少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~ 作:クロイツヴァルト
「き、貴様! 何者だ! 聖剣を大人しく渡せ」
「邪魔立てするな」
とある教会にて賊に侵入を許した悪魔祓い達はその場で全員が何者かに斬り殺され、七つに分かたれた聖剣の内の一つ、
「原作では単独じゃ登場しなかったが、その能力は凶悪の一言に尽きる。 祝福の名にふさわしく魔に連なる者を弱らせ、装備者には恩恵を与え敵対者には不幸を与える。」
銀髪の男は周囲に倒れ伏す悪魔祓いだった者達を見下ろし
「俺の踏み台としてその命を糧とさせて貰うぞ。 モブ共が」
そう言って男は教会を後にする。 そして男が去ってから他の教会関係者が駆けつけた時には男の姿は無く、悪魔祓い達の遺体が雑に積み上げられ、その遺体の上に逆十字になるように悪魔祓いの体で作られているという狂気の様な所業に駆け付けた悪魔祓いはその場で嘔吐してしまう。
「な、何が起きたのだ」
「せ、聖剣がありません!」
狼狽える悪魔祓いの一人が辺りを見回していると奥を捜索していた同じ悪魔祓いの男が悲鳴染みた声を上げる。
「な、なんだと!? 失われた支配の聖剣と同等かそれ以上と危険視されている聖剣が賊に奪われたと言うのか!?」
「早く本部に連絡を入れろ!
「り、了解しました!」
そう言って現場から急いで退魔士達の大元であるヴァチカンに連絡を入れる
「これでプロテスタントの方も含めて残っている聖剣は僅か二本か。 奪われたのは【天閃】【夢幻】【透明】【祝福】の四本。 いったい何が起きていると言うんだ」
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「ふふふ、祝福の聖剣は確かに手に入れたけどコレ単独じゃどうしようもないし・・・どうしよっかな? 確かコカビエルが駒王市で戦争を起こすとか言って聖剣を奪いながら向かっていたかな?」
片手に聖剣を携え、反対の手には何か機械の端末を弄りながら男はこれから起きる事象を確認していく。
「あのフリードがやられた所へ核を奪って祝福に移植して統合してやれば確実に本来の聖剣に近づくかな? 【支配】はどうしようもないから他の聖剣を回収して完成させよう。 あぁ、早く完成させた聖剣で他の転生者達と戦ってみたいなぁ」
そう言って男は森の闇の中に溶ける様にして消えていくのであった。
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「・・・ミカエル、もう一度頼む。 俺の聞き間違いでなければ聖剣が奪われたと聞こえたが?」
「嘘では無いよ。 プロテスタントとカトリックに残る二本の聖剣以外は全て奪われてしまったんだ。」
「それで、俺に連絡を入れて来たのはどういった理由だ? 彼女の事は俺が一番知ってはいるが、それは大昔の話だ。 お前達の問題に首を出す程俺も暇では無いし理由も無い。」
「・・・奪った犯人は割れている。 グレゴリの幹部の一人、コカビエル。」
「あぁ、あの戦争狂か。」
「その他にはぐれ悪魔祓いが多数が彼に触発されて動きを見せている。」
「どうでもいいが、俺に話してどうして欲しいんだ?」
「彼らの目的地はキミの住んでいる駒王市の様なんだ。」
「・・・なんだと?」
ミカエルの言葉に戒翔は目を細める。
「正確には駒王にあるモノに興味を持ってその地を標的にして戦争の火種にしようという魂胆だろうね。」
「舐めた事をしてくれるな。 俺だけに任せるのならそれなりの対価を要求するが?」
「一応だけど、有能な悪魔祓いを二名だけになるけど派遣する事を決定した。 その二人は【破壊】【擬態】の二本の聖剣を持たせている。」
「たった二人? しかも聖剣を持たせて・・・使えるのか? 鴨が葱を背負って来たなんてことにはならんよな?」
「わたし達の方でも腕利きの者を向かわせていますから問題は無い筈です。」
戒翔の言葉にミカエルが答える。
「だと良いんだがな。 コカビエル程の奴を殺るのに二人だけの増援・・・リアス達には知らせて大丈夫か? 一応は駒王市はグレモリーの管轄区だからな」
「構わないけど、大丈夫なのかい?」
「俺を誰だと思って言っている? あの大戦を単騎で鎮圧した俺を心配すると言うのか?」
「愚問だったね。 けど、話す時には慎重にね。 悪魔と天使の仲は最悪とまではいかないけど険悪なのは確かだから私とキミが知友だと知れば悪魔陣営の上層部がなんて言って来るか」
「んなものはサーゼクス達に丸投げだ。 奴等の内輪揉めを一時的には押し留めた借りがまだ残っているからな。」
心配をするミカエルに戒翔は事も無げに悪魔の事情を話してしまう。
「沈静化しているとはいえキミはトラブルに巻き込まれる事が本当に多いね。」
「喧しい。 俺だって好きで巻き込まれてる訳じゃねェっての」
苦笑するミカエルに戒翔は苦虫を噛み潰したような表情で洩らす。
「それで、そっちに派遣する二人だけど、天界に出回っているキミの噂が信徒の方にも流れている様でね? キミの方に心酔してる子が今回の二人の内の一人だ。」
「待て、厄介事の臭いしかしないぞ!?」
「まぁ、問題は起こさないと思うよ。 彼女はとても優秀な悪魔祓いでデュランダルに選ばれる様な子だからね」
「・・・デュランダルだと? 思い切り面倒事の予感しかしねぇな」
「ともかく、二人が来た時には頼むよ。 異国の地では地理なんて分からずに路頭に迷いかねないからね。」
「分かった。 時の御子としての依頼を受託する。 聖剣の回収又は破壊して核だけでも回収すればいいわけだな?」
「頼むよ」
「言われずともあの聖剣が邪な目的に使われるのは彼女を知っている俺からすれば面白くは無い。」
「それを聞いて安心したよ。」
そして、その後は他愛も無い話をして戒翔はミカエルとの通信を切る。
「そうさ、彼女の由縁あるあの剣が悪行に使われると知れば彼女は嘆いてしまうだろうからな。」
そう一人ごちて戒翔は部屋を後にする。
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