少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~ 作:クロイツヴァルト
「お、お1人でこの人数を相手にどう戦うと」
「言ったはずだ。 隔絶した格の違いを見せてやると・・・さぁ、どこからでも掛かって来い!」
戒翔の放つ威圧に怯えながらも気丈に言い放つ少女だが、戒翔はそれを意に介さず一喝する。
「なら最初は」
「わたし達から!」
そう言って獣人の少女二人が戒翔に迫る
「・・・なんだ、たった二人だけか?」
迫る二人に対して戒翔はつまらなそうに呟くのと同時に手をおもむろに動かし
「爆ぜろ」
「「きゃぁっぁぁぁぁ!?」」
そう告げるのと同時に二人の獣人の足下が爆発する。
「どうした・・・この程度の実力で俺に挑むのか?」
「クッ! ならカーラマイン、シーリス、イザベラ! ニィとリィと共に行きなさい!」
「「「はッ!」」」
少女の言葉に応じて五人が時間差で攻撃を仕掛ける。 戦車であるイザベラ、騎士のカーラマインとシーリス、兵士のニィとリィはそれぞれ得意な方法で戒翔に迫る。
「・・・五人といわず纏めて全員で掛かってくれば手間が掛からずに済むのだがな・・・」
イザベラのラッシュを紙一重で全て避け、カーラマインとシーリスの斬撃を片手に持つ大剣を尋常では無い速さで動かし全ての斬撃を受け流し、ニィとリィの獣人姉妹の攻撃をもう片方の腕のみで受け流す。
「ご、五人掛かりでも掠りもしないなんて・・・!」
「この程度なのか・・・? なら、今度は俺の番だな!」
今まで捌き続けていた攻撃を大きく避けるのと同時に五人を風の魔法を使用して一瞬で少女の目の前まで吹き飛ばす。
「避けるも受けるも勝手にしろ。 まぁ、無駄に終わるだろうが」
大剣をカード状にし、剣とは違う杖の様な物を展開する。 それと同時に足下にはベルカ式とミッド式の混合魔法陣が展開される。
「【契約に従い、我に従え、炎の覇王。来たれ、浄化の炎、燃え盛る大剣。ほとばしれよ、ソドムを焼きし火と硫黄。罪ありし者を死の塵に。】 フェニックスの眷族ならこの程度の火炎系殲滅呪文耐えて見せろ! 燃える天空!」
振り翳した杖の先端から一条の光線が走り、ライザー眷族たちの間に着弾するのと同時、眩い閃光が辺りを埋め尽くす。 そして、次の瞬間空間が揺らいだと錯覚するほどの爆発と衝撃が結界内に起こった。
「・・・む、出力を間違えたか? 今のでリタイアしてないよな?」
『ライザーフェニックス様の僧侶一名、兵士三名リタイア』
「って事は騎士と戦車は残った訳か? あ、女王もか・・・僧侶一名? 一人足りないか?」
グレイフィアの報告を聞いて戒翔は渋い表情をしていた。 が、煙の中からボロボロの状態であるが何とか無事なのは命令を出している少女と女王のユーベルーナだけである。
「な、なんて出鱈目な威力ですの!?」
「この程度で驚くのか? まだ上があると言うのに・・・火でこれくらいならこれならどうだ?」
足下に展開したままの魔方陣が再び輝きだす。
「な、何を・・・」
「【契約に従い、我に従え、氷の女王、来れ、永久の闇、永遠の氷河】!」
「なッ!? フェニックスである私に氷雪系の呪文など!」
「三千フィートを一瞬で凍てつかせる広域殲滅呪文だ。 フェニックスといえど絶対零度を融かす事が果たしてできるかな? 【生ある者には等しき死を、其は安らぎ也】」
「ひッ!?」
戒翔の呪文が完成する前に少女は背中から炎の翼を出して空へと逃げるが、女王以外の戦車と騎士は叶わず、氷の棺に閉じ込められてしまう。
「【凍る世界】 ワードが違っていればこのまま砕けて終わりだが、あくまでもこれはゲーム・・・殺しはしない。」
戒翔が話をしている最中で氷の棺に捕らわれ、彫像と化した三名が光となってゲームフィールドから転送される。
『ライザーフェニックス様の騎士二名、戦車一名リタイヤ』
「さて、残るはお前達二人だけだ。」
グレイフィアの声を聞きながら戒翔は空に浮かぶ二人を見つめる。
――――――――――――
「クソッ! あの男がやられたと言うのか!? しかも見た事も無い魔法で一瞬で四人も倒すとは!」
新校舎の生徒会室にふんぞり返って戦況を見ていたライザーは突如現れた戒翔に対して悪態を吐いていた。
「・・・まぁいい、奴が現れたとてリアスさえ取ってしまえば此方の勝ち。 女王の雷の巫女以外は取るに足らない存在なのだからな。」
そしてライザーはおもむろに生徒会長が座る豪華な椅子から立ち上がり
「来たようだな・・・些か人数が多い様だがどれだけ束になってもこの不死鳥のライザーが敗北する事が無いと言う絶望を教えてやるさ。」
ライザーはそう言って生徒会室から出てリアス達を迎え撃つ為に行動を起こす。
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「さてさて、たった二人でどう俺と戦う?」
「くッ! ・・・わたくし達の負けですわ。」
「・・・は?」
「ですから、この私はお兄様の頼みもあって眷族をしていますが戦う事は一切しませんの。 で、残るのは女王のユーベルーナだけでは戦いにすらなりませんもの。 自己紹介が遅れましたが私、ライザー・フェニックスの妹のレイヴェル・フェニックスと申します。 以後、お見知りおきを」
「・・・お兄様? あの馬鹿鳥、実の妹を眷族にするってどういう神経だ? あのハーレム状態の中に入れるか普通?」
「理解し難いですが、妹をハーレムに入れる事は世間で流行っている様で、憧れたり、羨む者が多いと言う理由からの様ですわよ?」
「・・・やはりただの変態か? 早々にお灸を据えに行くか・・・。」
少女、レイヴェルの言葉に戒翔は頭痛を覚えるかのように頭を軽く押さえて呻く。
「たとえ、私一人だとしても貴方を止めて見せる!」
「良い気概だ。 なら、特別に俺のとっておきを見せてやろう!」
「爆弾女王・・・私は嫌いですが、その異名通りの魔法をその身に喰らいなさい!」
直後、戒翔の周辺の地面が一斉に爆ぜる。 そしてその後も断続的に爆発が立て続けに起こり、戒翔のいる位置の周辺は土煙により視認しづらい状況になっていた。
「ケホケホッ! ユーベルーナ、少しは考えて爆破しなさい! 煙がこちらまで来て煙たいですわよ!」
「すみません、妹様。 ですが」
「手加減なんてしても俺は倒せないからな・・・」
「今ので無傷だと言うのですか!」
「じゃぁ、次は俺の」
『リアス・グレモリー様の騎士一名、戦車一名リタイヤ』
番だと言おうとした所、グレイフィアのアナウンスが結界内に木霊する。
「木場と白音が負けた・・・? 油断でもしていたのだろうな。 反省会の際に説教だなこれは・・・。」
グレイフィアのアナウンスを聞いて戒翔は静かにそして最後の方は呆れながらも木場と白音に対して密かに高町流お説教術御坂式が下される事がここに決定した。
「やはりお兄様には勝てない様ですわね? 残るのはリアス様と女王に治療するだけの僧侶とあの赤龍帝の兵士だけですわ。 リアス様や雷の巫女ならともかく、あの兵士の子がお兄様に勝てるかしら?」
「さぁな、それはやってみなければ分からん。 一誠はああ見えて根性もあるし、熱血漢だからな。 自分を曲げない奴は・・・強いぜ?」
そう言って戒翔はユーベルーナに顔を向け
「さて、待たせて悪かったな。 続きと行こうか!」
そう言って戒翔は両手に魔法陣を展開するのと同時に自分の後ろに数百数千もの電撃を帯びた魔力球が現れる。
「んなッ!? なんなのそのバカみたいな数は!?」
「今の俺がこのフィールドで使える魔力の三割ほど注ぎ込んだ魔法だ。」
《photonlance phalanxshift》
「撃ち砕け!」
《fire》
戒翔の言葉に応じてその背に待機していた魔力球から一斉に槍条の魔力弾がユーベルーナに向かって殺到する。
「こ・・・のッ! きゃぁぁあぁあああぁ!?」
咄嗟的に防御用の魔方陣を展開するユーベルーナであったが、その膨大な数の魔力弾を防げるはずも無く瞬く間に魔法陣に亀裂が入り、次の瞬間には雷撃の魔力弾の波に吞まれてしまった。
『ライザー・フェニックス様の女王リタイヤ』
「おし、これでこっちは終わりか。」
「あ、貴方ほどの方がどうしてリアス様の眷族に・・・?」
「さぁ、な。 成り行きとも言えるし、変態だが親友が悪魔になって今も頑張っているんだ。 俺も頑張らない訳にはいかんだろう? それに」
「それに・・・?」
「泣いている女の夢を叶えてやりたいと思っちまったんだ。」
新校舎の上で戦っているリアス達を視界に収めながら戒翔は後ろに待機状態にいる魔力球をその手に集め、巨大な一本の槍に形成する。
「だから、その為ならば」
「お待ちなさい! これは純潔同士の意義のある婚約なのですわよ! それをどうして!」
「関係ないな。 俺はただ俺のやりたい様に・・・主の夢を護る・・・ただそれだけだ。」
膨大な魔力で出来た雷の槍に気付いたのか新校舎の上にいたリアス達は慌てて校舎の中に退避し、それを見たライザーは驚きの余りに驚愕の表情を浮かべたまま固まっていた。
「ここで見てろ。 自慢の不死が理不尽な一撃の下で消え去る所を」
《spark end》
電子音声と共に手にあった雷槍を振り被って投げるのと同時に轟音と共に新校舎の上部が爆音を伴い蒸発し、結界にひびが入る。
「あ、ヤリ過ぎたか?」
「き、規格外すぎますわ・・・」
『ライザー・フェニックス様投了、よってこの勝負リアス・グレモリー様の勝利となります。』
「奴に言っておけ・・・文句があるのならいつでも来い。 相手になってやるってな。」
光と共に消えるレイヴェルに対して戒翔は言い放つ。
「あなたは・・・」
最後まで言う事は無くレイヴェルは光と共にフィールドから消える。 それと同時に戒翔の足下にも転送用魔法陣が現われ、光に包まれてその場から消えるのであった。