Alchemiastory 【故郷を忘れた2人の秘密の冒険記】   作:rekko

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嘘つきな魔物

大の字で倒れているトッポに、2人は安心などはしていなかった。

むしろ警戒し、武器を構えたままで疑問を抱いていた。

「連続で攻撃したとはいえまだ2発だよ?もしかしたら気絶してるフリかもしれない」

「じゃあ起きてきたらデュアルアーツ。私がジャッジメントでラトがペネトレイト」

「了解」

2人がずっと倒れているトッポに武器を構えて数秒後、トッポの指がピクっと動いた。

その瞬間をレッコは見逃さなかった。

「よし。動いた。やろう」

「嘘でしょあんな細かい動きで!?」

ほんの少ししか動いていないトッポに、レッコは大きく飛び上からジャッジメントで攻撃する。

その場所には大きな光の柱が現れた。

ラトはやるしかないと悟り、デモンブレイド・フレイムの先に意識を集中させ、光の柱が消えたタイミングで勢いよくトッポを貫いた。

トッポは宙を舞いそのまま地面に叩きつけられ、再び大の字で倒れた。

それでも2人が安心した様子はない。

顔を見合わせ互いに驚いた。

「……消えない…?」

「……完全に死んだわけじゃないの…?これ」

魔物は普通、倒されたらその場で消えるが、2人の前に倒れている魔物は消えなかった。

が、流石に起き上がれないだろうと、2人は武器を納めた。

「くっ……このトッポ様に勝つとはな……貴様はよっぽど名のある戦士なのだろう…」

突然、聞こえるはずのない思っていた声が聞こえ、その声を聞いたラトは驚き、レッコは呆れた。

「やっぱり死んでなかったんだ…!」

「ていうか名のある戦士って……んなわけあるか。こちとらランキング外の戦闘力なんだから……」

あれ、ランキング外の冒険者でも勝てるってそれ魔王としてどうなの?とレッコは思いついたように言ったが、トッポはバツが悪そうな顔をしたあと、少しニヤッとした。

「ていうか早く武器返して。返してくれるんだろうが」

もちろん、とトッポは言い頷くが、それだけではなかった。

「しかし、知っているか。約束を守らぬことは魔王の嗜み。武器はすでに、人間の商人に売ってしまったのだ!!」

鈍器で頭を殴られたような感覚が2人を襲った。

武器を返してもらえないどころかそれを商人に売ってしまったのだ。

一方トッポは高笑いしながら話を続けた。

「武器が欲しいなら商人から買うがいい!やつは公国の酒場に居ると言っていたな……」

「ふざけてんじゃねぇぞネズミが」

「ストップ。杖で殴る気?」

武器でそのまま直接トッポを殴ろうとするレッコの腕をラトは掴んで後ろに引いた。

「それよりも後ろに気をつけろ。ほら、魔物がいるぞ!?」

笑っているトッポの発言に反応し、咄嗟に後ろを向いた2人だったが、そこには何もいなかった。

「何もいな……嘘か……」

急いで前を向くも、トッポは姿を消していた。

そして、どこからか

「次こそは負けぬ!」

と、聞こえた。

「ラト」

「何?」

「次は殴る」

「わかった」

倒し、復活され、騙され、また騙され、怒りよりも呆れの方が強かったが、レッコはイライラして思わず地面を蹴った。

「とりあえず酒場に行こ?ここにいても何もできない」

「そうだな。ついでに酒場の宿も取っとこうか」

「お腹すいたからご飯も食べたいね」

さっきよりも落ち着いてきた2人は、他愛のない話をしながら公国へ向かった

 

 

 

 

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