真夏に咲いた一輪の恋花   作:ソウソウ

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 ポケマス………始めました。
 詳細は後書きにて。



-19-『決意×深海』

 ◇◇◇

 

 海辺の洞窟。

 

「どうしてマナが………」

 

 本来いる筈のない存在。

 一方でイカロス率いるハンター達の最終目的でもあるマナフィ。私はもうてっきり、イカロスの手に堕ちたものかと思っていた。

 だが、現実は違う。私のアシマリとキャっキャとじゃれあい始めたその姿はまさに本物そのものである。

 余計に思考が混乱する。

 アシマリのボールにマナフィが入っていた。なら、マナフィのいたマスターボールにはアシマリがいるという事に。

 

「ソウさんはマリーのボールを渡してきた。でも、実際に入っていたのはマナ。ソウさん本人はこれを知って………?

 ううん、違う。わざと入れ替えたんだ。ハンターも自然とマナフィはマスターボールにいると思い込んでいるから。

 え?だとしても私に託す必要がある?アシマリにしかいない私にマナを守れる手段なんて………」

 

 ―――おニィは言ってたよ 。

 

「マ、マナ………!?」

 

 そうだ。

 この子、テレパシーが使えるんだった。唐突に話し掛けてくるから、つい驚いてしまう。

 マナの言う「おニィ」はきっと彼を意味する。この子とまともに対面して話すのは今が初体験だけど、不思議とそう断言出来た。

 

 ―――マナにはスイレンと居て欲しいって。

 

「それって………」

 

 マナの言葉が真実であるなら。

 彼は私に故意にマナのボールを委ねてきた事になる。他でもない私とマナを一緒に居させる為に。

 

 ―――じゃあ、行こ!

 

「えっと、何処に?」

 

 マナフィは小さな手を伸ばす。

 私の心は向けて伸びるその手に躊躇いが生じてしまった。

 彼の無事も不明なままなのだ。彼が安全だとこの目で確証が得られるまで、消えない心のざわつきは収まらない。

 

 ―――おうち!

 

「うん。おうち?」

 

 ………お家ってこと?

 

 だとすれば、マナフィの希望は故郷への帰還となる。確かそれは、彼が上げていたマナフィの安全を保障する方法の候補にもあった筈。

 無論、何よりも本人がそれを望むのであれば、叶えさせてあげたい所存。勿論、処理すべき問題は沢山あるが。

 特に優先すべきな問題が―――

 

「でも、マナの住む場所ってどこ?」

 

 この一点に尽きる。

 帰る場所の方角が分からないと適当に、こっちだろうかと選んで進むなんて行為は無駄でしかない。

 

 ―――あっち!

 

 マナフィの指差すそれはまさに()

 ごめんね、それはもう知ってる。でも、海と言えど、世界の内で広大な範囲を占めており、マナフィの住み処はその一部分に過ぎない。

 アローラの島育ちである一般人の私に海の中にあるマナフィの家を探す等、無謀としか思えない。

 一体、何年かかるのだろう。下手をすれば、人生を何周しても達成ならずな可能性だってあるのに。

 

 ―――はやく行くの!!

 

 だが、マナフィは諦めない。

 頑固な姿勢を見せるマナフィは私の左足に飛び付いて来た。可愛い。

 ぶんぶんと頭を振るもんだから、ぺちぺちと二つの触角が私の太股に当たる。

 

「もう………分かったから。行こっか」

 

 昔から、他人の押しに弱い私。

 きっとマオのせいでもあるから、軽く脳内でマオを恨みつつも優しくマナフィを剥がし、抱き抱える。

 またしてもマナフィが水着を引っ張る。

 

 ―――海っ~!海っ~!海っ~!

 

 嬉しそうなマナフィ。

 余程、自分の故郷に戻れるのが嬉しいらしい。

 海へと向けて足を踏み出し―――

 

「………ソウさん」

 

 その足が固まる。

 肝心の問題がまだ未解決。彼の身元の安全の保障がない現状でマナフィの故郷へ移動するのは不安で心中がいっぱいだ。

 せめて。せめて、彼の居場所だけでも知れれば。

 

 ―――おにぃと一緒だね。

 

「へ?」

 

 私にはその意味が理解出来ず。

 マナフィ本人も特にこだわりはないのかそれ以上のテレパシー越しの言葉は伝わってこない。

 と、私のアシマリが急に顔マネを。

 

「アシマリ?急にどうしたの?………えっと。あの怖い人も………海に行くって言いたい?あっ正解。つまり、ソウさんも一緒に………はっ!!」

 

 言い分は理解した。

 まだアシマリとマナフィのボールすり替え作戦が効いていると仮定しての話だが、次にイカロスがやるべき行為はマナフィの海の王子としての力を行使する準備。

 つまり、海底神殿に赴くこと。そこにある祭壇で儀式を行えば、マナフィだけが持つ特殊な力を手に入れられる。

 

 あれ?………何故、私がその事実を知ってるの?

 

 ううん、それに関しては後回し。

 つまり、イカロスは十中八九の可能性で彼と共に海底神殿に姿を現すだろう。先回りすれば、隙を突いて彼を救出出来るかもしれない。

 行くか。行かないか。

 

「うん………行こう」

 

 覚悟を決める。

 海に入るに辺り、邪魔な服は全て脱げ捨てた。水着だけ。いつもの私へと。

 ポケモン達も自然と私の回りに集まる。

 

「目標はソウさんを助ける。その為に私達はこれから、マナの故郷である海底神殿に向かいます。みんな、準備は良い?」

 

 アシマリ。

 私の隣にいる相棒。左ヒレを額に当てて、大きく敬礼した姿勢を貫く。

 ブラッキー。

 彼の信頼する一番のポケモン。普段のクールさも一緒に揺らぎなく私の瞳を見つめてくる。

 ラティアス。

 初対面でちょっぴりトラウマを植え付けられた子。翼の怪我が心配だが、まだまだ平気だと訴えてきている。

 クチート。

 いつの間にか恋敵に認定された。でも、今回は彼の為とあってか私にちゃんと協力してくれるみたい。

 

 そして―――マナ。

 騒動の張本人。とは言え、本人に罪はない。私に成せる事はこの子を故郷に帰る最後まで見届ける事にある。

 

「よし。アシマリ、バルーン」

 

 アシマリ特製の巨大バルーン。

 毎日の特訓の成果もあってか、人一人は余裕で囲える。

 海面に浮かせたバルーンはアシマリの鼻から出ている状態。この状態であれば、多少の外部の衝撃にも即対処が可能だ。

 私はそっと足を差し出す。右足がバルーンにすっぽりと入り、左足、腰、お腹と続く。

 最後に顔を入れるとアシマリが仕上げにバルーンを完全に孤立させる。

 

「ラ」

「クチッ!」

「ッ!!」

 

 他の子達もバルーン作業を終える。

 残ったのはマナだけ。でも、マナ自身が海のポケモン。自分の力で泳ぐだろう。

 実際に、海の中へと意気揚々と飛び込むその姿を私は微笑ましく眺めていた。

 

「マーナ!マーナ!」

 

 と、私のバルーンが急に海中に。

 

「な、何っ!?」

 

 慌てるも、すぐにアシマリが視界に。

 首を横に振り、慌てる必要はないとばかりにヒレである方向を指差す。

 そこには私と同じように海中に引きずり込まれた三つのバルーン。そのどれもが青白く輝く光に包まれていた。

 

 ―――ゴー!

 

 すると、勝手にバルーンが動く。

 私の脳内に届いたマナフィの念話が気になったので、様子を伺うとマナフィの頭にある二つの触角もまた青白く光輝いていた。

 マナフィが深海へとすいすい泳ぐ。その後を追い掛けるかの如く、バルーンも自動追尾を始めた。

 これはどうやらマナフィの技らしい。恐らく、"サイコキネシス"辺りだと思う。

 ぐんぐんと進むバルーン。水中だとは思えない高速っぷり。アシマリが必死に私のバルーンにしがみついていたので、中に入れてあげる。

 

「オゥ………」

 

 ごめんね。私も驚いてるから。

 行き先はマナフィの案内があるので到着に関しては問題は無い。が、正直な所、不安しかない。

 でも、彼が危険な目に遭ってる。そう考えるだけで私は不思議と立ち向かえる勇気が芽生えてくる。

 

「ソウさん………今行きます………!!」

 

 決戦の舞台が―――幕を下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -20- へ続く。




 ◇◇◇[おまけ・居残り組]

「ラグ?」

 取り残されたラグラージ。

「タジャ」

 同じく放置されたツタージャ。

「「………」」

 地面に転がるのは沢山のトレーナー。
 メガ進化が解ける以前に戦闘を完了していたラグラージとお得意の格闘で苦戦する事がなかったツタージャ。
 優秀すぎるせいで手持ち無沙汰となった。
 一応、合流だけはしたが特にこれといった次の指針はない。

「お前らか!仲間をやったのは!!」

 おっと、獲物が来た。

「ひっ!?」

 退屈しのぎには丁度良い。










*作者のぼやき
→新しく配信されたアプリ、略して「ポケマス」やってみました。
 感想を一言………。

「あれ?スイレンはまだ未実装?えっ?アイリスならいる?なら、やるか………メイちゃん、めっちゃ可愛えぇなぁ!」

 アセロラもいるし(歓喜)、のんびりと楽しんでおります。同士の方は是非フレンドに。基本は無言申請でOKですが一言、申請しましたと自分に伝えてくれれば、ほぼ確実に承認すると思いますので。

 フレコ:5065184668386661
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