八雲紫が復帰、突撃したのを皮切りに死神たちの士気が跳ね上がる。
踊るように使徒や天使を倒す八雲紫のその姿に勇気づけられ、我先にと敵に突っ込み始めたのである。
そんな八雲紫を見た、星熊勇儀と伊吹萃香、風見幽香は防戦から攻戦へと移行。
包囲網の一点突破により、使徒や天使たちの士気統制は一気に失われバラバラに動き始めてもはや集団戦において死神たちの優勢は明らかだった。
そんな中、ルーミア・ブラックムーンとアダム・ファーストの戦いにも決着がつき始めていた。
徐々にルーミアがアダムのペースを乱し、狂わせ、自分のペースに巻き込んだことで完全にルーミアが圧倒しているのである。
更に、ここで来ないと思われていた欧州の吸血鬼連合”アイリス一派”が援軍として到着。
完全に天使と使徒たちの軍隊は瓦解した。
しかし、天使と使徒たちも最後のあがきのように八雲紫を集中攻撃し始めたのである。
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side:yakumo yukari
12体を超えるとても強い天使と使徒に囲まれる。
この12体は、明らかに私が叶わない相手だ。
逃げることも、戦うことも敵わない。もう何百体かは忘れたけど、かなり長く戦って私も消耗している。
「はぁ・・・はぁ・・・畜生っ」
小さく毒づく、どう見ても私を倒しに来ている。
いや、明らかに殺そうとしている。
「手間取らせてくれたな・・・お前たち!一気に畳みかけるぞ!」
その言葉を皮切りにそいつらが一斉に飛び掛かる。
ああ、だめだスキマを展開する気力さえ残ってない。
私に手段はもう残されていない。アイリスに渡されたあれも、使用には妖力が必要で、その妖力すら残っていない。ああ・・・私は、ここで終わるの?終わりたくない・・・でもっ・・・
「もらった!!」
・・・これで、終わり・・・なのね。
「らしくないですね。」
諦めかけたその時、私と同じ姿の少女が私の目の前に現れる。
その禍々しい力は、どこか知っている。いや、今日、その力をふるったじゃないか。
その力は、紛れもない”
「なっ!?」
「邪魔だ、今私はこの子と話してるんだ。」
”ヤクモユカリ”は、飛び掛かっていたそいつら軽く殴る。
すると、そいつらは何かに強く殴られたかのようにどこかに吹き飛んでいったのである。
「さて、こうして対面するのは初めてですね」
「・・・貴女は、私なの?」
「いえ、私は九尾であり、あなたではありません。この姿をしているのもまだ私の力が不完全なのです。」
彼女がとある記憶を私に流し込んでくる。
あのぬらりひょんに捕まる前、捕まったあと、師匠にあったそのあとすべての記憶を見せてくれた。
「貴女には、申し訳ないことをした。そして私は、貴女に返せないほどの恩がある。」
「・・・どうして?」
「・・・私に、名を。貴女様から、私に。」
「名前・・・今じゃないとだめなの?」
「ええ」
そんなに急に言われても・・・
「・・・そうだ、藍っ・・・八雲 藍なんてどう?」
「八雲・・・藍?」
「そう!紫の近い色!!」
「・・・藍・・・八雲藍・・・私の名前。」
そう名前を付けた途端、藍の姿が変わった。
金色でキレイな九つの狐のしっぽ、私とは違う女性らしい姿に変わる。
その姿は、どこか私と似ていて、私とは似てないところも多い。
だけどいえることは、八雲藍は私の力を少しだけ持っている。
「不肖、八雲藍。これより、八雲紫に仕えましょう。」
「藍・・・早速だけど」
「ええ、」
藍との契約(?)が果たされた途端、さっき藍が吹き飛ばした使徒と天使が戻って来た。
藍を見た途端、警戒するけどこの数なら負けないだろうと油断している。
「いまさら数が増えたところで・・・ガキが!!」
そいつらがじりじりと私たちに近寄ってくる。
「藍、」
「はい、なんですか?紫様」
「勝つわよ」
「そのつもりです。紫様」