前回のあらすじ
よくある必殺技を放ってCMにはいるやつ。
「三歩必殺っ!」
「時雨流・・・桜花剣雷!」
世界がスローになり、萃香さんの動きしか見えなくなる。
一歩・・・二歩・・・
「さああぁぁぁぁぁんっ!!」
「っ!」
三歩と同時に放たれたそれを紙一重でかわし傘で切り上げる。
それを萃香さんはぎりぎりで回避して、バク転しながら私と距離をとる。
私も、バックステップで向き直す。
そして、紫のゆったりとしたドレスから、動きやすい、服装に変える。
それに合わせて、傘を閉じて布が外れないようにしっかりと固定する。
萃香さんも、腕にしてあった枷を外した。
「ここから、本気を出させてもらいます」
「ああ、奇遇だな。私もだっ!」
二人同時に飛び出す。
私は、傘で”切りかかり”、萃香さんは固くした腕でそれを捌く
一撃・・・二撃・・・三撃目っ!
「時雨流っ!夕立流しっ!」
「なっ!!」
師匠に教えてもらった刀のカウンター技で萃香さんに切りかかる。
だけど、萃香さんはそれを霧になることで回避し、また私に殴りかかる。
それを、少しだけ伏せるだけで避けて、また切りかかる。
「くそっ!しつこいなっ!お前っ!」
「それは、貴女もです!!」
「へっ!!」
萃香さんも、独自の格闘技で殴り掛かる。
それは、どこか師匠と同じ型で予想が少しだけ早くつくが師匠とは別の強さがありよけづらい。
だけど、師匠と同じような感じなのでぎりぎりで回避し、そのまま切りつける。
「ぐっ!」
「まずは・・・一撃!」
「まだまだ・・・あたしは、これ程度じゃないぞ!」
多分、第三者から見れば私たちは高速で斬りあい、殴りあっているであろう。
それは、師匠の元で修業した自然発生型の私と、師匠に恋し強くなった鬼という種族故の萃香さんだからなせる業だろう。
だから、こんなに戦えている。
「お前がっ!時雨を助けれない理由もっ!かなえたい望みもあることはっ!知っている!」
「っ!なら、なぜっ!」
「それと同じぐらいにっ!私は、時雨が好きなんだよ!私の我儘!?上等!私は鬼だ!我儘で何が悪い!」
「ならっ!私は負けられない!師匠の大義を、叶えるために!我儘でっ!師匠の夢を途切れさせないためにもっ!!」
「私はっ!」「あたしはっ!」
「「負けられないっ!!」」
「「ラストワードっ!!」」
「深弾幕結界-夢幻泡影-!!」
「百万鬼夜行!!」
私と、萃香さんの渾身の弾幕。
お互いの弾幕が、相殺しあい・・・やがて、用法の弾幕が途切れ
私たちはたがいに倒れた。
「どーだ、あたしの・・・勝ちだ。」
「いいえ・・・私の・・・勝ちです。」
大の字に倒れた私たちは、二人して笑いあう。
こんなに、楽しく戦ったのは、いつ以来だろう。
いや、私としては初めてだ。でも、おそらく萃香さんとしては懐かしいものなのだろう。
私と萃香さんは、何とか立ち上がった。
「へへ、こりゃ・・・あたしの負けだな。」
「やっと・・・わかってくれましたか。」
「ああ、よく考えりゃ。あたしが馬鹿だったんだよな。」
お互いにまた笑いあい、握手を
「「「陰陽結界!」」」
「っ?!」「なっ!?」
できなかった。
握手しようとしたら、人間がどこからともなく現れ、私と萃香さんを結界で動けなくした。
たぶん、この人間たちは私たちどちらかがつかれて封印か討伐しやすいように近づくまで待っていたのであろう。
なんと汚い・・・もうっ!うごけないっ!
「ふはははっ!まんまとこちらの計画通りに動いてくれたな!妖め!」
「おっ、お前はっ源頼光っ!!」
萃香さんは、横目で睨みつつ動こうと足掻く
頼光は、ははは!と気持ち悪く笑い刀を引き抜く
まさか、私たちを殺すつもり?!
「くそっ!おまえっ!永遠に呪ってやる!」
「はっ、やれるものならばやるがいいっ!酒呑童子、うちとった」
「させねぇよ。」
頼光が刀を振りかぶったと同時、何かが飛び込んできて頼光を弾き飛ばした。
だけど、頼光は吹き飛ばされながらも体勢を元に戻し、その影をにらみつけた。
「なんだっ!貴様っ!」
「”俺”は、ただのこいつらの保護者だ。」
その何かとは目を覚ました師匠。
ああほんと、この
私と、萃香さんは同時に頬を赤く染め上げへなへなと女の子座りをする。
「さてと、俺の知り合いに手を・・・いや、刀を振り上げたことの弁明を聞こうか?」
「ふんっ!妖を斬ろうとして何が悪い!」
「対話の余地なし。・・・寄らば、斬る!」
師匠がそう叫んだ途端、人間たちが次々と師匠に襲い掛かった。
だけど、それを師匠は雨簾の峰で気絶させてゆき頼光以外はすべて倒した。
さすが、師匠。でも・・・大丈夫なのだろうか
「さあ、どうした。」
「ぐっ、おっ。己えぇぇぇぇっ!!」
そう叫びながら頼光は逃げ出した。
そして、刀をしまう師匠も様になってしまっていた。
ああ、この人はなんでこういう時に限ってさらにそういう風に感じてしまうのだろう。
「・・・大丈夫か。二人とも。」
「「・・・・・・」」
「ふ、ふたりとも?」
「「ぼそっ・・・(ばーか)」」
本当にこの人は、どうしようもなく馬鹿でかっこいい。
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side 萃香
あの後、私たち二人とも時雨に怒られてしまい。
二人とも頭にたんこぶを作る結果となった。
紫に倒された鬼たちも続々と復活し、紫にトラウマを抱いてしまっていた。
まあ、仕方ない…とは思うが・・・
「で、貴女は。どうするんですか?」
「あきらめるさ。あきらめて、あっちからくることにかけるさ。」
「あきらめてないじゃないですか。」
「あたしは待つことにしたんだよ。」
「そうですか。」
そう、私は待つことにしたのだ。
私から、グイグイ行ったって時雨はそれに気づきはしない。
だって時雨は、クソ天然ジゴロで鈍感だ。
だから、あっちから気付くのを待つ・・・多分、叶わないだろうけど。
時雨は、天狗と飲みに行ったのでその間に紫と話し合う。
「なあ、紫。」
「なんですか?萃香さん?」
「お前は、時雨の夢をかなえるために。その気持ちを押さえつけるのか?」
「・・・ええ、私は、最後まで師匠の知る私でいる。」
「それでいいのかい?」
「・・・・・・」
ああ、こいつは迷っている。
私がそうであったように、紫も紫でとことんまで迷っている。
自分の恋を打ち明けるか、そのまま秘めたままにするか・・・
「紫、もし、もしつらくなったらこいつに思いを込めてほしい」
私は、そういいながら私の力で作り上げたお札を渡す。
こいつに、紫の妖力が反応すれば私がすぐにでも飛んでいける優れものだ。
紫はそれを、恐る恐る受け取り懐にしまい込んだ。
「つらくなったら、いつでも私を頼れ。」
「わかりました・・・萃香さん。ありがとうございます。」
こいつは、泣きそうな瞳をしながらも笑って見せた。
多分、今でも悲しいのであろう。時雨は、必ず死ぬそれを一番よく知ってて
そして、その時雨に期待されている。そういうことだから、あんなに泣きそうなのだろうか。
私にはよくわからないが、紫の気持ちはよくわかっていた。
「紫、泣きたいときは、泣いていいんだぞ」
「・・・私は、まだ泣きません。泣くときは、死ぬときです」
「・・・そうかい」
紫は、とても強いな。
私はそう、つぶやいた。
いや、あれは強さなんかじゃない。
紫のあれは、ただの強がり、空元気・・・無理をして元気を出している。
紫・・・壊れるなよ。
最後の最後で、仲直り。
そして、クソ天然ジゴロの役得である。
クソ天然ジゴロ地獄落ちればいいのに
「ドーモ、サクシャ=サン。エイキデス」
アイエエエ!?エイキ=サン!?エイキ=サンナンデ!?
「イリャアァァァっ!!」
ウオオォォッ!!