鈴木悟の異世界支配録   作:ぐれんひゅーず

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エンリ視点のカルネ村説明会になります。

誤字報告ありがとう御座います。

ところどころ原作と違うところがあると思いますが、そこはゆるい気持ちで読んでもらえると助かります。(このキャラはこう考えないだろ、とか)

「最初に書いとけ」とは言わないで下さいね。





11話 エンリの日常

エンリ・エモットの朝はいつも通り早い。

 

「……んん」

 

 目が覚めたエンリは新しく作った布団の柔らかさの誘惑を払いのけベッドで体を伸ばし解していく。

 シズさんというアインズ様のメイドが村に連れて来てそのまま村に住むことになったスピアニードル。

 そのスピアニードルをブラッシングして取れた大量の毛で作った布団はとても柔らかかった。

 他にもクッション等、用途は様々で、村の皆にも好評だった。

 あの方の香りが残る布団から出て居間へと向かう。

 

 朝食の準備をしていると足音が聞こえてくる。

  

 

「……お姉ちゃん。おはよう」

「おはようネム、ラビ。良く眠れたみたいね」

 

 眠そうに目を擦りながらネムはスピアニードルの「ラビ」(ネムが名づけた)と起きてくる。

 あれから改築、増築が進んだ村。

 両親の思い出が残るこの家を壊すのはエンリもネムも忍びなかった。

 だから前の印象が残るよう、エモット家に住むことになったラビが不自由しないように改築したのだ。

 

「お姉ちゃん。私も手伝う」

「ありがとうネム。じゃあ野菜を貰ってきてくれる」

「は~い。行くよラビ」

 

 元気に外に向かうネムを見て嬉しくなる。

 村を襲撃されてからのネムは「良い子」になってしまった。ワガママばかり言っていた時期を思うと悲しく思っていたのだ。

 でも、あの日から少しワガママを言うようになった。

 ラビという友達が出来たことや、たまに来るアインズ様に遊んでもらったりしている内にドンドン元気になっていく。

 普段はネムと一緒に眠っているが、アインズ様が村に来た時はラビと寝てもらっている。昨夜別々に眠っていたのはつまりそういうことだ。ネムもアインズ様と一緒に寝たいとブーブー言ったりするがそこは自分もワガママになり断固拒否している。────ゴメンねネム。

 

「もらってきたよお姉ちゃん。……あと取れたてのリンゴも~」

「あら……ピニスンにお礼は言ったの?」

「ちゃんと言ったよ。ねえ~ラビ」

 

 ネムがラビに話しかけるとラビは頷く。この子は鳴き声をあげたりしない。

 

 ピニスンとはアインズ様が村に連れて来たドライアードで、森に近い場所で畑や農園を営んでいる。

 他にもトブの大森林に住んでいた別のドライアードやトレント達と管理しており、出来た野菜を村に配ってくれる。あまりの実りの早さに不思議に思ったが、それは魔法のお陰らしく、今は大量に作るのが目的らしい。

 

「それじゃあネムは野菜を洗ってくれる?私は切っていくから」

「うん」

 

 ラビの背に乗ってマジックアイテム『湧き水の蛇口』から水を出して洗い出す。

 アインズから配られたこのアイテムが村に普及したお陰で井戸を何往復もする必要がなくなっている。

 

 出来上がった朝食をゴブリン達と頂く。

 森の異変からカルネ村に移り住んだアーグ達の食事はジュゲム達が行っている。「姐さんの料理を食わすのはまだ早い」と、彼らにとってはエンリの手作りはとても美味く、貴重らしい。

 元々母の料理を手伝うだけだったが、最近メキメキ上達しているのが自分でも分かる。

 ピニスン達が作る野菜はとても美味しく、素材だけでエ・ランテルに出回っているどんな物より上等と言うのはブリタの言葉。

 

 食卓にはンフィーとリイジーさんの姿もある。

 ルプスレギナさん経由でアインズ様から「研究も良いがちゃんと食事睡眠を摂る様に」と言われ、今では合間に休憩も取っている。

 その甲斐があったのか新しいポーションの発明に成功したらしい。

 その功績にアインズ様の拠点に招待されたが、発明者の二人は疲労と更なる研究に集中したいと固辞。

 代わりにエンリとネムが今夜招待される事となった。

 

 朝食が終わると村の見回りで外へ向かう。

 村には立派な城壁とも言える塀が囲い、門には守りとして三メートルのゴーレムが二体控えている。

 以前からあった小麦畑を過ぎさらに進んで行くと、村への来訪者には見えない位置に巨大な小麦畑が広がっている。

 ここには特殊な隠蔽魔法が施されており、村の者以外には入れないようになっているらしい。 

 幾人かの村人が農奴アンデッドに指示を出して雑草抜きなどの手入れをさせている。彼らアンデッドは単純な命令は問題なく実行出来るが、細かい部分には誰かが指示しないと上手く出来ない。

 恩人から派遣されたアンデッドに嫌悪感を抱く者は居なかった。説明されたように絶対に危害を加えることなく、村人の指示に忠実に従う姿に、新しく来た人も次第に嫌悪感は薄れていった。

 広大な畑から収穫される小麦は、村に十二分な量を保管し、野菜と合わせてエ・ランテルの商人に卸す事となっている。

 バルド・ロフーレという、エ・ランテルで食料取引の多くを担っている40代後半の商人で、セバスさんというアインズ様の執事からの紹介だ。

 村で出来た野菜と小麦の一部をセバスさんが見せに行き取り成してもらった経緯がある。

 村には過ぎた収入が入るがこれは外部には内密で、商人も出所を一切漏らさないと条件付きでの取引になっている。

 それでも大量に余る分はアインズ様に収める事になっている、労働力や防衛力を提供してくれている方の言う事に反対などある訳がない。むしろどうしたら恩返しが出来るかの方に頭を悩ませてしまう。

 そんなエンリにアインズ様は「気にするな。私がしたくてしているだけなのだし。それに……困っている人がいたら助けるのは当たり前……だからな」

 

 そんな風に言われたら甘えるしかない。────だが、それでも何か出来る恩返しはないかと考えている。

 

 しばらく農作業を手伝っていると太陽が真上に来て昼だと教えてくれる。

 作業を中断して昼食の時間だ。

 本来は朝夕ニ食だったのが、アインズ様の勧めで昼も食事をするのが村の習わしになった。

 疑問に思う者もいたが、昼も食事することで午後も元気に仕事が出来るようになり次第に定着していった。食材も十分にある。

 何事もメリハリが大事だと。

 

 昼食後に自警団の訓練に顔を出す。

 弓による曲射がメインでゴブリンが指導に当たっている。

 

 訓練の場を後にすると女性と子供達に声を掛けられる。

 

「こんにちは。エンリ村長」

「村長~。こんにちは~」

「こんにちは。アーニアさん。皆」

 

 挨拶してきた子供は五人。

 モモンに扮したアインズ様が王都のスラムから連れてきた孤児で全部で二十人が新しく建てられた孤児院に住んでいる。

 アーニアさんは他に七人の女性と一緒に孤児院に住み込みで世話をしており、ルプスレギナさんや他のメイドほどではないが、辺境の村に住むには皆綺麗な顔立ちをしており少し目立つ。

 詳しくは聞いていないが、王都で酷い仕打ちを受けていたところをアインズ様に助けられたらしく、恩に報いるため懸命に働いている。

 子供達も小さいながらも村の手伝いをして、毎日の食事とモモンに感謝しつつ、元気に過ごしている。

 

(同じ人なんだけどなぁ)

 

 思いながらも口にはしない。その事実を知っているのは極一部で秘密なのだから。

 愛しい御方の優しさに祈りにも似た感謝を捧げていると、子供を追って一人の女性が走ってきた。

 

「はぁはぁ……皆走るの早いよ」

「貴方は体力が無さすぎなのよ、リリア」

 

 リリア、とアーニアさんに呼ばれた女性はエンリと年が近いこともあり、仲良くなるのにそれほど時間は掛からなかった。

  

「リリアさん。こんにちは」

「ふう……こんにちはエンリちゃん」

 

 呼吸を整えて花が咲いたような笑顔を見せる。

 

「そんなんじゃアインズ様に御恩を返せないわよ。もう少し体力を付けるべきね」

「え~。そんな事言わないで下さいよアーニアさん。アインズ様なら……」

 

 やいのやいの言い合う二人を尻目に子供達は元気に遊びまわっている。その中にネムも加わりはしゃぎ回る。

 

 彼女達は毎日モモン(アインズ)への感謝を口にしている。受けた恩を返すためだけではない、他の感情も混じって見えるのは女の勘だろうか。

 ネムにも年の近い友達が出来て姉としても嬉しい限りだ。

 

 世間話を終え見回りを再開する。

 村の中央広場にあった鐘は、塀の傍の見張り用の櫓として作られた場所に移動されている。

 代わりに巨大な桜の木が植えられ桃色の花弁が咲いている。

 春にしか咲かない花らしいが魔法により雪の降る冬以外はずっと咲いていると教えられた。

 聞いた事もない花だが綺麗な在り様にエンリはこの木が好きだった。

 

 

 このようにエンリの仕事は村全体を見回り、手伝うのが常であった。

 エンリが居ると体力や腕力、力が漲るようになるらしい。

 アインズ様が村に置いてくれた者達は全員エンリの指揮下に入るようにしたらしく、それに伴うちょっとした実験もあるとのことだが、エンリにはなんのことだか良く分かっていなかった。  

 

 日が暮れ始めた頃、ネムがエンリのところにやってくる。

 

「お姉ちゃん。そろそろお風呂行こ」

「もうそんな時間なのね。それじゃ行きましょうか」

 

 ネムを連れ立って森の近くにある大きな建物へ向かう。

 字はまだ読めないが『浴場』と書かれた看板。左側の赤い暖簾に女と書かれた方に入っていく。ちなみに男は青い暖簾の方だ。

 

 暖簾を潜り引き戸を開けると脱衣所になっている。籠に脱いだ衣服を入れて男湯との間にある渡し口で番をしている小さな妖精に渡す。

 妖精には性別がなく、体長二十センチほどで緑色の体毛を持つ小人で、風呂に入っている間に洗濯してくれる。

 代わりに番号の書かれた札を受け取る、これで洗われた自分の衣服と交換する仕組みになっている。

 

 備え置いてあるタオルを手に浴場に入り、ネムと並んで洗い場に座る。

 

 『しゃんぷー』『こんでぃしょなー』『ぼでぃそーぷ』という液体が器に入っており、これで髪と体を洗う。

 今までは水に濡らした布で体を拭くだけで、髪もたまに水洗いするだけだったのが、この浴場が出来てからは村人全員が毎日利用している。

 隣でネムが『しゃんぷーはっと』を使って髪を洗っている。

 私も常に綺麗で居たいと思い、全身泡だらけになって念入りに洗う。

 

 綺麗になった後は二十人は余裕で入れる大きさの湯船に浸かる。

 今日はヨモギの湯らしい。昨日は柚子湯で日によって変わる。

 こういった風呂に入れるのは本来貴族や裕福な者だけで、辺境の村には縁のないモノだった。

 アインズ様の発案で作られた浴場は大好評で朝に入る者も少なくない。

 浴場が開いているのは朝方と日が沈みかけた夕頃から日付が変わる頃まで。

 もっとも真夜中に入る人はほとんどいないが。

 

「お姉ちゃんの髪、綺麗になったねぇ」

「そう言うネムこそサラサラになってるじゃない」

 

 ネムが言うように、くすんだ金色だった髪は今では蜂蜜色で自分でも綺麗な色になったと思う。

 元村長夫人や年配の女性陣も喜びの声をあげていた。

 

 一日の疲労が抜けていくようで十分に身体が暖まった頃、湯船から脱衣所に出る。

 大き目のタオルで水気をふき取る。濡れた髪は脱衣所で待機している火妖精に乾かしてもらう。

 拳ほどの大きさで丸い火の玉の姿をしており、火傷するほどの熱は出さないようにされている。

 

 家に帰りゆっくり過ごしているとルプスレギナさんが迎えに来る。

 

「用意は出来たっすか。アインズ様のところに向かうっすよ」

「ルプスレギナさん。案内お願いします」

「お願いします」

 

 ペコリとネムも頭を下げる。

 

 そういえば冒険者登録をした日、村に帰った私を出迎えてくれた時。スンスンと私を嗅いで驚愕の表情をして、「こ、これは!すぐに報告しないと。ほうれんそうっす」と言っていたルプスレギナさん。それから敬語を使われてしまった。あの天真爛漫なルプスレギナさんが?敬語はやめて下さいと何度もお願いしてようやく元の口調に戻ってくれた。あれはなんだったんだろう。

 

 失礼があってはならない、持っている服で一番綺麗なのに着替えてネムと向かう。 

 

 

 

 

 

「良く来てくれたわね。まずは寛いでちょうだい」

 

 絶世の美女、そうとしか言えない女性が柔らかい微笑みを浮かべてソファーに座り、対面のソファーに座るよう勧める。

 髪は烏の濡れ羽色に黄金の瞳。蜘蛛の巣のようなネックレスに白いドレス。しかし頭から生えた二本の角に腰から生えた黒い鳥羽が彼女が人間ではないのを物語っている。

 異形種の巣窟ともアインズから聞いていたためそれほど驚きはないが、あまりの美女っぷりに緊張感は拭えなかった。

 

 ここナザリックに招かれあまりの豪華さに驚く中、ネムは「すごい、すごい」とはしゃぎまくり、気を良くしたアインズ様が食事の後ネムを案内すると二人で行ってしまった。

 私も誘われたが緊張で碌に動けなかったため遠慮してしまい、一人で居たところを目の前の女性、アルベド様に誘われ彼女の部屋に来たのだ。今は二人っきり。

 

彼女が優雅な所作で紅茶を一口含む。それに習いメイドの方が淹れてくれた紅茶を「いただきます」と口に付ける。

(わぁ……エ・ランテルで飲んだのよりすごく美味しい)

 

 優しい甘さに強張った身体が少し解れていく。

 

「……エンリだったわね。ここに来てもらったのは聞きたい事があるからよ」

「はぁ?聞きたい事ですか?」

 

 神の住まいと言える場所に暮らしている方が、村人の自分に聞きたい事の心当たりが分からず、つい曖昧な返事をしてしまった。

 真剣な表情のアルベド様がカップを置き居住まいを正す。

 

「単刀直入に言うわ。……貴方、アインズ様から寵愛を頂いたのよね?」

「え?……ええええ!?」

 

 いきなりの言及に手に持った紅茶を零しそうになるが寸でのところで持ちこたえる。細かな装飾に金で縁取られたカップ一つで幾らするか見当もつかない。

 混乱しかけた私にズイっと身を乗り出して来た彼女は、今度は悲痛な面持ちで問いかけてくる。

 

「教えて欲しいの。どうしたらアインズ様から寵愛を求められるかを」

 

 懇願、ともとれる表情に理解する。(この人もアインズ様が好きなのだと)。

 しかし、どうやったらなんて自分でも良く分からない。

 

「あ、あの時はただ、自分の想いをそのまま伝えただけだったので。……どうすればとかは良く分からないんですけど……」 

「……そう……」

 

 今度は明らかに落胆している。ただ、どんな表情でも美しい顔に陰りはなく、美人は羨ましいなと別のことを考えてしまった。

 

「……それじゃあ、参考にその時の事を詳しく話してもらえるかしら?」

 

 人に話すなんて恥ずかし過ぎる。 

 でも彼女の「お願い」と泣きそうな顔に折れて、当時の自分の想いとアインズ様に伝えたことを話す。

 事細やかに聞かれ、やっぱり恥ずかしさで顔が熱を帯びてくるのが分かる。同性というのが唯一の救いだろうか。

 

 全てを話し終えた私は、ネムと一緒に客間に案内され豪華なベッドで一晩泊まることとなった。

 

 

 

 エンリにお礼を言い退室した彼女を見送ったアルベドは収穫があったことにひとまず満足していた。

 

(どうやらあの娘の場合は『誘い受け』と呼ばれるテクニックのようね)

 

 詳しくは知らないがシャルティアが創造主の話を聞いていた中にこういうテクの事があり、それを謹慎中に教わっていた。

 そして謹慎中のアルベドとシャルティアを訪ねて来たデミウルゴスの言葉。

 

 

「二人共、お勤め中失礼するよ」

「あら、デミウルゴス。貴方の言うようにさっきアインズ様から寵愛を頂けたわ。くふふふ……残念ながら御子は授かれなかったけど、次は必ず。くふ♪」

「そうかい、それは残念。しかしまさかシャルティアも一緒とは思いませんでしたよ」

「全くシャルティアったら、デミウルゴスが私に耳打ちしたのになんで分かったのかしら」

「あ~ら。抜け駆けは許しませんえ。それにアインズ様のことでしたらわたしの方がずっと理解していんす」

 

(普段はおバカなのに、こういうことだけ聡いなんて。その優秀さを別のところで発揮しなさいよ)

 

 口ではああ言ったが寵愛を受けた今、シャルティアを邪険にする気は起こらなかった。どっちにしろアンデッドであるシャルティアに御子を成すことは出来ないのだから。

 

(無理やり襲うのを寵愛と言い張る貴方も大概だと思いますがね。焚きつけたのは私ですが)

 

「ああ、おほん!そのことで御二人に伝えておく事があります。……良いですか?」

「あら、何かしら改まって」

「何でありんすか?」

「アインズ様は人間と成られましたが不老です。最初からね」

「えっ?」

「はい?」

「つまり御世継ぎを急ぐ理由は無くなったのですよ」

 

 通常人間は100年も生きられない。アインズの見た目からは後50年ほどしか寿命はなかったかもしれない。尤も御方の魔法で寿命ぐらいなんとでも出来たであろうが。御方が亡くなられるとは微塵も考えておらず、デミウルゴスの後押しを利用して二人は突貫したのだ。

 そもそも王妃の座を狙っている二人がやることは変わらない。

 

「二人が何を考えているか分かりますよ。しかし、もう先のように無理やり襲うのは止めた方が賢明でしょうね。なぜなら、アインズ様は『人間』に成られたのですよ。そこを理解出来ますか?」

 

 『人間』を強調する言葉にアルベドはピンとくるものがあった。シャルティアは小首を傾げている。

 

「ふむ……シャルティアは良く分かっていないようですね。では、説明しましょう。先ほどアインズ様と御話しましたが人間に成った今も変わらず私達僕を大事に想って下さっています。その慈悲深さには感謝の言葉もありませんが……趣味趣向などはどうでしょうね」

「どういうことでありんすか?」

 

 まだ良く分かっていないシャルティアにアルベドが続きを話し出す。

 

「つまりはアインズ様の好みの問題でしょう。人間と成られたことで同じ人間の女に興味が湧くかもしれないと」

「そ、それじゃあ。アンデッドのわたしはアインズ様の好みじゃないと……そんなぁ」

「それは違いますよシャルティア。先ほど言ったようにアインズ様は我々を変わらず大事にされていると。それは貴方達二人も同様に想って下さってますでしょう。ただ、アインズ様が人間の女性に惹かれる可能性もあるということですよ……ですので御二人は暴走しないように注意した方が良いでしょう、過ぎた真似をすればアインズ様に嫌われてしまうかもしれませんよ」

 

(唆したのはお前だろ)と思うがそこはこのデミウルゴス。言ったところで「悪魔ですが何か?」と返されるだけだろう。

 

「貴方はどっちの味方なのデミウルゴス?」

「そんなに睨まないでほしいね。私はナザリックの者が選ばれるのを期待しているよ。しかしそれを決めるのは至高の御方であって我々ではない。アインズ様の決定は絶対だからね。私が言いたいのは二人に少し自重してもらいたいと思っただけさ」

「話は分かったわ。私も少し自重してアピールしていくわ」

「そうでありんすね。少~しだけね」

「期待しているよ。では、私はそろそろ失礼させてもらうよ」

 

 

 

 デミウルゴスの予想通りエンリが御手付きになった。そのことに嫉妬を覚えるが愛しい御方が決めた事に反対は出来ない。妬むより話を聞き、参考にした方がよっぽど建設的だと己を戒める。ライバルが増えようが最終的に自身が一番の寵愛を受けられればそれで良いと。

 

 アインズのベッドに自分の残り香を付けて癒してさし上げたり。

 次に出迎える時は最終兵器(裸エプロン)で新妻ごっこで行こうかしらと妄想を繰り広げながら守護者統括はぶれなかった。

 

   

   

 




描写されてませんがアルベドとシャルティアはアインズに会うたびアプローチしてます。

カルネ村の畑などは、魔法により一度収穫されてます。
現在は季節に合わせて育てている状態。

ゴブリン達には浴場の外に取り付けてあるシャワーで洗っており湯船はありません。
アインズ様がハブったのではなくゴブリン達が「俺達にはもったいない」と断ったため。

ルプスは失態を演じる前に「ほうれんそう」の重要さを学び、ナイス報告をしてしまう。アインズ様から学んだ社会人の常識を実践。


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