幻想物語=八雲紫の物語=   作:ライドウ

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夏の終わりまで、8日。


第二十四話 アダムの宣戦布告。

【我々は、世界を変える】

 

【我々は、総てを変える必要がある】

 

【我々は、人を救済する】

 

【この世に、人ならざる者は必要ない。】

 

【故に我々は、この世界すべての人ならざる者に宣戦布告する!!】

 

【すべては、人類の楽園のために!!】

 

「「「「「「「「すべては、人類の楽園のために!!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

アダムが、全世界の妖怪に対し宣戦布告し1時間。

もうあちらこちらでは、妖怪と使徒の戦いが始まっているらしい。

しかも、使徒たちは、人類すべてを眠らせるという荒業を使ってまでだ。

だけど、白玉楼にいる私たちは何もできない。

師匠を護るためでもあり、この冥界から許可なく外に出られないからだ。

それに、アダムたちが狙っているのは師匠・・・つまりは時雨師匠その人だ。

師匠を殺されてしまえば私たちの敗北、逆に師匠の期限間師匠を守り通せば妖怪たちの勝利。

だから、言い換えれば私たちがここに来たのは師匠を護るためであり

私たちは師匠を護る最後の砦ということだ。

幸いにもこの霊界の入り口は隠されていて簡単に見つけることはできない。

なにせこの霊界自体が強力な結界に覆われており、半端な天使でもそこにあると思えないほど精密な結界だ。

 

「・・・でも、どうしても不安がぬぐいきれない」

 

私は、扇子をぱっと閉じてその結界を睨む。

そう、今日という日になってからなぜか不安が襲っているのだ。

しかし、睨んでも何かが変わるというわけでもなくただそこには雲に覆われ桜の花びらが舞う空があるだけだ。

でも、私にはわかる。あの結界の外側にはもう使徒と天使たちがわらわらと集まっている。

多分、そこに何かがあるとわかってはいるものの入る手段がない。というものだろう。

 

(いつあの結界が突破されるかわからない・・・師匠と幽々子ちゃんは私が必ず守り切る。)

「まーた難しいこと考えてんのかぁ?紫ぃ?」

「うるさいわね、あなたは大好きなお酒でも・・・って、萃香!?」

 

(この時点で紫と萃香は喧嘩しあったもの同士仲良くなってます)

 

「はっはっはっ!桜を見ながら一杯ってか?花見酒はいいぞ?」

「てか、萃香が来たってことは・・・」

「ああ、勇義もいるぜ?死神たちの宴会に飛び込んでった。」

「・・・はぁ」

 

あの人、酔いが頂点に達すると地面に頭から突き刺さるから心配だ・・・

でもまあ、これでちょっと安心できたかもしれない、何せあの”伊吹童子”に”星熊童子”だ。

何ならルーミア様だっている。

 

「・・・紫、あいつらはどうして時雨を狙う?」

「わからない。でも、師匠を殺すことで何かが解放される。そう私は思う。」

「解放・・・ねぇ。まあ、あいつらの事情が何であれ、時雨を殺させるわけにはいかない」

「誰のために?」

「そりゃ私のため・・・と言いたいところなんだけど。流石に負けてるかぁ」

「ふふ、あの時の師匠、顔赤くってかわいかったなぁー」

「むーっ、今に見てろよ紫!私が時雨を振り向かせるからな!!」

「ふ、させないわよ」

「それに、紫は私の喧嘩友達でもあるんだ。仮にあいつらが入ってきても、死ぬんじゃねぇぞ。」

「・・・ええ、もちろんよ。私も死なないし、師匠もあの子も殺させない。」

 

私は、覚悟を決めて結界を睨んだ。

 

 

side:ru-mia

 

「もうすぐ、ね」

 

私の胸に刻まれている聖印が疼きだし、アイツを迎え入れようと理性が覆っていく。

アイツなんかにひれ伏したくない、アイツなんかに二度と体を触られたくない。

そう自分に言い聞かせ、理性を本能で打ち消す。

 

「ああ、早く殺して。この苦痛から逃れたいわ・・・」

 

結界の外側に確実にいるであろうあいつに向けてどす黒い殺気を飛ばす。

そして闇を操り、アイリスから借りた剣、ダインスレイブを抜き放つ。

私を恥辱し弄び、寝込みを襲ったアイツを私は絶対に許さない。

アイツのせいで、あの人とあの子は死んでしまった。

 

ならば・・・

 

「あの二人が受けた分まで、痛めつける。」

 

あの子に・・・紫ちゃんに見せられない。

私の黒い部分。紫ちゃんには、お月さまに行ったと言ったけれど、あいつに殺された。

あの子も生きていれば今頃は紫ちゃんと同じ年齢のはずだった。

 

ダカラアダム・・・お前だけは。

 

「私が、コロス。」

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