少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~   作:クロイツヴァルト

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英雄の一端

 

 

 「そら、一撃目はサービスだ。 避けるなり防ぐなりしてみるんだな?」

 

 そう告げて大上段から振りかぶり地を割る程の衝撃を伴った斬撃がゼノヴィア達を襲う。

 

 「ッく! 破壊の聖剣の力で!」

 

 「駄目よゼノヴィア!」

 

 制止するイリナを振り切り破壊の聖剣の力を開放して衝撃波を相殺しようとするゼノヴィア・・・だが

 

 「そんな・・・馬鹿な! 破壊の聖剣が力負けすると言うのか!?」

 

 「嘘でしょ! 力だけなら破壊の聖剣は聖剣の中で最強の力を持つのにただの岩の塊のような武器に負けるの?」

 

 「たかだか聖剣が使えると言うだけの人間に俺が超えられると思っているのか? そら、行くぞ? 大英雄が業を見事受け切って見よ! 射殺す百頭(ナインライブズ)!」

 

 目にも止まらぬ速さで斧剣をゼノヴィア目掛けて振り抜く。 その衝撃にゼノヴィアは結界の壁に背中から強かに打ち付けて大地に倒れる。

 

 「ゼノヴィア!」

 

 「安心しろ、一応手加減もしている。 死にはしない・・・が、戦士として未熟にも程がある。 聖剣の力に振りまわされていては真の力も使えなければ真の意味で聖剣に選ばれる事も無い。 たかだか因子が強いからと言っても担い手がこれでは話にならんな。」

 

 戦意を失っているイリナに対して戒翔は斧剣を魔力素に還元して構えを解く。

 

 「くぅ・・・」

 

 苦悶の声を洩らしながらもゼノヴィアが立ち上がるのを見て、戒翔は歓心する。

 

 「ほぉ、手加減していたとはいえ気絶せずに立ち上がるとはな。」

 

 「これしきの事で倒れていては貴方のいる頂きに到達など・・・出来ない!」

 

 フラフラの状態で立ち上がり、しっかりと立ちながらも聖剣を正眼に構える。 それに対して戒翔は先程の斧剣とは違い身の丈に迫る日本刀を喚び起こす。

 

 「無銘の剣なれど、此れは尋常の刀・・・見掛けに騙されていると直ぐにやられるぞ?」

 

 刀を構えず、自然体でいる戒翔にボロボロの体のゼノヴィアは改めて対峙するがその足は一ミリも動けずにいる。

 

 「・・・隙が見当たらない。 隙だらけに見えるのに飛び込んだ瞬間斬られるイメージしか出ないとは」

 

 「どうした、来ないのか? 来ないのであれば」

 

 一足飛びでゼノヴィアとの距離を戒翔は詰め

 

 「こちらからだ!」

 

 「ぐあッ!?」

 

 刀の峰の部分で打ち据えられて呻き声を上げて地に伏せるゼノヴィアを冷ややかに戒翔は見下ろし

 

 「聖剣使いとはこの程度なのか・・・いくら聖剣の一部の能力しか無いとは言え使いこなせないのでは意味が無いな」

 

 「くッ!」

 

 「破壊の聖剣・・・エクスカリバーの攻撃力の万分の一も出ていないそんなんで聖書に連なる奴を相手に出来るとでも?」

 

 「そ、それでもッ!」

 

 「どんな理由を述べた所で貴様等の実力程度ではただの無駄死にだな。」

 

 戒翔の言葉に悔しそうに睨むゼノヴィア。

 

 「・・・警告はした。 だが、それでも立ち向かうのであれば俺はその後に何が起きようともしらん。」

 

 戒翔は手に持った物干し竿を虚空に消すとリアス達の方へ踵を返す。

 

 「リアス、俺は先に帰る。 スマナイが後の事は頼む。」

 

 「え、えぇ。 分かったわ。」

 

 ―――――――――――――――――――――――――

 

 「・・・さて、アインス」

 

 「なんですか?」

 

 「少しこの街全域に探査魔法を走らせる。 それの補佐を頼む。」

 

 「・・・また何か厄介事ですか?」

 

 「まぁ、そんな所だ。 堕天使の所にいる戦争狂がやらかしたらしくてな・・・アルトリアの剣に酷似した別物の聖剣が多数盗まれここに持ち込まれている様だ。」

 

 眠りの森の自室にてとある作業をしている中で戒翔はアインスに事の発端を話す。

 

 「・・・それで主はどうするのだ?」

 

 「・・・取り敢えずは俺が持つあの聖剣の封印を解く。 近いうちにこの世界の聖剣と対峙するだろうからな。 紛い物が・・・贋作が真作に勝てない事を教えてやらねばならん。 それに世界は違えど、彼女の聖剣が汚されるのは到底我慢できるものでは無い。」

 

 そう言って戒翔は手元にある厳重に封印処理された入れ物を手に取る。

 

 「・・・コカビエル、そして聖剣計画に加担した者は俺自らが裁いてくれる」

 

 徐々に封印から解放されるモノを見ながら戒翔はそう呟くのであった。

 

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