金田一少女の事件簿~元祖高校生探偵と小さくなった名探偵~ 作:ミカヅキ
金田一少女の事件簿、更新です……!!
前作までのご感想、評価、お気に入り登録どうもありがとうございます。
今回から、コナンsideの事件に戻ります。お付き合いくださいませ。
プシュ――――――…!
ブロロロロロ……!!
「さて、と……。」
バスから降り立ったはじめは、住所を確認してスマホのマップを起動させた。
「げ…。こっから徒歩で1時間半……?!」
目的地である
これからこの山道を延々登って行くのか、と思わずうんざりしたはじめだったが、もたもたしている場合ではないと意識を切り替えた。
「行くっきゃないか…。」
溜息を1つ
何故、はじめが1人こんな山道を登る事になったのか。それは3日前に
――――――――3日前。
ガララ…
「ただいま。」
「あら、おかえり。あんたに手紙が届いてたわよ。」
「手紙…?」
玄関の戸を開け、学校から帰宅したはじめに、台所からひょいっと顔を覗かせた母が下駄箱の上を指差す。
見れば、下駄箱の上に置かれたシンプルな白い長封筒の宛名には、確かに“金田一一様”の文字があった。
見覚えのある筆跡に、ドクリ、と心臓が嫌な音を立てるのが分かる。
バッ…!
急いで封筒を手に取り、裏返して送り主を確認した。
“
「っ!!」
見知った筆跡で記された、見覚えのあり過ぎる名前に、ギリッと唇を噛み締める。
(
“
そして、以前にも
「はじめ?誰からだったの?」
険しい顔をしている
「あ、ああ…。前に事件で一緒になった人。急に何だろうと思って。」
嘘は言っていない。
まして、“事件に関係した人”と聞けば、母はそれ以上は突っ込んでは来ない。事件に巻き込まれる度に、はじめが大なり小なり
「そう…。これから買い物行って来るけど、今日何が食べたい?何でも良いって言うのはダメよ。」
案の定、母はそれ以上追及する事無く、話題を変えた。
「じゃあ、寒いからキムチ鍋。シメにうどんと卵入れてね。」
「キムチ鍋か…。最近食べて無いし、白菜と豆腐、卵もあるし良いわよ。じゃ、ニラと豚肉とうどん買い足せば良いわね。」
「シメジか椎茸も入れてよ。」
「そうね。確か干し椎茸もあった
「分かってるよ。それまで宿題してるから、帰ってきたら呼んで。」
パタパタと冷蔵庫の中身を確認し、エコバックの準備をする母に言い置いて階段を上って自室に向かう。
ガチャ…
―――パタン
自室に入るなり、手紙の封を切って中身を確認する。
シンプルな
“誰にも知らせず、1人で足を運ぶ事。破られた場合、マリオネットの命は保証しかねます。”
「…今度は、何を企んでる
はじめ1人を指名するのは、
おまけに、これまでに
嫌な予感が止まらないが、今回ばかりは明智は勿論、
誰かが死ぬと分かっていながら、出来る訳が無い。
――――――――そして、それから3日後。はじめは手紙に記されていた群馬と埼玉の県境に位置する
「…やっと着いた……。」
着く頃には既に夕方になろうとしていた。
(に、してもデカい家……。)
こんな山奥に家を建てた、というよりはむしろこの山全てが持ち物という事なのだろう。まるでヨーロッパの貴族が住んでいたような
ガンガンガン……!
インターフォンが見当たらず、取り敢えず扉に取り付けられたノッカーを鳴らす。
ガチャリ…
「どちら様でしょう?」
しばらくして顔を覗かせたのは、執事服を纏った老人。
「おお…!もしや、金田一様でしょうか?」
「え?はい、そうですが…。」
「お待ちしておりました。さ、遠路はるばるお疲れでしょう?どうぞお入りくださいませ。」
予想外のリアクションに戸惑うはじめを
「申し遅れました。
「金田一
これまでに無かったパターンに、いまいち理解が追い付かない。これまで、
しかし、今回ははじめが今日この邸に来る事が
「それは当然、旦那様からお伺いしていたからでございます。半年前の
「……旦那さんが…?」
その“旦那様”が
「その旦那さんとお会いしたいんですが…。」
「はい。間も無くお目覚めになると思いますので、夕食の席で皆さまにご紹介させていただきたいと思います。それまで、どうぞ客間でお
「お目覚めって、お体の調子でも…?」
日中寝るような生活なのか。
「ああ、いえ…。実は……。」
どこか言い辛そうに古賀が口を開こうとした時だった。
――――――――ブロロロロロ………!ブロロ…!
「ああ、もうお一方いらっしゃったようですね…。金田一様、お話は後程でもよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫です。」
「それでは、ただいまいらっしゃったお客様とご一緒に客間にご案内致しますので、少々お待ちくださいませ。」
そう言い置いた古賀を見送ろうとしたはじめの耳に、どこか聞き覚えのある声が届いた。
(?…何か、どっかで聞いた事のある声が……。)
扉が締められている為、内容までは聞き取れないものの、どこかで聞き覚えのある声が外から聞こえてくる。
古賀が扉を開けたタイミングで何気無く外を覗いたはじめが、声の主を見付けるより先に、その声は響いた。
「あれ?!はじめ姉ちゃん??!!」
「え?!コナン……?!!」
そこにいたのは、何かと縁のある眼鏡の小学生。
「あ、あんた……!」
「あっ……。」
そして、一緒にいたのは前回気まずい出逢いとなってしまった、
――――――――3度目の
“
その“舞台”の行く末を知る者は、まだ、いない。