金田一少女の事件簿~元祖高校生探偵と小さくなった名探偵~ 作:ミカヅキ
なんか、いつの間にかお気に入り登録が700人越えててえらいビックリしてるんですが…。
感想、評価もどうもありがとうございます。
そして、8月30日付けのランキングで3位ありがとうございました。いつの間にかバーは赤くなってる上に、お気に入り登録がめっちゃくちゃ増えてるでちょっと夢心地です…。
そして、まだ続きます。次回で事件解決予定です。ちょっと躊躇半端なところで終わってますが、それでも良い方のみどうぞ。
「………そういえば。コナン、そろそろその人たち紹介してくんない?」
思い出したようにコナンを見やるはじめに、コナンが頷く。
「こっちの色黒のお兄さんが西の高校生探偵‐服部平次さん。それから、このポニーテールのお姉さんが平次兄ちゃんの幼馴染の遠山和葉さん。それからそっちが、同じく高校生探偵の世良真純さん。後、あっちに小五郎のおじさんと一緒にいるのがおじさんの娘の蘭姉ちゃんだよ。」
「ふーん…。」
一応ペコッと頭を下げるはじめを紹介する為、コナンが続ける。
「平次兄ちゃん、和葉姉ちゃん、世良の姉ちゃん。この人は金田一
「金田一耕助やと?!」
探偵を志す者ならば知らぬ者はいない“名探偵”の名に、平次が目を剥いた。
「聞いた事があるよ…。日本じゃ最も有名と言われている“名探偵”。それが君のお祖父さんだったのか…。」
世良もまた、驚きを隠せない様子で呟く。
「……別にそんな事いちいち言わなくても良いだろ?」
溜息を
「ところでお前ら、一体どうやって入ったんだ?まさか、また目暮に呼ばれたか?」
小五郎たちとの近況報告が一通り終わった
「い、いやぁ…。実はそこにいる遠山和葉ちゃんがそこの西の探偵小僧に電話を寄越しまして…。いざ来てみたら入口の警官に通してもらえたもんで…。最近は現場に来ただけで、「目暮警部に呼ばれたんですね」ってスルーなんすよ……。」
「ったく、あいつら…。後で纏めて説教してやる…!!!」
「ま、まぁまぁ
職務怠慢だ、と怒る
「目暮!そもそもお前が事件現場にひょいひょい通すから毛利が図に乗るんだ!!そもそも探偵ってのは依頼されて動くもんで、自分から関係無い事件に首突っ込むもんじゃねぇだろうが!こいつらがズカズカと現場に入り込むせいで被疑者の残した証拠が台無しにされる事もあるってのに……!!!」
因みに、
「大体、すぐに探偵に頼るなんてお前それでも刑事か?!」
「オッサン、オッサン。それブーメランだから。」
段々とヒートアップし、論点がズレ始めた
「ッホン…!お前は勝手に現場を荒らしたりせんだろうが。あくまでもオレは現場保全の観点からだな……。」
咳払いをして誤魔化し、無理矢理話を戻した
「何でも良いけど早いトコ容疑者の絞り込みしなよ…。」
はじめの言葉に、コナンが食い付く。
「容疑者って、やっぱり殺人事件なの?」
「いや、第一発見者の外国人は自殺じゃないかと言ってたけど…。」
思わず答えた高木が、「子どもに何教えてんだ!」と
しかし、すぐにはじめへと向き直り問いかける。
「金田一、これは殺しか?」
「たぶんね……。」
「何でそう言えるんや?」
「逆に聞くけど、アンタが自殺を考えるならどんな場所を選ぶ?」
「っは?いきなりなんや?」
「良いから。で、どんな場所を選ぶ?」
「そら、自分の部屋で首吊るとか、高いビルから飛び降りるとか……。」
はじめの急な質問に平次は面喰らうものの、再度尋ねられた事で一応答えを出した。
「まぁ、そんなトコか…。」
平次の答えに頷いて見せながら、はじめが続けた。
「大体の場合、自殺する人間っていうのは3パターンに分かれるんだよ。1つは自分の慣れ親しんだ場所で死を選ぶパターン。2つ目は邪魔なんかが入らないように、逆に人気の無い場所や時間帯を選ぶパターン。そして3つ目は、高いビルや踏切なんかの苦しまずに死ねるような場所を選ぶパターンにね…。」
はじめの雰囲気が先程までの親しみ易いものとは一変し、紅茶色の瞳が鮮やかさを増していく。
「だけどここは休日のファミレスの、しかも昼時…。まぁ、ここが被害者の行きつけだった、って言うんなら自殺の可能性も無い訳じゃないけど、それを言うならわざわざトイレを選んだっていうのと、死因が引っかかる…。」
「おい、死因は?」
はじめの推測に、小五郎が高木を振り返る。
「え?!あ、はい。毒です!青酸系の毒物が混入された
「別におかしい事なんて何もねぇじゃねぇか。」
小五郎の言葉に、はじめが訝し気な顔をする。仮にも“名探偵”と呼ばれている男にしては、あまりにも察しが悪い。
「おかしくない?自殺するっていうなら、わざわざ毒入りの
「た、確かに…!」
「そう言われればそうだな…。」
はじめの説明に、小五郎がハッとし、
「それに直前の電話が気になる……。」
「電話って?」
コナンがはじめに尋ねる。
「第一発見者の外国人が、事件発生時にちょうどトイレに入ってたらしくてね。その時に被害者との電話のやり取りを聞いてたらしいんだよね…。」
「そうそう!その外国人が最初に警察呼べって叫んでたんや!人が死んどるから、誰もトイレに入ったらアカンっちゅうて…。そしたら、そこの警部さんが詳しゅう話聞いて、店員さんに指示し始めたんや…!」
はじめの言葉に、和葉が思い出したように口を開いた。
「何者なんだ?その外国人…。妙に現場に慣れてるようだけど…。」
「さぁ…。そこの刑事さんたちとは知り合いみたいだけど…。」
世良の疑問に、はじめが高木の方を見やる。
「ま、まぁ、警察の関係者って言えなくもないけど…。」
高木の答えに、蘭がハッとそれに該当する人物を思い出した。
「もしかしてその外国人って……。」
「ええ…。仕事柄、思わずそうしてしまって…。」
突然会話に割って入ってきた男の声に、その場にいた全員が振り返る。
「キャ、キャメル捜査官!?」
自身の話だと気付いて近寄ってきた、第一発見者の男‐アンドレ・キャメルがそこにいた。
「捜査官って…。」
「この人相の悪い外国人知り合いなんか?」
蘭の思わぬ一言に、和葉と平次が不審そうにキャメルへと詰め寄る。
「うん!FBIの捜査官で、今はたまたまお休み取って日本に旅行に来てるんだよね?」
「あ、ああ…。」
何故かコナンが代わりに説明し、キャメルが頷く。
「へぇ…。日本語うまいんだ…。」
「キャメル捜査官は日本通なんだよ!」
はじめの感心したような声に、再びコナンが答える。
(なんでさっきからコイツが答えるんだ…?)
そんなにこの男と親しいのか。
若干疑問に思ったものの、状況を説明し始めたキャメルに再び意識を戻した。
「そ、それで仲間と食べたここのカレーの味が忘れられなくて、1人で食べに来たら事件に遭遇した訳で…。」
「では、よろしければトイレで死体を発見した時の事を詳しく知りたいんですが…。」
「普通は断る所だが、君にはいつも世話になっているからな…。」
キャメルの言い分に、小五郎が目暮に伺いを立て、目暮が渋々許可を出した時だった。
「ちょっと待て。まだ鑑識が調べ終わっていない。現場を調べるなら、鑑識の仕事が終わってからにしてもらう。」
「「は、はい…。」」
その剣幕に、小五郎と目暮が反論せずに頷いた。
「で、ではキャメルさん、もう1度彼らに説明してやってくれんか?」
気を取り直すように、目暮がキャメルに頼む。
「わ、私は亡くなった男性がいた2つ隣のトイレで用を足してたんですが、声が聞こえてきて…。」
「声って?」
コナンの疑問に、キャメルが詳しく続ける。
「確か、いくら幼馴染っていってもそんな頼みは聞けないよ…。阿部さんに毒を盛って殺したのは自分だ…。だったら自分は責任を取るしかない!!って言い終わったら急に呻き声がして、慌ててトイレから出てみたらこの状況に…。」
その言い方に、はじめは先程から感じていた違和感の正体を悟った。
口調に違和感があるのだ。10~20代ならともかく、被害者の男は恐らくは30~40代前後。先程遺体が運ばれていく際に、
薄汚れた作業着と、
(だとしたら…。)
「キャメルさん、ちょっと聞きたいんだけど…。」
その“阿部”という人は亡くなった人とかなり親しい間柄だと思う、名前をちゃん付けで呼んでいた、と締めくくったキャメルにはじめが声をかける。
「何ですか?」
「あの被害者、もしかして語尾に“や”とか“で”とか付けてなかった?」
「そう言われれば、ちょうどその少年のような喋り方をしていたよ!」
はじめの言葉に、思い出したようにキャメルが平次を指差す。
「え?オレ?ほんなら、関西弁やったっちゅうんか!?」
「カンサイベンっていうかは知らないが、そこの彼女が言うように語尾に“や”とか“で”とか付いてたよ…。」
「だったらその“阿部ちゃん毒殺事件”…、関西の方で起きた事件かもしれないな…。」
キャメルの証言に世良が目暮を見やる。
「すぐに調べろ!」
「はい!」
その視線を受けた目暮が、高木に指示した直後だった。
「いや、“阿部ちゃん”で調べてたら出てこないよ…。」
はじめが、それを制止する。
「どういう事だ、金田一?」
急に何を言う、と言いたげな周囲の視線をよそに、
「あの被害者が関西の出身だったなら、たぶん“阿部ちゃん”じゃなくて“
「確かに、それなら毒入りの
はじめの言葉に、平次のみが納得したように頷く。
「ちょっと待て!2人だけで納得するな。詳しく説明してくれ。」
理解する事を早々に諦めた
「関西出身者だったら、“自分”は“お前”の事。つまり、“
「せや…。そして、その姉ちゃんの言う通り、今のを関西弁に直すとこうなんねん。“なんぼ幼馴染ゆうたかて、そないな頼み聞かれへん!
平次の言葉に、キャメルの以外の人間があっ!という顔をする。
「そうそう、その口調!私が聞いたのはその言葉と全く同じです!でも、何故“Мe”の筈の“自分”が“You”になるんです?」
しかし、キャメルだけはいまいちピンときていない。
「例えば、“手前どもの責任です”の“手前”は自分の事だけど、この場合はケンカ言葉で“手前ェ”って言うと相手の事を指すのと同じ…。日本語は色々難しいのさ!」
「まぁ、TVで関西弁を聞き慣れているワシら日本人なら分かるだろうが、アメリカで日本語を習ったあんたには無理だろうな…。」
納得出来ていないキャメルに世良が軽く説明してやり、目暮がフォローを入れた。
「被害者に毒入りの
はじめの言葉に、コナンがほぼ無意識に続ける。
「キャメル捜査官が犯人の声を聞いてないって事は、犯人は被害者を電話でトイレに呼び出したってトコか……。」
「ああ…。たぶん、自首を勧める被害者とこのファミレスで待ち合わせしとったけど、同じテーブルにつかんと携帯でトイレに呼び出して毒殺したんや…。電話でうまい事誘い出せたら後は殺すだけや…。喋る必要あらへんし、携帯をトイレに沈めたらデータは消えてまうしな…。」
コナンの後に平次が続き、世良が締める。
「でも、犯人にとって想定外だったのは、そのトイレに偶然FBI捜査官がいて素早く死体がある事を告げ、これまた偶然居合わせた捜査一課の刑事が素早く客を店内に閉じ込めてしまった事か……。」
「よーし!容疑者を30~40代の男に絞って1人ずつ事情聴取だ!被害者と幼馴染ならその位の年齢だろうからな!」
「はい!」
目暮と高木がフロアへと踵を返す。
その様子を何とはなしに目で追っていたはじめに、不意に平次が話しかける。
「
「…どーも。」
急に何だ、と平次を見やるはじめに、平次が続けた。
「せやけど、この事件はオレがもろたで…。犯人が関西人やったら、オレの方が有利やからのォ…。この勝負、オレの勝ちや!」
「…勝負?」
平次の言葉に、はじめがピクリ、と反応した。