幻想物語=八雲紫の物語=   作:ライドウ

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夏の終わりまで、あと12日

うん、ガチでネタがない。



第二十話 アダムの祷り

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(アダム・・・何がお前をそんなに突き動かす?)

 

わしは、時雨たちの部屋から離れながらそう考える。

元々、アダムはわしの右腕的存在であった。

月人たちにつく神ではなく、生まれたばかりの野良の神であった頃のアダムは、わしをサポートし

それはそれは、わしに忠誠を誓っていた男であった。

しかしある時・・・いや、アダムが一人クリス達率いる大体の全滅を知らせに来た時。

わしは、奴にいつもとは違う雰囲気を感じていた。

いつもの、忠誠から来る視線ではなく、まるで一人の女を見る目でわしを見ていたのだ。

その時は、すでにクリスと結婚しておったし、それは周知の事実ゆえに覆せないものだった。

じゃが、その時のわしはそんな冷静な判断はできなかった。

 

(あの時、アダムの優しさ(策謀)に気付いておれば・・・)

 

私は、アダムに抱かれることはなかった。

 

私の体はクリスだけの体のままであってほしかった。

 

だけど、あの男の優しさに、冷静ではないとはいえ負けてしまい・・・

 

「このような生き恥をさらすとはっ!!」

 

そう叫んで立ち止り近くの壁を殴りつける。

そして、忌々しいアダムの痕跡・・・聖印に手を触れる。

この聖印は、わしがアダムの所有物ということを示す刻印で、抱かれていた時にいつの間にかつけられてしまっていた。

 

「こんな夜更けに、叫び声をあげるなんて。貴女らしくないわね。」

「・・・ルーミア、か」

 

背後から、ルーミアが近づいてくる。

生まれたとき・・・月人の恐怖でわしたちが形作られたときから一緒にいる親友。

あの時、外なる神に呼ばれていたため、クリスが死んだこともわしがアダムに抱かれたことに対して憤怒を示し

アダムを殺してくれた・・・しかし、アダムは・・・

そんな考えをしていると、ルーミアが両頬を優しく潰した。

 

「にゃっ、にゃにをすりゅ!?」

「そんな辛気臭い顔しないの、貴女らしくもない。そんなにクリスを裏切ったのがつらいの?」

 

・・・そう、わしは、裏切ってしまった。

わしの死なない生涯をかけてクリスだけを愛すと決めていたのに・・・だというのに

そんなクリスに嫉妬し、殺してまで私を奪ったアダム・・・・・・許さない。

 

「貴女がつらいのはわかるわ。でも、アダムを許せないのは、私も同じなの」

「そりぇがどぉしぃた」

「私が、耐えてるの。アイリスも耐えて。」

 

・・・そうだった、わしよりつらい思いをしてるのは誰でもないルーミアだった。

ルーミアはその時には子供がいた、妖怪ととある神”八十禍津日神(やそまがつひ)”と結婚し、その神様との子供を無残に殺されてしまっている。

目はえぐられ、舌は斬られ、四肢は引きちぎられ、はらわたは食いちぎられていた。

フェンリルという、アダムが飼っていた狼に食われ、そして誰にも助けを求められぬまま死んでいた。

その日、わしはアダムに抱かれ・・・ルーミアは月人を殲滅したのであった。

 

そう、総ては奴の計画の通りであった。

 

「だから、私たちは」

「いつか、あやつを殺す」

 

「「復讐は、まだ消えてない」」

 

わしとルーミアの声が重なると、重苦しい雰囲気があたりを包む。

そう、コロス。わしたちはアダムを殺すのだ。

 

「わしは、この聖印を消すために」

「私は、あの子の敵討ちの為に」

 

 

 

「ふふ、ふはははっ」

「くす、くすすっ」

 

 

 

 

「ああ、殺すのが楽しみだ」

「ええ、殺すのが楽しみね」

 

 

 

多分、今のわしたちは時雨たちには見せてはいけないだろう。

何となくそう思った私たちであった。

 

翌日 早朝

 

「もう行ってしまうのか?寂しいのぉ?」

「もう少し、ゆっくりとできないの?」

 

昨日ひと悶着あった数時間後には、太陽が昇り、時雨たちは旅支度を整えていた。

わしの後ろには、つい昨日雇ったメイド”十六夜咲夜”がちょっと寂しそな顔でシュンとしていた。これ、お主はイヌか。

時雨が言うに長居をしてしまうと、居心地が良すぎて帰れなくなってしまうらしい。

それに、帰らなくてはいけない事情があるため、わしはおとなしく引き下がった。

それに、紫のこともあるからの・・・引き下がらんとわしは、多分・・・

 

「アイリス様!咲夜さん!また、お会いしましょう!」

「・・・!。ああ、また会おう、紫。今度は、大きくなった姿でな」

「紫、元気でね!風邪ひかないようにね!」

「うん!ばいばい!」

 

相変わらず、紫は元気じゃ。

まだ何も知らない乙女、世界の厳しさを知らない子供、願わくばその純粋さが失われないことを願う。そう願いを込めて見送る。

紫が、紫たちの故郷につながる”スキマ”を開いて、時雨たちがそれに入ってゆく、時雨、ルーミア、そして最後に紫。

 

紫が入ると、スキマは閉じ、そこには何事もなかったかのような静寂さがあった。

 

Ei bine, Sakuya.(さて、咲夜よ)

Care este stăpânul tău?(はっ、何の御用でしょうか。ご主人様)

「|În principal, părăsiți șeful servitoare. Încurajați-mă.《お主にはメイド長を任せる。励めよ》」

După cum spuneți(仰せのままに)

 

さて、わしは百年ほど眠るとするかのぉ・・・

寝ている間に、滅亡なんてしなければよいのだがな・・・

 

 

 




何とかかけた|A`)
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