ゲイツ、もう完全にソウゴのことを案じてましたよね。
そして、まさかの我が魔王2068の登場。
次回はまたウォズが第一話のようにベルト献上に使った台座を持ってましたけど、時空ドライバー、我が魔王投げようとしてない?
気になります。
「……で?なんでこの子が居るのか説明してもらえるかしら?ホッパー」
オフの日、優が嫌なものを見る目で穂波を見た後に視線を落とせば、歯をにしっと見せて笑っている美音がいる。
穂波と並べば、二人とも眼鏡をかけていることもあり、兄弟に見えるので、絵になるのだが、彼女が穂波を呼び出したのは買い物に付き合わせるためであったので腑に落ちない。
「私が行きたい、って言った!それに今日は定休日だからな!」
穂波が何かを答える前、すぐさま返事を返す美音はどことなく得意気である。
昨夜、支援ツール越しとはいえ、ヴィランに啖呵を切って見せたのは、これまでのことを思うと成長した方だと思う。
今日は偶然にもJacarandaの定休日、朝食を摂った後に出かけようとする穂波についていくという意思を見せたのは穂波は元より、蛇島は「美音ちゃんに手を出してみろ。許さないからな」とドスを聞かせた声で凄まれた。
「そういうの説明になってないから。……で、まだ聞いてないけど?私に申し開きはあるかしら?」
普段のスーツとマスク姿でなく、カジュアルな服装に身を包む優はその容姿の良さもあって似合っている。
それでも、その個性の関係で着ている服のほとんどがオーダーメイドであると穂波は知っていた。
顔をずいっと近づけ、優は人差し指で穂波の鼻をつく。
「あんまり美音が外に出たがることなんてなかったので、連れて来たんですよ。毎日、Jacarandaの厨房で料理してるので、褒美です褒美」
「昔から、あんたはその子には甘かったわね。そーゆー趣味でもあるの?」
はぁ、と溜息をついた後に優が歩き出せば、穂波もそれについていくようにすると美音も裾を引っ張ってトコトコついていく。
待ち合わせ場所が中央に時計のある広場であり、近くには噴水もある。
そんなところでなぜ優が待っていたのだろう、ということには穂波は考えていなかったが、美音は不服そうに穂波を睨んでいた。
「妹みたいな「私とハジメは家族だからな!それにハジメは優しいし!」
妹みたいな存在、といいかけたところにインターセプトを挟んでくる美音。
穂波が美音を見ると、なぜか嬉しそうにしてやったりと言わんばかりににししと笑っている。
「昔から先輩、そういうところありますよね。一言多い」
「敬意も何もあったもんじゃないわね。敬語使ってるだけで敬意感じないもの。不敬よ。もっと私のファンを見倣ったら?」
生意気な後輩の言葉に皮肉る優、しかし、いつも彼女を撮影しているファンのことを思えば、穂波はそうはなりたくなかった。
いつか足元がおぼつかない時にMt.レディに踏み潰されてしまいやしないだろうな、と思いながらテレビの様子を見ていた。
「というか、タケヤマ!前にテレビで仮面ライダーのライダーキック、パクってただろ!あれ、仮面ライダーの必殺技なんだぞ!」
あーっ!
思い出したように美音は優に噛み付いた。
彼女は熱心な仮面ライダーのフォロワーであり、最近は自分自身も仮面ライダーに“なった”ことでその熱は燃え上がっているのだろうか。
しかし、あくまで仮面ライダーとは架空の存在である。
そのように名乗っている者もいるが、過去の超常黎明期のヒーローの走り、ヴィジランテと二人いる。
しかし、どちらも実際には登録されていない非公式の存在であり、名前をアレンジしたものはいても、“仮面ライダー”と名乗っている者はいない。
過去に居た“仮面ライダー”を名乗っていた男がとあるヴィランに敗北したのをきっかけに仮面ライダーと言う名前は、敗北者の証と言ったような風潮が広がっているという説を聞いたことが穂波にはあった。
「あーら、ホッパーの妹ちゃん?あれ、お兄ちゃんに聞いてなかったのかしら?私の必殺技を考えるのに当たって、蹴りを提案したのは紛れもない貴方のお兄ちゃんなのよ?」
「えっ!?そうなのか!?ハジメ!」
「……まさか、そのまんま、パクって来るとは思わなかったけどな」
お目当ての場所であるショッピングモールに入りながら、悪い
ただ、まさか、あそこまでノリノリで「キャニオンカノン!」とノリノリで飛び蹴りを巨大ヴィランにぶつけるとは思わなかった。
その個性の関係上、個性の使用できる場所や出動場所が限られることもあるというが、デビューを派手に飾る為にあそこまでするのかと思ったのが本心である。
「おかげで、いースタートになったわー!いやあ、持つべきものは発想力に富む後輩ね!私の先輩力のおかげかしら!」
ばしばし、と穂波の背中を叩いて上機嫌そうな優。
いつものやりとりを見ているからか、また穂波が嫌な顔をするのかと心配な美音、しかし、その思惑は外れることとなる。
「流石は岳山先輩だ。ああ、あんたの先輩力のおかげだな。では、そんな先輩の先輩力を使ってもらいたいところですね」
「何でも言ってみなさい、ホッパー!可能な限り、この私が叶えてあげるわ!ええ、私には二言はないから取り下げない!」
「それは頼もしい。……美音、欲しいものがあるんだってな?この際だから言ってみるのもいいかもしれない」
「えっと、じゃあ……」
インフォメーションの前でそんなやり取りをしていると、周囲からの視線が痛い。
手慣れた様子から彼女と彼の付き合い、そして学生時代の彼らの様子が脳裏に浮かんでくるようだが、美音が見たことのない穂波の様子に美音は複雑な感情を覚えていた。
上のフロアにあるヒーローショップを見つけると、そこを指差し、見上げると笑みを浮かべた穂波の顔がある。
「じゃあ、そこにしよう。……先輩、美音に買ってあげてくださいね?」
「……なんだか、乗せられた気がするわね」
「やったー!流石はタケヤマ!いくぞ、ハジメー!」
我に返るも、もう遅い。
上機嫌な表情の美音を見ていると、それが後輩によって乗せられていたことに気づいた。
後輩の手を引く、後輩の妹のような少女が走り出せば、そのあとを慌てて彼女もついていく。
「待ちなさい、ホッパー!」
ヒーローショップ「ヴェルマー」。
国内有数のヒーローショップのチェーン店であり、そのショッピングモールでは、その中でもかなりの品揃えを誇っている。
しかし、海外から輸入したヒーローのグッズも揃えられており、休日ともなれば、マニアの姿をちらほら見かける。
店の中へ自分の好きな物を探しに消えてしまった美音、外で穂波と優が待たされている間、優はあることに気がついた。
「ねえ、あれって」
「ああ、ついにフィギュアになったんですね。おめでとうございます」
「なんか、こういうのをみると実感を感じるわね。ついになったんだなぁって」
しみじみとMt.レディ、自分がヒーローとして活動している姿のフィギュアを眺めれば、その顔が似ていないことに青筋を浮かべた。
「全然似てないじゃない!もうちょっと綺麗よ、私!」
「オフの日です、落ち着いてください。騒ぎ起こしたいんですか?」
うがーっとキレる様子に大人の余裕のようなモノは感じられない。
すると、店の奥からいっぱいのグッズを抱えながら、美音がやってきた。
よくみると、Mt.レディのグッズもある。
流石の優も、ちょっと嬉しかった。
「おお、それにするのか?」
「うん!ねえ、みてみて!グリーンが合格したんだって!」
美音が見せてくるスマートフォンの画面には、『合格しました!』と満面の笑みの緑谷が合格通知を持って映っている。
雄英志望だったとは思わなかったが、しかし、無個性だと言っていた彼がどのように入試を乗り切ったのかは気になるところだ。
「なに?知り合い?……へー、凄いじゃん」
優はふうん、と写真の少年を一瞥した後、美音の両手に抱えている物に高価なグッズがあるとみて後輩を見上げる。
「で、これ全部買ってくれますよね?先輩力で」
気持ちのいいような笑顔を見せる穂波に対し、優は後輩の腕を掴んで上目遣いを見せる。
「こんなにあったらお金足りないわ、ダーリン♪」
「駄目です」
現実は非常である。
後輩には、色仕掛けは通用しなかった。
今回のお話は何を書くのかと考えていましたが、こんな感じになりました。
どことなく、穂波の義兄に岳山さんが似てる感じに仕上がりました。