side:yukari
あの後、映姫さまに答えを言ったのち師匠と一緒にこの屋敷の主にあいさつをすることになった。
ルーミア様はすでに知っているらしく、私はパスと言っていた。
今日は非番らしい妖忌さんが、先頭を歩き、それに私と時雨師匠、そして幽香ちゃんの順でついて行っている。
「それにしても、師匠に妹さんがいたんですね・・・」
「うん・・・私も、驚き。新しい弟子を取るだなんて・・・」
「うっ・・・ま、まあまあ。」
私が戻った時には幽香ちゃんは師匠にべったりでヤル気に満ちていた。
でも、私が警戒していると内気な性格ゆえか大人しくなって、とても可愛らしかったので撫でると懐かれたのであった。
「ここだ。くれぐれも、粗相のないようにな。」
「「はいっ」」
「特にそこの男、もし幽々子様に手を出してみろ。貴様を慈悲なく斬り捨てる。」
「あーう!?」
流石妖忌さん。
私と優華ちゃんの会話から、師匠が天然ジゴロなのに気付いたのだろう。
流石の師匠も言われるとは思っていなかったのか悲鳴らしきものを上げて壊れた人形のように首を縦に振っていた。
あの師匠が冷や汗をかくのだから妖忌さんの妖力は相当なのだろう。
「幽々子様、客を連れてまいりました。」
〈お入りなさい〉
「は、失礼いたします。」
妖忌さんが丁寧に豪華な襖をあけ私たちに入るようにジェスチャーする。
その襖の奥にいたのは、私と幽香ちゃんとは同い年であろう少女だ。
でも、その霊力は今にも消え入りそうでとても弱っていた。
しかし、相手はこの屋敷の主。失礼のないようにしないと。
幽々子様に失礼のないように気を付けながら座布団に座る。
幽香ちゃんも礼儀をわきまえているようでおとなしく座った。
師匠は、うん。正座。
「初めまして、私はこの屋敷の主。西行寺の娘、西行寺幽々子と申します」
「これは、ご丁寧に。私は、この度このお屋敷に泊めていただく旅人、雨月 時雨と申します。それで、この緑が髪の子が妹の風見幽香、金髪の髪の子が弟子の八雲紫です」
師匠が私たちを紹介したので私たちは息を合わせてお辞儀をする。
幽々子さんはうふふと、口を扇子で隠しながら笑った
どうやら、師匠の紹介の仕方がおかしかったようでとても可愛らしい笑みを浮かべていた。
「うふふ、失礼しました。とても面白い方々のようね。」
(師匠、師匠のせいですからね)
(あーう!?なんで?!)
とりあえず師匠のせいにして、私が話を進める。
師匠に残された日数をこの白玉楼で過ごすというもの。
それを聞いた幽々子さんは、真剣な表情で見ているがどことなく怖い雰囲気が立ち込める。
私の言い方が気に食わないのだろうか・・・いや、これはむしろ。
懐にしまっておいた、咲夜さんからもらった銀のナイフを取り出し襖に向けて投げる。
そのナイフは、見事に何かに突き刺さり、襖の向こうで倒れる音がする。
その以上を感じ取った幽香ちゃんと師匠は臨戦態勢に入る。
しばらくうめき声が聞こえたが、妖忌さんらしい人影が刀を抜きそしてその盗み聞ぎしてた存在の命を摘み取る。
「・・・気付いていたのに、教えてくださらないんですね」
「いえいえ、試金石でしたの。合格ですわ・・・閻魔様の要請に応じ、あなた達をかくまうとしましょう。」
「・・・感謝です。」
「あ、あと、ちょっといいかしら?」
あの後解散し、しばらくの自由時間で屋敷を散策していると幽々子さんが私たち・・・私と幽香ちゃんに話しかけてくる。
私と幽香ちゃんは頷くと幽々子さんが恥ずかしそうにもじもじする。
「あの、よかったらなんだけどね・・・」
「??なんでしょうか・・・」
「わ、私と、友達に、なってくれないかしら?」
多分、幽々子さんはかなりの勇気を振り絞ったのだろう。
いや、実際今も怖いだろう、脚が少し震えてるし奥の方で妖忌さんが心配そうに見守っている。
私と幽香ちゃんは目配せし
「「もちろん!!よろしくね!!」」
二人で、幽々子ちゃんの手を取ったのであった。