幻想物語=八雲紫の物語=   作:ライドウ

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夏の終わりまで、16日

おのれ、カオスセイバー斎藤め。
無害と思ったら、追いかけてきやがって。
あいつ、いつか、ぶっ飛ばす



第十六話 闇より深く、恐ろしき者

「それでの、時雨。頼み事なんじゃが・・・」

「ん?アイリス?何?」

「何か、食べ物恵んでくれ」『きゅるるるぅぅぅぅ~~』

「えぇ・・・」

 

目の前の小さな女の子が、可愛いおなかの音を鳴らして顔を赤くさせる。

私は、不覚にもそれをかわいいと思ってしまい秘密のスキマから、握りたてのおにぎりを取り出す。

なぜ握りたてなのかというと、スキマの内部には状態保存能力がかかっており、温かいままで入れれば取り出すときも握りたてで温かいおにぎりが出てくるのだ。

しかも、温かいものと冷たいものを同時に入れてもスキマ内で不思議な力が働いており、互いに干渉しないのである。

 

「はい!これ!」

「おっ!おにぎりか!ひさしぃのぉ、時雨に作ってもらった時以来じゃ!」

 

それを、アイリスさんは受け取り一口食べると、うまいのぉと可愛らしい笑みでいっていた。

うん、かわいい。しかも、目を離したすきにいつの間にか食べ終わってるし・・・

 

「うむ、ありがとうな!紫!」

「あれ?私名乗りましたっけ?」

「む?ああ、そうか。何心配するな、わしが一方的に知っているだけだからの。」

 

一方的に知っている?どういうことなんだろう?

吸血鬼ということだから、何かの程度の能力だろうけど・・・どんな能力なんだろう。

私がそう考えていると、ルーミア様が頭をかしげていた。

 

「うーん、あなた。どこかで見たことあるような?」

「む?・・・まさか、宵闇か?ほらわしじゃよ。わし。」

「・・・あぁ、なんだ神祖か。久しぶりね・・・ずいぶん小さくなったわね。

「わはは、まあの。」

 

どうやら、この二人は知り合いだったらしい・・・

でもまあ、気にすることでもないか。

 

「ほら、なにをボーとしておるのじゃ、行くぞ!」

「え、あっちょっ」

「アイリス!待って」

「あはは!」

 

私は、アイリスさんに手を引かれて名も知らない港町を走った。

後ろからは、ルーミア様と一言もしゃべらなかった咲夜さん、師匠が追いかけてきており。

ルーミア様は、にこやかな笑みを浮かべて、師匠もいたずらっ子を相手にするかのように笑っている。

私は、やっぱり師匠が死ぬなんて・・・どうしても。思えないのであった。

 

 

side airisu

 

わしは、アイリス。

まあ、宵闇”ルーミア・ブラックムーン”の元相棒的存在じゃった。

しかし、今のわしは力を”9割”亡くした弱い吸血鬼。”神祖”とは呼ばれているものの、かつての能力はすでに残っていない。

・・・じゃが、今持っている全盛期の搾りかすの能力でも、今手を引いては知っておる子の運命は誠に面白いもである。

だから、わしは、こやつを気に入ったのである。

 

「アイリスさん?!ど、どこに行くんですか!?」

「なはは、なに私の住む屋敷じゃよ!」

 

紫が聞いてくるのでそう答える。

わしの名前は、たぶんルーミアが言ってたから覚えたのであろう。

まあ、いいじゃろう。むしろ、名前は覚えさせようとしたもんな。

それにしても、この紫という妖怪・・・面白い運命と性質じゃの。

 

(性質的には、光。じゃが、それは運命の進み方によっては闇にも。常闇にも匹敵するほどの悪意・・・ふふ。なんとも面白のぉ)

 

わしの程度の能力・・・かつては、”運命を自由に操る程度の能力”と”他者の性質を見抜く程度の能力”と呼ばれているそれらでわかるのは、紫がこの世界の行く末を握っている。

そういっても過言ではないほど、複雑で単純。光であり闇である矛盾の運命と性質を兼ねそろえている。本当におかしいの。

光に行けば、人類救済。闇に行けば、世界消滅。まるで、天秤のようじゃの。今は均衡しておるが・・・

そうか・・・16日後・・・そこがこの娘の【ポイント・オブ・ノー・リターン】か。

ふふ、まさか・・・世界の運命がこの娘の恋次第とは、なんとも笑える。

む?

 

「そこにいるのは誰じゃ?」

「え?」

 

わしがそう声をかけると、目の前の路地から不気味なほど真っ黒いオーラが流れ出す。

そのオーラを感じ取ったのか、紫が小さな悲鳴を上げて尻もちをつく、わしは自身の能力で、別次元にあるわしの武器”原初の魔剣 リインカーネーション(輪廻転生)”を取り出す。

この剣は、わしの全盛期の力をほとんど吸い尽くした元凶でもあるが、逆に全盛期の力を払って手に入れられた今を生きるために必要な剣である。

まあ、剣としても伝説の鉱物”アダマンタイン”を紙のように切れる程度なのじゃな。

 

「貴様、何者じゃ?」

「ml;m,ed;ls;lkw@pk2l;,;,:sd;l.,:;jknkdsnf」

「ちっ、言葉は通じぬか。」

「asnfajkenowijfkalalslknfkankjsnduieahbuw」

「一体・・・こやつは何なのじゃ?紫?・・・紫!?」

「いやだいやだいやだいやだ。こないでこないでこないでこないでこないで!あ、あああぁぁああぁぁあぁああぁぁぁぁああぁぁぁっ!!」

「紫!気をしっかりと持て!くっ、一体何なのじゃ!?」

 

わしは、リインカーネーションを構えつつその真っ黒の不定期型の生き物を睨みつける。

この不定期の化け物には、運命もなければ性質も全く感じられない。

恐ろしいのは、それが人の形・・・しかも、どこか時雨を感じられる面持ちをしておるのだ。

 

「なんとも腹立たしい・・・なっ!?」

 

気付いた時には、周りの風景はこの町はこの町でも別の風格になっていた。

まさか、次元を操るとでもいうのか。なんとも厄介な。

 

「こ・・・ろ・・・・・・・」

「む?」

「ころ・・・す。ころ・・・す。」

「ころ・・・す?・・・殺す?」

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!ぎゃはははははっ!常闇様のために!お前らを殺す!あはははははっ!!」

「しゃべったじゃと」

 

これは、一体。

いや、考えている暇はない・・・こやつは、確実にわしと震えている紫を殺そうと、確かな殺意を振りまいている。

おかげで、紫は小さく震えている。ししかも、さっきよりも発狂してしまっている。

まさかこやつ、外なる神の末端か?いや、いくら外なる神の末端と言え、それはおかしい。

紫が、外なる神が定めたルールに触ったことなど、”搾りかす”で見た過去でもない。

一体こやつらは・・・

そう考えていると、後ろでドサという音がしてみてみると紫が倒れていた。

気絶しただけのようじゃが・・・少しまずいの・・・

 

「あははははははっ!!!」

「くっ!?」

 

”その不定期なもの”・・・とりあえず、”闇のもの”とでも名付けようか。

闇のものは、わしに切りかかってきた、いつの間にか握っていた剣で。

さらに、触れたものを昇天させる能力を持つリインカーネーションの能力をもろともしていない。

この剣は・・・一体、なんなのだ。リインカーネーションは絶対。それを耐えた?しかも、いくら残り1割の力しかないとはいえ。

並みの吸血鬼のおおよそ5倍の能力を持つわしと、互角に鍔迫り合いをしている。

何たる化け物じゃ。

 

「ギギギ・・・ゴロズゴロズゴロ・・・ズ」

≪あらあら、まさかファントムがここまでくるなんて。≫

「っ!!何者じゃ!」

 

わしが蹴り飛ばした途端、闇のものは動きを止め、どこからともなく声が聞こえ始める。

その声はどこか聞き覚えがある声で、つい最近知った声だ。

すると、闇のものの背後が裂けその場から見覚えのある美女が現れる。

 

「あらあら、しかもこの時代・・・このファントム。一体、どういうつもりなのかしら・・・あら?」

「お前・・・その妖気」

「うふふふ・・・お久しぶりですね。”神祖 アイリス・ノスフェラトゥ・スカーレット嬢”」

 

次の瞬間には、わしはその女を殺した。

わしは、その名で呼ばれること好かん。呼ばれるだけで虫唾が走るのである。

元々、その名はわしのものではく、わしの敬愛する旦那様の名前であった・・・

しかし、その旦那様がしんだら、そのノスフェラトゥという名前がいつの間にかわしにつけられていた。

人の手によって・・・他者の想いによって、わしはノスフェラトゥという名前を強制的に名乗らされるのである。

本当に腹立たしい・・・

 

≪まあ、ひどいですわね。淑女とは思えない残虐性・・・流石はノスフェラトゥと名乗るほどですわね」

「貴様・・・わしを愚弄しているのか?その名は、わしの名ではない。その名で呼ぶのはやめろ!」

「確か、貴女の旦那様?の名前でしたわよね?・・・確か・・・・・・ああ、”クリス・ティア・ノスフェラトゥ”卿でしたっけ?」

「!?なぜ、その名を知っている!」

 

クリス・ティア・ノスフェラトゥ。

わしの一番大切な旦那様、わしを大切にしてくれて誰よりも優しかった吸血鬼。

過去に生きた、わしらと一緒に蓬莱人が地上にいたころで生きていたこあの時からの親友であり、恋人であり大切な人だった。

クリス・ティア・ノスフェラトゥは、残念ながら過去の人妖大戦で、妖怪の裏切りにあい死んでしまった。

その妖怪たちもすでに蓬莱人の手によって滅ぼされている。

 

「あら、私がその名を知っているわけは、私は過去にも未来にも干渉できるから。そう言ったら?」

「それは、外なる神のルールに反することじゃ!」

「うふふ?そうでしたっけ?外なる神・・・ああ、クトゥルフなら私が全滅させましたわよ?」

「な!?」

 

クトゥルフ・・・外なる神の呼び方である。

それを・・・殺した!?

 

「無論、この世界の・・・ではありませんが。私の世界のです。」

「どういう!?」

「まあ・・・貴方とはもう二度と会わないでしょうし・・・名乗らせていただきましょう」

 

「我が名は、常闇”XX X”。」

 

なっ・・・

 




はい、今回最大の敵役常闇”XX X”登場!
出現の仕方といい、やられた後といい本当に謎が多いキャラですね!(棒読み)
いやぁ、おそろしいですねぇ(棒)
一体どこの女の子なんだぁ(棒)

というわけで、アイリスとクリスのステータス紹介!


アイリス・スカーレット
年齢:不明
性別:女
性格:甘えん坊なのじゃロリ、しかし怒るとすごく怖い。
口調:じゃ、のだ
程度の能力:運命を自由に操る程度の能力、他者の性質を見抜く程度の能力

甘えん坊で、可愛いもの好き性格的には普通のロリと一緒で甘いもの大好き。
ただし、厳格で厳しいこともある。それは、身内とか知り合いの前だとない。
厳格なのは、他人や配下がいるときだけ。それ以外は可愛いロリである。
また、二つ名は”神祖”と呼ばれている。

クリス・ティア・ノスフェラトゥ
年齢:不明(故)
性別:男
性格:やさしさの塊で、大切なものに手を出すならすごく怒る。
口調:特になし
程度の能力:生き物と意思疎通ができる程度の能力、蜂を操る程度の能力

優しい男の吸血鬼。
元は、蓬莱人であったが、アイリスと出会いアイリスと結ばれるがために人であることをやめた元人間。アイリスとは両思いで、望んで人外になったタイプ。
能力的にはなんと、ルーミアまでも凌駕する力を持っている。
しかし、吸血鬼になった時に瀕死だったことからその命は長く続かなかった
(まあ吸血鬼しかも神祖のだから、長い間生きていたんだけどね)
某物語の主人公と被っているが、まったく違う。
ちなみにいうと、転生者である。
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