお菓子を頬張り、木場は精神統一の為なのか椅子に座り目を閉じていた。 リアスは優雅に紅茶を嗜み、朱乃はそのリアスの斜め後ろに立っていつもの笑顔を浮かべている。 問題の赤龍帝である一誠はガチガチに緊張しており、手持無沙汰に部室内をうろうろしていた。

 

 「兵藤、落ち着きが無さ過ぎる。 男なら腰を落ち着かせて威風堂々とは言わんが待てないのか?」

 

 「我が主。あの少年は最近まで一般人だったのですからそれは無理な事では無いのですか?」

 

 「アインスは兵藤に少し甘い。 甘くすれば直ぐに調子に乗るから 「アインスさん、俺の事を」 ほらな?」

 

 「その様ですね・・・。 兵藤一誠、私は我が主にしか仕えぬし男性としても君に興味を持つ事は皆無だ。」

 

 壁に凭れている戒翔とその戒翔の側に佇むアインスの会話に一誠が入って来るがアインスの言葉に項垂れる。

 

 「こんな銀髪美人のお姉さんに慕われている上に家の中でも平然と女性と一緒にいるとは・・・イケメンが憎いッ!」

 

 怨嗟の様な声色で一誠が何かを呟いていたが戒翔はそれをスルーして時間を見ると開始時間である夜の九時を指す10分前であった。

 

 「・・・来たか。」

 

 そう言った戒翔の言葉と共に部室の真ん中にグレモリー家の魔方陣が輝くのと同時にグレイフィアが姿を現す。

 

 「お時間となりましたのでお迎えに上がりました。 皆様、準備はお済になられましたか? 開始10分前です。」

 

 グレイフィアが確認を取るのと同時にメンバーが立ち上がり、壁際にいた戒翔達が近付くのを確認して説明に入る。

 

 「開始時間になりましたら、ここの魔方陣から戦闘フィールドへ転送されます。 場所は戦闘用に作られた異空間の世界。 そこではどんなに派手な事をしても構いませんが、戒翔様に関しては幾分か威力を抑えて頂かないと空間に亀裂が起きる可能性も考えられますのでご注意ください。 それ以外の事に関しましては特に変更はありませんので思う存分にどうぞ。」

 

 「・・・最初の時に約束した事とだいぶ違う気がするが?」

 

 「申し訳ありません。 しかし、戒翔様の場合になりますと並の術者の作った異空間で強力な魔法を使われますと壊れかねない為の処置になります。 この事は魔王様が懸念していた為にこのような処置を致しました。」

 

 「・・・そうか、アインス。」

 

 「はい、我が主」

 

 「魔力の制限を掛けて融合(ユニゾン)をする。 調整は任せた。」

 

 戒翔の告げた言葉にアインスは臣下の礼を取る。

 

 「仰せのままに。 私は我が主と共に」

 

 「バハムートも今回はナハトを表層に出しておいてくれ。 念には念を・・・魔力が抑えられようともやりようは幾らでもあるという事を相手に教えてやろうか。」

 

 《allright》

 

 「今回の【レーティングゲーム】は両家の皆様も他の場所から中継でフィールドの戦闘をご覧になります。」

 

 その言葉に隣にいた一誠が驚きの表情をしていたが、戒翔はそれを無視し、グレイフィアの言葉の続きに傾聴していた。

 

 「さらに魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておられます。 それをお忘れなき様に願います。」

 

 「お兄様が? ・・・そう、お兄様が直接見られるのね」

 

 「・・・成程、あの男も見ているのか・・・なら少し派手に、そして完膚なきまでに相手を叩きのめしてやろう」

 

 グレイフィアの言葉にリアスは目を見開き言葉を洩らし、戒翔は不敵な笑みと共に凄みのある表情になる。

 

 「・・・なぁ木場、色々と起こりすぎて驚くことが出来ないんだけど・・・戒翔の表情が凄い事になっているけど」

 

 「そこは触れてしまうのが一誠君なんだよね。」

 

 呆れた表情をしている木場を不思議に思っていると背後から寒気がしたため、とっさで頭を下げると頭上を何かが通り過ぎる・・・あっぶねぇ!

 

 「兵藤・・・あの焼き鳥を殺る前に貴様を殺った方が良いのか?」

 

 一誠の言葉が癇に障ったのかとてもイイ笑顔の戒翔は両の手の指に挟んだ血の色をしたダガーを見せつける様にして問う。

 

 「あはは・・・すんませんでした!!!!」

 

 戒翔の笑っているけど目が笑っていない顔を冷や汗を流しながら乾いた笑いを上げていた一誠だが、途中で土下座を敢行してなんとか事なきを得たのである。

 

 ――――――――――――――――

 

 「それではそろそろお時間となりますので会場に移らせて頂きます。 尚、時の御子である戒翔様に関しましては魔王様からこのアクセサリーを身につける様にと言付けを受けております。」

 

 そう言ってグレイフィアが差し出した銀の細工が施された腕輪を戒翔は納得の上で受け取り左腕に装着する。

 

 「・・・確かに魔力をかなり抑えられる様だ。 他にも効果がありそうだし、今度造り方でも教えてもらうか。」

 

 「お望みとあらば」

 

 「その時になってから話をするとして・・・リアス、朱乃、兵藤、木場、白音・・・先ずはお前達がどれだけ強くなったのか実感して貰う為にフェニックスの眷族と戦ってもらうが、ライザーは俺がもらう。 アイツは俺の逆鱗に触れる言動をしたからな・・・無知な事を後悔させてやる。」

 

 戒翔は後ろに振り向くとオカ研のメンバーを視界に収めて口を開き最後にそう締め括り凄絶な笑みを浮かべる。 それを目にした面々は知らず冷や汗を掻いていた。

 

 (((あ、これは死んだかも)))

 

 そうオカ研のメンバーは敵であるライザーに同情を禁じ得なかった。

 

 「それでは転移をはじめます。」

 

 そうして戒翔達は教室から転移する。 しかし、そこである不具合が起きる。

 

 「・・・これは」

 

 ただ一人、戒翔だけは転移した先が部室では無く荒野の様な場所で至る所に刀剣が無数に刺さりまるで墓標の様であった。

 

 「てめえが御坂戒翔だな?」

 

 「・・・貴様は誰だ?」

 

 戒翔の目の前には褐色の肌と真紅の瞳を持つ男は黒いバトルスーツを着込み上に赤いマントの様な物を羽織って立っていた。

 

 「俺の名は水鏡シロウ・・・貴様と同じ転生者だが、分け合ってフェニックスの依頼を受けて貴様の相手をする事になっている・・・なんの能力を持っているか知らないが早々に退場して貰う!」

 

 そう言って褐色の男、シロウと名乗った転生者は手に黒と白の一対の片手剣を手にして戒翔に襲い掛かるのであった。

 




ライザー戦の筈が転生者との戦闘になってしまった・・・読んで直ぐに分かった方もいると思いますがどういう風に展開していくのか書いている作者自身にも予想がつきませんので温かく見守って下さると嬉しいですm(_ _)m
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