でもバイトしないとお金ないんですよねぇ
「ふぁぁ…もう朝か…」
キメラとの戦闘の次の日…
俺は、宿屋のベットで目を覚ました。
相変わらず体は子供のままである。
「寝ても治らなかったか…」
そこまでは期待してなかったが、もしかしたらと思ったのだが
「…みんな起きてないだろうし目を閉じてベットに横になってよ」
これは決して二度寝ではない。
目を閉じて横になって夢の中に行くだけだから。
きっとミーシャも分かってくれるはずだ。
「そんな言い訳通じるとでも?」
「完璧に決まって…ってミーシャ!?」
「はい。ミーシャですよ。」
声のした方を向くとそこには隣の部屋で寝ているはずのミーシャの姿があった。
「…いつからそこに?」
「アリシア様が起きた時…ですかね。」
いやそれって最初からじゃん…
全く気付かなったんですが。
「まぉそんなことは置いといて朝食ですよ」
「…僕、5歳だからもう少し寝て居たいな」
「二度寝に五歳児も何もないです。早く起きてください」
この体型を生かした渾身の必殺技はミーシャには効かなかった。
これが幼馴染パワーか。
移動中…
結局ミーシャに引っ張られて一階の食堂まで行くと、もう既にみんな集まっていた。
「おはようなのです。アーちゃん」
「おはようございます。アリシア様。」
「…うぅ」
みんなそれぞれ挨拶してくる。
シャルフィーだけは眠そうにしているが
「おはよう。」
皆とあいさつを交わした後俺達は朝食を食べながら今日の予定を話し合う。
「僕はもう少し寝てたいんだけど…」
その後にシャルフィーがこくこくと頷く。
「ダメです。この宿、9時にはチェックアウトなので」
「エルが居れば問題ないのですよ。どーんと任せるのです」
いや…エルマも子供なんですけど?
十分危険だと思うのだが。
「そうですか…なら私はマイさんと買い物に行ってきますね。」
「また後でです!アリシア様」
そう言ってマイとミーシャはショッピングに出かけて行った。
「さて…二人も行ったことだし…姫様のところにでも行くか」
「寝るのではなかったのです?」
「そうしたいんだがな…ちょっとやることがあって」
王室のベットで寝てみたいというのも少しあるが
一番の目的は昨日の寝言の真相を確かめるためだ。
まぁそれは中に入れたらの話だが。
流石に転移魔法で中に飛ぶとバレた時がめんどくさそうだし。
「ごー!ごー!」
そう言ってさっきまで眠たそうにしていたシャルフィーは元気になっていた。
お城の中が楽しみなのだろう。
「よし。行くぞ。シャルフィー、エルマ」
俺はそう言って二人の手を取り転移魔法で城まで飛ぶ。
「よっと…少し飛び過ぎたかな」
しっかりと門の少し前に設定したはずなのだが門番の目の前に飛んできてしまった。
「な、何者だ!貴様!さては侵入者だな」
この三人のどこを見て侵入者だと考えたのだろうか。
なんでこの人王城の門番やってんだろ。
「えっとぼ…私たちは王女様に会いに来ただけなんです」
「王女様に?ダメだ。庶民ごときがお会いできる方ではない」
「私、貴族なんですが…」
正確にはほぼ没落貴族だが
「どこの家だ?」
「アイノーツです。私の名前はアリス=アイノーツ」
本当はうちに名字なんてないが…
母さんの前の名字でごまかしておく。
「アイノーツ…あのアイノーツ家のご息女であらせられるのですか!?」
「は、はい」
門番が興奮気味に訪ねてくる。母さんの一族っていったい何なんだ…
「そちらのお二人は…」
「姉妹です」
「そうでしたか。これは大変失礼いたしました。中でアルシナ様がお待ちです。」
…はい?この人なんて言った?アルシナ様って言わなかったか?
「あの…アルシナ様ってまさか…アルシナ=アイノーツですか?」
そう尋ねると門番は興奮気味に首を縦に振る。
「まじか…」
「その人がどうかしたのですか?」
「実はその人…本当に俺の母さんなんだ。」
適当に母さんの名字を使ったが…
まさか本当に母さんがいるとは思わなかった。
まぁ母さんは俺の顔見てもだれかわかんないだろうし。
気にすることはないだろうけど。
「さて、門番も突破したし…ここからは転移魔法で行きますか。」
俺は門番のいないところで転移魔法を使い姫様の部屋まで飛ぶ。
まぁ門番の許可は取ったし、不法侵入ではないだろう。
「…どなたです?」
部屋に入ってきた俺達に姫様が静かにそう聞く。
「私はアリス=アイノーツです。」
「アリスちゃん…ですか。他のお二人は?」
「エルマなのです。こっちはシャルフィー」
「アリスちゃんにエルマちゃんにシャルフィーちゃんね。私はシャルファです」
姫様…シャルファはそう挨拶してくる。
「よろしくお願いします。シャルファお姉ちゃん」
そう言ってシャルファの手を取る。
「…違ったか。」
そう小さく呟く俺の声は誰にも届いていなかった…
二章は、主にシャルフィーちゃんの成長がメインですかね