とある森の中を白いワンピースを着た少女が歩いていた。
夏・・・私の好きな季節であり、また嫌いな季節である。
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みょーん、みょんみょんみょんみょーん。
夏が極まるこの季節、獣道を涼しい格好で歩く。
いつもの導師服のようなドレスは、私の家のクローゼットでお留守番だ。
幼いころに、とある人間がくれた白のワンピース。それを着て、その人間のお墓へと向かう。
それにしても熱い、これだから夏は嫌いなのである。夜は寝苦しいし、昼ともなればすごく暑い・・・
まあ、あんまり夏の文句は言わないことにして歩く、一瞬能力を使っていこうかとも思ったが
それはそれで、何か違うような気がしたので歩き続ける。
しばらく歩いていると、森を抜けた。
「やっぱり、この風景は、いつ見てもきれいよね・・・」
私、
この場所は、この白のワンピースをくれた人間が好きな場所だ。
本当なら、幻想郷に入らないはずの土地だけど、私の程度の能力で
人里、博麗神社、妖怪の山や霧の湖、迷いの竹林など、幻想郷を余すことなく見下ろせる崖。
そこには、わざわざ知り合いに頼んで作ってもらった墓石がおいてある。
その墓石には、うっすらと青く輝く美しい刃を持つ刀が突き刺さってさびてしまっている。
この刀はその人間が使っていた刀で、名前を
その刀は、持ち主であるこの墓に眠る人間が振れば、有象無象を切り裂く唯一無二の刀となっていた。
しかし、その人間が死んでしまってからはこうやって、その人間の墓石に突き刺さり、ただただ錆びてしまっている。
「また、今年も来ましたよ?師匠。」
そう、子のお墓に眠っているのは、私の師匠である。
幼いころ、たった一人の妖怪だからといってほかの妖怪から追われ、殺されかけた時に助けてくれた人間の師匠だ。
師匠は、本当に強かった。体の脆さは人間のそれだけど、ほかの部分で補い、あの星熊勇義や伊吹萃香にも勝っていた正真正銘の最強だ。
あの風見幽香でさえ、参ったと言わせるほどの彼、そんな彼が私の師匠ということは私という妖怪にとって、とても思い入れの強い思い出だ。
さて、約半年来なかっただけでこの墓石はボロボロに汚れてしまっている。
「まずは、お掃除ね。」
私の能力を使えば、簡単だけど師匠がそうであったように簡単なことなら能力を使わずに行っている。
炊事洗濯、家事や本の片づけからお風呂の掃除、スキマの中の掃除だって忘れない。
なぜだか、ほかの次元の
まずは、墓石を磨いてお花を取り換える。線香受けの線香の灰を地面に撒いて、新しい線香を備える。
よし、まだ体が覚えてた。何とか、そこまでは終わり私はお祈りをささげる。
私は、無宗教だけど形だけこうしている。形だけでもご利益があると思う。
「師匠、最近、幻想郷はさらに平和になってますよ?」
そう、平和になっている。
かつて師匠が求めた、喧嘩や騒動はあるけど、”戦争”がない平和な世界・・・
これも全部、師匠の助言や師匠が教えてくれたことのおかげだ。師匠のおかげで、私はここまでできた。
弱虫で泣き虫だった私を鍛えてくれた師匠に多大な感謝をしつつ、私は昔の思い出に浸る。
――――数千年前
「はぁ、はぁ・・・っ!」
「畜生!どこに隠れやがった!」
「あのガキ、見付けたらただじゃ置かねぇ!お頭の一物を蹴りやがって、あのクソガキが!」
どうして、私だけがこんなことになっているのであろう。
私は、確かにたった一人のスキマ妖怪としてこの世に生まれた。いや、生まれてしまった。
能力は、生まれつき大妖怪以上、私の能力である境界を操る程度の能力も使い方次第ではとても汎用性が効くとてつもない代物だ。
だけど、この二つのせいで、今、とてつもない危険にさらされている。
とある妖怪のごろつきどもに集団で襲われ、挙句の果てそのリーダーに犯されそうになったのだ。
途端に股間のそれを蹴り上げすきを見て逃げ出してきたけど、こうして追手がすぐそばまで来ている。
「はぁ、はぁ・・・逃げないと・・・初めては、好きな人がいいし・・・・」
これでも、300年を生きた私、まだ生娘なことを言っているが妖怪にとって300年とは人間でいう13歳的な扱いなのでセーフだろう。
だから、私の初めても渡すつもりもなければつかまってやる通りもない、そう思いつつ木の陰にうまいこと隠れつつその場から離れる。
「もうすこし・・・もうすこしで・・・」
森を抜けた・・・そして、引き返そうと立ち止まる。
「ぐへへ・・・よお、急いでどこに行く?
最悪だ・・・読まれていた。私が、どうやって逃げてどこから出るかを・・・こいつは、化け物か・・・いや、妖怪”ぬらりひょん”か。
そんなことを考え、後ずさるが木の根っこに躓いたようで尻もちをついてしまう。
しまった。これじゃあ、逃げれない・・・
「おうおう、大丈夫か?俺がちゃぁんと、
く、いやだ。気持ち悪い、こんな人が初めてなんていや・・・こんな気持ち悪い爺だなんて・・・
あぁ、私・・・ここで初めてなのかぁ・・・痛くないといいなぁ・・・・・・
「おいなんだおm、ぎゃあぁっ!!」
「てんめぇ!ぐあああっ!!」
と、後ろのほうからぬらりひょんの手下が二人吹き飛んでくる。
二人とも白目で泡を吹いて気絶しており、誰がやったかは分からないが刀の峰で殴った跡がある。
しかも、次々とぬらりひょんの部下が吹き飛んでおり流石のぬらりひょんも気づいたらしく、仕込み刀を抜く。
「貴様!何者だ!この私を知っての狼藉か!」
「うん、わかっててやってるよ。まあ、君みたいな女の子一人に寄ってたかって欲情する変態には言われたくないけどね」
「ぐぎぎ・・なんだときさ」
ぬらりひょんは、そこから先のセリフが言えなかった。
切りかかると同時に言おうとしたそのセリフは、首を刎ねられたせいで言えずに体だけがビクンビクンと痙攣して倒れた。
いつの間にか、きれいな青の光を発している刀を抜刀させていたその人間は、首のないぬらりひょんの死体が倒れた後、その刀の血を払って、音を立てないように刀を閉まった。
「君、大丈夫?立てる?」
「え、ええ・・・ありがとう。」
黒毛で糸目、今まで見てきた男性の中でとても身長が高く、顔だちも少しだけ整っている。
しかも、おとぎ話の主人公みたいに助けてくれたわけだから、私はもう惚れそうである。
「ケガは・・・うん、なさそう。じゃあ、ボクはもう≪きゅるるるるぅぅぅぅ・・・≫・・・よかったら何か作ろうか?」
「・・・」コクン
私は、心を平常心に保つのがやっとでそう頷くしかなかった。
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今思えば、それが私と師匠の初めての出会いだ。
あの時作ってくれた雑炊の味は、今でもしっかりと覚えている。
涙のせいで少しだけしょっぱかった煮込んだだけの雑炊。
あの雑炊の味だけは、私でも再現は不可能なのである。
はい、第一話は終わり!
疲れたから前書きはあまり書かない!
紫さんは、実は生娘説!