少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~ 作:クロイツヴァルト
「ここは・・・俺の精神世界か?」
戒翔は広大な荒野と空一面に広がる様々な色彩の場に立っていた。
「俺は確かあの堕天使に殺され掛けてリアス・グレモリーにチェスの駒を植え付けられたんだったか?それで拒絶反応を起こしたんだよな・・・」
戒翔は口に出しながら先の事を思い出していく。その時、戒翔の背後に様々な紋様をした魔法陣が現れて数人の人物が現れる。
「マスター、何があったのですか?」
全体的に青みが掛かり民族衣装を着た女性は心配そうな声色で現れた中で代表として聞いてくる。
「セルシウス、なに俺が同じ学校の先輩に眷族化されたんだが問題が発生して精神世界に沈んだようだ。」
戒翔の告げた言葉に女性・・・セルシウスを始めとしたメンバーは驚きを露わにする。
「あらゆる面で規格外のマスターを眷族化とは・・・その者は何を考えているのだ?」
「裏の事とは言え俺は素顔をバイザーか仮面で隠しているから知らないのも無理はないがまさかサーゼクスの馬鹿から譲られた守護の駒一個で眷族化されるとは思わなかったがな・・・」
金髪で威圧感のある人物が呆れ顔で言うが戒翔は肩を竦めて苦笑する。
「して、それによる弊害は?」
「意識が向こうで確認出来たのは能力の制限で精神世界に来て分かったのは特定種族の能力解放が使用不可そして魔術回路も同様・・・能力の半数以上が機能不全を起こしているって事になるか・・・幸いな事はリンカーコアには異常が無い事と初期の時に貰っている【想像を創造する程度の能力】が使える事だな。」
「それでも人類から見れば異常な事には変わりないと思うが?創造の能力は神に喧嘩を売るようなものだからな・・・」
異様な雰囲気を醸し出す闇を体現する仮面を付けた人物がそう言うと他の面々が頷いていた。
「ま、宝具が使えないからといってもESPがあるし問題点は特に無いか・・・あるとするならば
「後はお前達【神聖霊】の顕現と武具化が可能な事と・・・意外と出来る事は多いかもな」
「主の力は何時まで制限されるのか?」
「さぁ、それは分からないがこの駒が身体に馴染むまでは若干だが
戒翔の言葉に神聖霊と呼ばれたセルシウス等は一応だが納得する。
「・・・ん?向こうの肉体の方が目を覚まし始めた様だな。」
徐に戒翔の体が下から薄れる様に消え始めた事で戒翔は意識が現実世界の方で意識を取り戻し始めている事に気付きセルシウス等に別れを告げる。
「・・・ん」
「あ、気付いたみたいね。朱乃を呼んでくるから待ってなさい。」
目を開ければ目の覚めるような赤の髪を垂らしながら此方を窺う女性・・・リアス・グレモリーが見ていたが戒翔が目を覚ましたのを確認すると席を立ち朱乃と呼ばれる人物を呼びに行った。
「朱乃・・・まさかな・・・」
戒翔は体を起こそうとするがまだ悪魔の駒が適応仕切れていないのかぎこちない動きながらも起き上がろうとした所で戒翔の寝ていた場所の襖が開けられて駒王学園の女子制服姿のリアス・グレモリーと黒髪の長髪を靡かせて慌ただしく入って来た人物を見て戒翔は目を細める。
「(あの時の少女が此処までの美人になるとはな・・・確かに素材が良いのは分かってはいたが実際に目にすると違うな・・・)」
「リアス、急に家に転移してくるなり押しかけてきてしかも危ない状態の子まで連れてきて・・・」
「ゴメンなさい、でも悪魔の駒を植え込んだ途端に倒れちゃうものだからテンパっちゃったのよ。それで朱乃の所に取り敢えずだけど運び込んだのよ。」
「御蔭でこっちはお母さんに変な誤解されたんだけど一緒に弁解してよね・・。」
「分かったわよ。・・・で、君は一体何者なのかしら?」
「リアス・・・どういう事なの?」
「普通の人間なら簡単に転生悪魔に出来る筈なんだけど敢えて貴方は私に守護の駒っていう私でも知らない駒を渡したのもそうだし魔王と知り合いだってのも気になるのよね。」
「・・・おれはそもそも生物学的には人間なんだろうが厳密には違う。」
「せ、生物学的に・・?貴方何を言って」
「信じられないが俺は数多の種族の血を引く唯一の人外だ。俗称は
「響界種・・・信じられないわね。」
「信じる信じないはアンタらの自由だ。だけどな、その御蔭でこっちはそのシステムエラーの様な物で能力の大半異常が使い物にならなくなっているって事を覚えておいてくれ。」
「能力・・・?」
「企業秘密だが、曲がりなりにも眷族となったからな・・・。使用不可になっていない物ならば魔法にESPに後は他種族の良い所取りな能力かな・・。」
「ちょっと待って。ESPって何?」
「俗に言う超能力って物だ。例に挙げるなら
戒翔の言葉に2人は絶句した。戒翔の告げた能力は二人にとって途轍もない物に見える。悪魔と言ってもその身は人のそれで発火能力や念動力などを使われては場合によっては手も足も出ない事も考えられる事でもある。
「・・・って言っても今の所確認出来る中でこのESP発現者は俺を除いて0なんだがな・・。」
戒翔の言葉に今度は安堵の溜め息を吐く二人に戒翔は苦笑する。
「ならその超能力って物を見せて貰おうかしら?」
「・・・結局はそうなる訳ね。」
戒翔はそう呟くしかなくそこに同情する人間hいや悪魔はいなかった。
「取り敢えず朱乃の雷光の槍を数発撃って貰うからそれを貴方の言う所の超能力を使って凌いでみてね!」
神社から出て山の裏手にある空き地の様な所で巫女装束の朱乃に対して戒翔は昨夜の貫かれたままの制服のままで対峙する。
「で、勝敗の条件は?」
「どちらかが負けるか気絶もしくは降参した時よ。」
「分かりやすくて何よりだ・・。」
そう言って戒翔は両手をズボンのポケットに入れて軽く腰を落とす。
「此方も準備は良いわよ。」
光の槍に天使が使う光の気配を纏わせた槍を手に持った姫島朱乃が構える。母親の死と言うプロセスが無かった所為か父親との不和も無く自身の血に嫌悪する事無くその力を思う存分に振れるという状態である。本来ならば父親の所為で母親が亡くなりその母親を死に追いやった父親を嫌悪しその血を嫌い堕天使の能力を使わない状態であったはずなのだが戒翔が介入したおかげでその様な事は無く普通にその能力を眷族となった今でも使用している。
「・・・雷光の槍か。なら
戒翔は
「・・・たとえどんな能力でも見極めるのみです!」
雷光の槍を空中に出現させて射出させるが戒翔の周りを浮遊していた球体から光条が走ると一瞬で雷光の槍を易々と貫き霧散させる。その光景を見て朱乃は一瞬で警戒の色を強める。
「今のは原子崩し、電子を波と粒子のどちらでもない状態に固定し自在に操る能力って物だ。所謂レーザー見たいに撃つ事も可能だから気を付けろ?」
「ならば近接戦で・・・!」
「無駄だ。窒素装甲がある限りあらゆる攻撃は俺の所まで届く事は無い。どっかの誰かさんみたいに液体窒素を持ち歩かなくとも能力は使えるしな・・・。窒素を使用した装甲鎧といった所だ。」
一瞬で接近した朱乃だが、戒翔に斬り掛かる直前で目に見えない何かに阻まれる結果になり唖然とする朱乃であったがすぐに意識を切り替えて一足飛びでその場から飛び退くと同時にその場に複数の光条が突き刺さり小規模ながらだが爆発が起きる。
「・・・今のを反応するか。眷族で言う所で
「御推察の通りよ。私はリアスの眷族で役割は女王よ。それでも守護の駒一個で転生した貴方は未知数ですがそれでも勝てると思ったのですけれど・・・見た目以上に高い能力を持っているようですね。しかもたった二つの能力だけ見ても勝てるという予想がつかないですね。これからはグレモリー眷族の一員として宜しくお願いしますね?」
朱乃はそう言って手に持った雷光の槍を消して戒翔の下に歩み寄ると握手を求めて来た。
「つまり降参と言う訳か?」
「そうですね。今の私では貴方に傷一つ付ける事が出来そうにないのですから。」
「あぁ、此方こそよろしく。姫島先輩・・そしてグレモリー先輩。」
そう言って戒翔はにこやかにではなく不敵に笑う。
「(さぁ、ここから物語は加速する。・・・負の連鎖を断ち切る。それがこの俺の役割であり時の御子としての使命だ)」
先を歩いて行き神社に戻る二人を見送りながら空に浮かぶ満月を見上げて戒翔はその手を翳していた。