少年の異世界戦記~ハイスクール D×D編~ 作:クロイツヴァルト
「・・・一誠達が妙な動きをしている?」
「はい、最近街に出ては何かを探している様です。 その中には生徒会の兵士の一人で名は確か・・・匙元士郎も動いている様です。」
自室にて作業をしている所に定時報告をしに来たアインスの言葉に戒翔は思案し
「大方、あの聖剣使い達を探しているんだろう。 敵をあぶりだす為の囮に使うか? しかし、敵に聖剣を奪われる危険性もある事だから・・・アインス、悪いが」
「分かりました。 もし危険な様であればわたしが介入して助けに入ります。」
「頼む。 俺と言うイレギュラーがいる以上世界の記録通りに事が進むかどうか分かったものじゃないからな。」
一礼をするアインスを見ながら戒翔は自身がいる事により起こる不確定要素を言葉にする。
―――――――――――――――――――
(主にはああ言った物の・・・あの者達は主が気に掛ける程の者なのか? 白音はまだ家族の内に入るが・・・兵藤一誠、木場佑斗、匙元士郎等に加えて教会関係者・・・わたしからすればどうでもいいが、主が気に病んでいるのだからなるべく助力するのが私の役目なのだろうな)
街中を散策する様にして歩くアインスは胸の内で戒翔に言った事を思い出しながら自身の考えも入れながら思案する。
「あそこにいるのは」
そして一誠達を探しているアインスの目にファミレスの中で食事をしている一誠達を見つける。
「・・・成程、聖剣使い達との話し合いの場を設ける為に餌付けしているのか」
そう結論付けるアインスだが実際には餌付けでは無く仕方なくであり、その際に生じた出費に匙と一誠は内心で悲鳴を上げる事になるのである。
「兵藤一誠、お前はここで何をしている?」
丁度ファミレスから出て来た一誠と白音、そしてアインスも見た事が無い男子、制服を見れば一誠と同じ駒王学園の生徒である事が伺える。
「貴女は!?」
「兵藤、誰なんだこの超絶美人なお姉さんは?」
「我が主の命でお前達の動向を監視していたが、何を企んでいる?」
「匙、この人は戒翔の従者だ。 見た目で判断するとヤバいぞ」
「戒翔ってあの戒翔か? 会長も気に掛けている奴ってのは知っているけど」
匙が訝しげな表情でアインスを見るがアインスはそれを気にするでもなく後から出て来た二人組に目を向ける。
「そっちの二人は主からも聞き及んでいる聖剣使いだな? 現代の聖剣使いは聖剣に振りまわされている印象を受ける・・・と主は言っていたが、確かにその通りだな。 聖剣のオーラすら抑える事も出来ないとは」
「なんだと?」
「出来ているのは上っ面の部分だけ。 根幹部分は総じて出来ていない。 アルトリアが見れば嘆くでしょうね。」
「何を・・・言っている」
「これ以上は私の口からは言えないが真の持ち主が見れば嘆き悲しむのは火を見るよりも明らか・ 遣い手が未熟であればどのような名剣でもなまくら以下になる」
「あなた!」
アインスの言葉にイリナが怒る。
「だが事実だ。 七つに分断されようともエクスカリバーの力がより明確に分類されたに過ぎない。 それを正確に理解し使う事の出来ない者を未熟者と言わずなんという」
「ッ!?」
反論の余地も無い言葉にイリナは口を噤み
「おい! アインスさん言い過ぎじゃないのか!?」
「何故だ? 未熟な腕の者を此方に寄越す教会の顔を立てろと言うのか? そもそも聖書の一説に載る幹部を相手にするのにたった二人しか寄越せないところにか?」
「おい、いくら会長に注目されている奴が主だからと言っても流石に口が過ぎるんじゃないのか?」
「十七年程度しか生きていない子供に何が分かる? 格上の相手に高々二人程度の使い手を寄越した所で鴨が葱を背負って来ただけにしか見えていない事に。 そして命の取り合いに関して甘く見過ぎだ。 私がその気になれば数秒も立たずに物言わぬ骸と化すだろうな。」
その言葉と同時に辺りをアインスが展開した結界が展開するのと同時に上空に無数の血の色をした短剣が一誠達を見下ろしていた。
「だがそれは我が主の望みでは無い為それはしな・・・が、要らぬことをして被害なり損害なりすれば主が許しても私は決して間抜けをやる者は許さんからな」
そう告げてから上空に滞空させていた魔法を霧散させ、結界を解除したアインスは人が行きかう雑踏の中に紛れてその姿が見えなくなる。
「・・・な、なんなんだよ! あの女、毒舌にも程があるぜ!」
「匙、悪い事は言わない。 あの人には逆らわない方が良いぞ。 見た目で判断してたら命が幾つあっても足らないからな。」
「どういう事だよ?」
「あの戒翔の従者をしている人だぞ? 兵士の俺達が敵うと本気で思ってるのか? 少し冷静に考えれば分かるぞ?」
憤慨して罵倒する匙を一誠が宥めて説得する。
「…確かにだが、お前こそやけに冷静だな?」
「ふふふ、俺だって最初はお前みたいに食って掛かったさ。 けどな、瞬殺だったぜ? 俺が攻撃に入る前に周囲に魔力弾を配置からの雨霰で終了さ」
落ち着きを取り戻した匙の質問に一誠は表情に影を落として彼女の実力を知る理由を教える。
「…は? どういう事だ?」
「…だからさ、魔法陣や詠唱も無しにほぼ全周囲を魔力弾で囲まれてのフルボッコだぞ? しかも開始から一分も経たない内にだぞ? 匙、お前もやってみるか?」
「…なんかごめん」
一誠の表情と言い方に気圧されたのか匙は素直に謝ってしまう。