Alchemiastory 【故郷を忘れた2人の秘密の冒険記】 作:rekko
カーテン越しの優しい光が顔にあたり、自然と目が覚めた。
自分はベッドで寝ていたようだが、どうして寝ているかがわからない。
重い上半身を起こしあたりを見回すと、少し丸い形をした部屋に、上手いことタンスがあったり棚がつけられていたり、とても落ち着いた住みやすそうな場所だった。
そんな部屋に感心していると、ドアがガチャリと音を立てて開いた。
「あ、レッコ起きてたんだね。おはよう。昨日すぐ寝ちゃってたみたいね。ご飯出来たから早めにおいで」
レイティが私を起こしに来たらしい。
作ってすぐ来てくれたのか、ふんわりといい匂いがする。
「ラト達は?」
「もう起きてるよ。まあ遊んでるけど。」
呆れたように言いながらカーテンをシャっと開ける。カーテンから漏れていた小さな優しい光が大きな眩しい光へと変わり、電気のない薄暗い部屋を優しく包み込んだ。
「まだ寝たいなら寝ててもいいけど……起きる?」
「起きる」
急いでベッドから飛び起き、部屋を出るレイティに続いた。
螺旋状の階段を下るとリーティンとラトがテーブルを挟んでカードを持っていた。
カードの束が2つあり、キッチリと綺麗に重ねられているものとバラバラに重ねられたものがあった。見たところUNOをしているようだがリーティンの様子がなんだか変だ。
「ウノ!!ねえウノ!!」
「遅い。僕が出したからウノは無効。1枚引くだけだよ?」
「イヤァァァァ!!!」
ただのしょうもない物乞いだった。頭を抱え絶叫するリーティンの気持ちは私達に伝わることなく儚く消えるだろう。
「朝からうるさいな?」
「あ、レッコおはよう」
「おはよう。待たせてごめんね」
項垂れているリーティンの横に座り、レイティが作ったリエットに手を合わせる。
薄く切られたパンに肉を乗せ、口に運ぶ。
ラトが錬金術で作るものも美味しいが、レイティが錬金術を使わず作る料理は、前から美味しい。
前よりも美味しくなっているきがする。
ご飯を食べながら楽しく会話を弾ませる。ラトと食べる時も楽しいが、こんなに楽しい朝ごはんは久しぶりだ。
昨日私がいつから寝ていたか聞くと、なんとリーティンに担がれ運ばれている時に寝ていたらしい。ラト曰く、「あの状況で寝れるなんて相当鈍い人じゃないと無理」とのこと。
鈍くて悪かったな。
「そういえば2人は次行く所とか決まってるの?」
「いや?でもずっと根付く気は無いよ。冒険し始めたのはついこの間だし色んなところに行きたいな」
自分の思っている素直な気持ちを打ち明けると、リーティンは考えるポーズをとった。
「んー……」と声を出した後、思い出したように「あっ」と手を叩いた。
「なら、インモルターレに行ってみたらどう?」
「イン……?なにそれ」
「その村に行くと不老不死の術をかけてもらえるらしくてね。今は不老不死の村って呼ばれてるわ」
「不老不死?それほんと?」
「不老不死」という単語にラトは疑問を抱いた。
「知らないわ。でも興味あるなあら行けばいいし、行くとこないから行くっていうのもありよ。まあ、どちらにせよ貴方達は行くことになると思うけど」
どうやらレイティの言っている通り、私達はその不老不死の村に行くことになるだろう。
ラトは不老不死について調べるため、私は行く所が見つからないため。
理由に違いがあるが結局目指す場所はまとまった。
お皿に乗った最後のひとつのパンを口に放り込み、「ご馳走様でした」と手を合わせる。
少し休憩を入れ、身支度を済ませ、リーティンとレイティにお礼をいい、私達は不老不死の村へ走って向かった。
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お借りした方 リーティン様 レイティ様(YOME)
ありがとうございました。